。。またですか?!
ー雪菜視点ー
ちょっと、期待しちゃったわ。
もしかしてモテ期とかが到来してのかと。
そうよね。
そう言えばフローラの姿に変身してコッチに来たのよ。
たぶん、今がソレ。
なるほど…こんなシチュそうでなきゃ…ん?
「何という鈍感さ。
本来の自身の能力よりも鈍感さの方が驚異的とは如何に」
ブツブツ呟くサイラスに、やっと二人の話し合いが終わったと気づいた。
「雪菜殿。
ここはどうやら幻影園の様です。但し、幻影園自体はこの様に変化したと。まあ、消滅と言うべきかと。
あ、大丈夫です。必要が無くなったからの変化。太古の姿と言えばいいかな?
ん?私ですか?」
マティさんの変化はちょっとエグいわ。
この前まで何処か他人を受け入れないそんな表面的な微笑みで。そりゃ絶世の美女、あ、間違えた。超絶なイケメンだけどこれはね。
ダメよ。
ガタイが二倍に増え、騎士の代表らしい凛々しさ満点の笑みの彼が最も変わった事は…。
自然な笑顔。
他人行儀な雰囲気が消え去り、爽やかさをこれでもカッ!!と詰め込んだイケメンになっていた。
その様子を嬉しそうに見るサイラスの笑顔にこちらまで嬉しくなる。
私の笑顔にまたもや、笑顔返しとは。。。
やるわね、マティさん。
私の焼け焦げた頬っぺが痛いわ。
イケメン力…怖し!!
「雪菜、フローラの姿ではないですよ。」
サイラスの返事に、ビクッとした。
やったわ。
心の声…ダダ漏れ状態!!!
ふう。
ちょっと、落ち着こう。
サイラスは、いつもの事だと全く相手にしてないんだから(いつもの事って。。ソレの方が大問題じゃ。。。。)忘れよう。
決めた、忘れるわ。
だって、あの時、痩せこけたマティさんを背負う彼の姿はもう無いんだから。。
それにしても、此処が幻影園だったとは。
でも、納得かも。
よく見れば、絶滅した薬草の宝庫だもの、此処ってば。
幻影園が本物の薬草園になったと言う事かな?
優しい風景が広がる風景は、この世界に来て初めてホッとする気持ちの場所かもしれない。懐かしい気持ちになる。
ゆっくりと深呼吸して周りを見回せば、ペペスとリカルドは仲良さそうに二人の世界を作ってるし、ブルーノはピテレや妖精達と何やら相談中みたい。
ふふふ。
やっと平和が…ん?
「誰に許しを得て接近しているのか?」
「お主こそ、何者?!」
「名乗る前に聞くとはお里が知れてるな。そんなモノは退場願おう。
彼女の護衛は我々に任されているのだから」
「お主…人では無いな…」
何でーー!!!!!
課長とギャビンと睨み合いしてるの?
まさかの刀にまで手を掛けてるこの状況は何ーーーー!!!!
「やってしまえ。雪菜を惑わすモノなど要らぬ」
あーー!カプセ。
いつの間に…。嗾けるのヤメテ。
課長とこの黒豹のコンビは決闘好きね。
そうよ、喧嘩を止めるにはコレしかない!!
私はアイデアを実行に移すべくサイラスを探した…。




