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森に囲まれた!  作者: ちかず
189/233

助っ人現る?!


ー雪菜視点ー


正義はありました!!


その名も『ベーキングパウダー』


え?

そんなもの正義なんかじゃないって?


ふふふ。

なんと、あの大好物のケーキ達はほぼコレのお世話になってるです!!しかも。。。簡単・美味しい・嬉しいの三拍子が揃ったホットケーキの中にもコチラが隠れています。


ね?凄いでしょ。

でも、本当の目的はやけ食いじゃないのよ。

本当だってば!!

そりゃ、やけ食いもしたけど本来の目的は別にあるの。

だからこそ、ちょっと多めに作ったの。


身構えていたラザンガさんとの話し合いは夜ご飯の間は始まらなかった。

「食事中に難しい話など、美味しいモノに失礼ですな」って。


嬉しい!!

初めて、同士に会えたわ。私も食事時の打ち合わせは大嫌いだった。だから、飲み会も苦手で無言で食べるだけ食べて逃亡が常套手段で。ま、課長はあの通りだし(めっちゃモテたから私どころじゃなかったのだと思う…)とにかく、『ご飯は美味しく』は私のモットーなの。


でも、お腹が膨れると何故か目蓋が重くなると言うのは異世界でも同じらしくて。

は、話し合いが。。。


「雪菜殿。話し合いは我々で済ませておきますから、もう休んで下さい。今日は色々な事がありましたから」

神!!サイラスの気配りに甘えた私はそのままゴージャスな天蓋ベットに潜り込んだ。

2日目ともなれば慣れるのよ(う、嘘です!!本当には寝落ちしました…)


夢の中へ逃亡した私は懐かしい人に会うことになる。




『雪菜。久しぶり、覚えているかな?』

ジェラルド!!

『うん。久しぶりに名前呼ばれたな。ありがとね。それより螻蛄達は元気かな?』

もちろん!!

と、言いたいけど最近は姿が見えないの。

(トトラルを出国するまでは、先頭を張り切って走っていたのに)

『その事だけど、精霊様の命令によるモノだから』

大森林の精霊様…。

懐かしいベラの家や図書館に住むブルーレルの姿も思い出されるわ。随分遠くまで来たわね…私。

『雪菜、ちゃんと聞いて欲しいんだ。こっちでもまた、靄鬼が出没し始めた。だからこそ螻蛄の力が必要でね』

そうか…靄鬼がまた出たのね。バーラド村の人々が苦労しているかな。

あの村は、私にとって故郷のような場所だから。

『雪菜。そこで応援隊を別立てで送り込んだよ。ただ…暴走するかもしれないから宜しくね。あ、もう暴走してそうな気配が…』


そこまでで夢が途切れた。

ある音が原因で。


ブーン。

ブーン・ブーン・ブーン。

耳元の羽音って蚊を想像させるよね?だから寝起きはいつも1発なの。


『おはよう、私が誰か分かるかな』


目が覚めた私の目の前にいたのは蚊じゃなかった。

カナブンだった。いや、違うわね。えっと…。ん?


『馬鹿ものーーー!!!私を忘れるなどなんと言う不敬な輩だ。『時の砂』を与えてやった恩を忘れたか!!』


「ひゃーお久しぶりです。砂漠の精霊さんでひゅよへ」痛いってば。

人形になれるのは、分かりましたけどほっぺたを抓むと地味に痛いです。


『忘れた罰よ。ま、このくらい可愛いモノだわ。それよりあやつが暴走しておるが良いのか?』


え?

ジェラルドの夢が本物だって、精霊さんの出現で理解したけど他にも助っ人が?!

嬉しいーー!!


『馬鹿もの。だから良いのかと聞いておるのだ。ほら、暴走が…』「コンコン。雪菜殿、失礼します」


目が血走ったゲランが珍しく乙女の寝室(うー。ちょっと言ってみただけです!!調子に乗りました…)に駆け込んで来たけど何かあったの?


「ホットケーキと言う代物が暴走しております!!」「は?」「ですから廊下をホットケーキが暴走しております!!」


うん。

人は過重労働はダメ。

サイラスってば、護衛の扱いが厳しすぎるのよ。ゲランが…こんな…


「雪菜殿、雪菜殿ーー!!本当です。頭はおかしくなってないです!!」


気の毒なゲランを見つめていた私に『だから暴走しておると言ったのに』と言う呟きが聞こえてきた。


あ、そうだ。助っ人の事忘れてた。もう一人いるんだよね?


何故か背中にジワリと汗が滲んできた私は、とっても嫌な予感と共に廊下へと出て今度は我が目を疑った。


パチパチと瞬きの後、ジッとみて一つ気づいた。確かに廊下いっぱいのホットケーキがモクモクと膨張しながらこっちに向かってくる。え?もしかしてベーキングパウダーの量間違えた?!(いやね、人ってあまりの出来事があると思考が逃亡するのよね…)

それにホットケーキの先頭にいるモノに心当たりが…。



も、もしかして…碧ちゃん?!


またもや姿を変えていたけど、気配で分かったの。

羽の生えた正に妖精の姿だけど、たぶんアレは碧ちゃん。

碧ちゃんがホットケーキと私に向かってくるのを見ながら固まるしかなかった。驚きすぎて最早動けず…。


『やめよ。祝卵ともあろうモノが宿り主を無視するつもりか…雪菜よ。お主が命じるしかないのだぞ?!さ、早く!!


「ホットケーキここに入って!!」

慌てると、人は訳の分からぬ事を言いますよ。

私のポケット指してそんな指示をば…私の頭が一番不安だわ。。


でも。

碧ちゃんはその上を、軽くいってました。

はい!!

結論から言えば、ポケットに何故があの大量なホットケーキが納まりました。

マジか…更に。


「宮殿の物損なんて弁償どうしよう…」思わず溢れた台詞。


だって。。。


ホットケーキの消えた後の壁や床に空いた穴が。。


私は今切実に願う。

あぁ、もう一度夢の中へ逃亡したいと。。。



絶世の美少年とティンカー○ルの美少女版にかこまれながら私の意識は何故かクッキリ。。。


向こうから来るサイラスの後ろにラザンガさんとベルサークの姿を見つけて…。


ようやく叶いました。

現実逃避の夢…そのままブラックアウトへ…と。



夢の中で、ジェラルドに文句を言おうと思いながら。。。


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