ジェラルドとの出会い!
「ふふふ。面白いね、君。
やっぱりフローラの言う通りだったよ。
でもここに飛ばされて気にするのはプリンとかいうものなの?」
浮かんでるキラキラの少年に笑われる。
また知らない事を言い出したわ。
フローラって?
でもあの言い方だと事情を知ってるんじゃない?
やっと何が起きたか聞ける人物?発見!
「ははは。
めげないねぇ。いつも気にする場所が違うって誰かに言われるでしょ。
君の心の声を読んでるって気がついてるよね?
僕を気味悪いって思わないの?」
「いや、リスペクトします!!
すごい能力だと思うわ。
初めて心の中読まれたけど話す前に分かるっていいね。楽だもん。
それより自己紹介がまだだったよね。
あ、名前知ってるのかな?」
キョトンとした顔から薄く笑みを浮かべた少年は少しお年頃に見えた。
最初は身体は少年だけど、どこか大人びていて不思議君だなぁと思ってた。
「もちろん、春川 雪菜さん。
貴方はね、今フローラの身体に転移したところ。
彼女可愛い顔立ちだからラッキーだよ。
特別なこと能力もあるしね。」
フローラの身体…
えーー!!いや身体が違うって思ってたけど人様の身体をまさかの乗っ取りって事?
いやだよ。
フローラちゃんはじゃあどこ行ったの?
た、大変だわ。
探し出して身体を返して。そうよ。
そしたら私も自分の身体に帰れるし。
良かった。名案が浮かんで。
「あのね。名案じゃないよ。
うーん。言い方変えるかぁ。
君はフローラの魔力でこちらの世界に無理矢理連れてこられた人間な訳。
そしてねフローラはその魔法を使った後消滅してるから!
ね、そろそろ理解しようよ。」
消滅って。
えーそんなの…絶句する私の目に少年の悲しそうな横顔が見えた。
二人はやっぱり仲良しだったんだね。
「理解は出来たわ。とは言ってもまだ聞きたい事は山ほどあるわ。
フローラちゃんの方の事情は飲み込めたけど、私は自分の身体と世界が大好きなの。
正直、フローラちゃんには悪いけど迷惑なのよ。」
私は思った事が口に出るタイプよ。
(まあ…この性格で得した事はないんだけど)
「ふーん。随分はっきり言うんだね。
でもそれぐらいじゃなきゃダメだよ。これからのこと思えば。」
フローラの仲良しの割に傷ついた様子も無く、興味深そうに私を見てる。
「それよりお名前は?」
そうよ。根本的な事聞かなきゃ。
「え?今頃なの。
木の妖精だよ。名前はジェラルド。
フローラの友人だよ。」
木?
うーん。。
ぐぅーーー。
と、とにかくご飯にしよう。
何事も腹拵えから。