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森に囲まれた!  作者: ちかず
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新たな出会い?

ベラさんの部屋…ドアは開いたままだった。

はぁー。

良かったわ。

腹拵えしたら、元通りじゃ困るしね。


広ーい広い図書館に、私達は恐る恐る足を踏み入れる。



一番奥が見えない程の広さを持つ図書館は、ツッコミどころ満タンだったわ。



だって…あり得ないでしょ?



何で階段あるの??


ココ…地下室よね。


その上、二階三階まである階段の上からは、柔らかな日差しを感じる。

物凄く良い雰囲気なのよ。


。。。


日差しとか!窓とか!


地下室の常識をドブに捨てたわ…私。



重厚な雰囲気の彫刻が柱のあちこちにあって、ヨーロピアン風?

何を触っても、間違いなく弁償出来ませんレベル。


私は、雑なタイプだから壺とかやめて〜!

様々な高価そうな装飾品。


家具まで重厚な雰囲気で。


更には。

部屋の周りをグルリと囲む唸るような迫力の壁の本!本!本!!


二階、三階と天まで届く勢いの図書館は、一言の言葉も出ない。


ただ、ただ圧倒される。

美しい図書館は、まるで芸術品…。



ゴクリ。



唾を飲み込む音さえ聞こえるこの部屋に、突然高笑いが?!


『クククク。


面白いわね。さすがフローラの選んだ子だわ。

この部屋にツッコミ入れたの貴方だけよ。


でも。

美しいと感心してくれた嬉しいわ。


コレ…私の最高傑作なの。

気に入ってくれたら、嬉しいわ』



固まる。


間違いなく…心臓にめっちゃ悪い登場。



誰もいなかったはずの部屋に突然現れたのは、背の高い紫色の長髪の美人。


そう…迫力のある正統派美人!!


切れ長の二重には金色の瞳が映えてる。

紫の髪はサラサラして肩から流れる。

高い鼻は女性なら誰でも憧れるはず。


でも。


私。。この人、知ってる。


フローラの記憶なのか、それとも何回も噂を聞いていたからなのか。


ベラ。さん?


は!


足は?



じっと足元を見ると一応、足は生えてる。

じゃあ…足のあるタイプの幽霊!!!


『プププ。

このままじゃ話が進まないわね。


雪菜ちゃんをずっと見てたいけど、時間もないわね。


この姿は、影。

私の最後のカケラと言った方が良いのかしら?


この図書館は、フローラがあの鏡を覗けるようになったら開くように設定したのよ。

まぁ…少し変更になっだけど。


さて。

この図書館は特別な場所なの。

普通の人間は入れないわ』


へ?

でも、ドアは開けっ放しじゃない?

と、言うかドア消滅したけど?!


『ドア以外にも、侵入者を防ぐ手立てを講じてあるわ。今ここにいる人たちは、私がお招きした人たちなのよ。


あら。

残念ね。もう時間切れだわ。


最後にひとつ。

卵を孵してね…あの子を宜しく…』



段々と霞んでゆくベラさんに、悲愴感は全く感じない。

笑顔と共に、彼女は消えてゆく。


大混乱の頭を整理しようとする私の目に。


あり得ないものが見えます!!



アレ、まさかの卵?


ゴトッ、


ガタガタ、、、



暴れて落ちそうになる、重厚な雰囲気の机の上にある卵の側に慌てて駆け寄った。


セ、セーフ。


抱きとめた卵は、パキッと音をさせて穴が開いた。



穴の中から覗く愛らしい目がパチクリしてるわ。

フリーズしてる私をよそに、卵はどんどんヒビが入り中身が出てくる。


私よりドン引きらしいサイラス達の唸り声が聞こえる…あ?違う??



どうやら、サイラス達はこの部屋に入った時から魔法で拘束されてたみたい。

苦しそうに唸る皆んなの姿に、気の毒になる。


『助けたいの?』


「ええ、そうよ」


『なんで?』


「だって、皆んな仲間だもの。

苦しそうなのは、気のど…」


え?


ええええーーーー!!!!



ペ、ペンギン?


私と会話してたのは、ペンギン?!


抱えてた卵はいつの間にか割れ、机の上には手のひらサイズのペンギンが!!


『じゃあ、コイツらも自由にするね』


バタッ!!


全員が拘束が外れた途端、床に崩れ落ちた。


「大丈夫?

ペンギン。皆んなはどうしたの?」


私に擦り寄ってたペンギンがつぶらな瞳で見上げる。


あざとい…が、負けない…わ…。

ダメよ。雪菜!!

でも、皆んなの為にちゃんと聞かなきゃ!!


『癒しの風』



青白い顔だったサイラス達は、その声が合図のように立ち上がると私に駆け寄った。


良かった。

ペンギン、ありがとう!


「「「雪菜殿。大丈夫ですか?」」」


え?

私は大丈夫よ。



どうやら、皆んなにはベラさんの姿が違って見えたみたいで心配かけたみたい。

事情を説明していると、ペンギンが、割り込む。


『し!し!

男は用はないんだよ。


なんでレディは雪菜だけなの?

むさ苦しくて嫌だーー!!』



ま・さ・か・の男嫌い?!


「そんな事より此奴の正体は?

ベラ殿と何の関係が」と、ギャビンが問うと。


プィ。


ええー!!


まさかの無視?

では、コホン。


「教えて。ペンギン」と、私。


『エヘン。

私は、ベラ様の使い魔ブルーレルと言います。

この図書館の管理人です。


そして、今は雪菜様の使い魔となりました。

先程の卵から孵る儀式が、契約の儀式となります。

宜しくお願いします』

そう言うと、私に向かってペンギンはお辞儀をした。


なるほど。

ベラさんに頼まれたのは、ブルーレルだったのね。


ペンギンによく似た可愛い鳥?

ブルーレル…宜しくね。


使い魔…ね。



ふふふ。

ぬぉ。。。

オタクの憧れ!!

魔法使える使い魔とか。


やったわーー!!


大喜びの私はその時は、知らなかったのだ。



ブルーレルの真の力を。

そして、、ベラさんの真の意図を…。




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