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森に囲まれた!  作者: ちかず
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夢の後は次回に…

この作品をお読みくださりありがとうございます。

誤字脱字を発見してので、編集しました。

拙い文章で申し訳ないです。


雪菜のビックリは次回で爆発します。


少しだけ関係が動いて行きます。

また、お読みくだされば幸いです。


ーギャビン視点ー


耐え忍ぶ。

多勢に無勢の鉄則は今も有効であるが、体力は無限ではない。笛の音と雪菜殿の横顔だけが今の自分の気力を支えている。

息を整える暇もない毒虫の攻撃は容赦ない。もし、万が一にも掠っただけでも恐らく命はない。異様な毒気を感じる。


そんな激しい剣音が響くのに、雪菜殿の涼やかな横顔は集中しているのか一切揺るぎない。もし、それが私に対する信頼であるなら…などと自分の邪心を心の糧にしつつ戦う私は今は皇帝などではなく単なる男。ただ一人の女性に惚れた男。しかも片恋だ。


ピィーーー。

限界が近づいた時だ。雪菜殿の笛の音が一際高く響いたと思った次の瞬間!!


周りの風景が一変した。



毒虫が消え去った。一匹たりとその姿は無い。

いや。それだけではない。それ以上に周辺の景色が一変したのだ。一見変化のない様に見える草むらもリュカ様の山々も様相を変えたのが肌で分かる。

空気が違うと言えば良いのか。だが、確信を持って言い切れる。



全く違う場所になったのだ。



討ち果たした毒虫も既に消え去った草原に立ち違和感の謎を探していたら、土の中から噴水の如く何かが湧き出る感覚を覚えた。

圧が凄いがそれ以上に、遠くの方に上がる煙に背筋がゾワッとする。アレは海の方だな。

あんな遠方でも、何か異変が起きたのか?それもこの雪菜殿の笛の音で集まった何かによってだ。

その確信を雪菜殿の一言が裏打ちする。


「ギャビン。やったわ。

リュカ様の山々は噴火しない。マグマは海へ行ったし島になったから」


『噴火しない』


その言葉の意味はこの世界にとり一大事だ。追求せねばならない発言だ。

衝撃的な事実を多く含むのだから。

だが、私にとりそれ以上に釘付けとなる事態が起きたのだ。


座り込んだまま振り返り、私を見上げてそう言った雪菜殿が微笑んだ。ふわりと柔らかに笑う彼女に落雷に当たった人間の様に動けずにいると、その後雪菜殿が目を閉じてそのまま倒れ込んだ。


金縛りにも似たその強張りは一緒で融解し、私は彼女を受け止めた。


「雪菜殿」

そっと囁くように呼んでみる。


目を閉じた彼女が未だ笑顔だったから。

安心した顔で目を閉じる彼女を抱きとめて立ち上がる。


『何処へ行くべきか知ってるのか?我々も今は動けない。雪菜を頼めるのか?』


ぼんやり見える土の精の言葉に頷いた。

力を使い形を保てないのだろう。


「むにゃむにゃ。

○○の宅急便やったわ…箒がないけど…。

黒猫よりハリネズミ…」ニヤリと笑いながら、寝ぼけた雪菜殿の台詞に鼓動が早まる。


寝ながら喋る言葉の意味は分からないのに、雪菜殿の力が注がれたのだろう。段々に土の精の姿がハッキリしてゆく。

眠りながらも、優しき彼女は彼らを想っているのだろう。


疲れ切った身体だが、彼女の温もりに力を貰って歩き始める。宝物のように大切に抱き込みながら。


彼女が開いた、一本道へ。




ー雪菜視点ー


暖かい。

フワフワする雲の中で揺れている夢の中で私は憧れの主人公だったの。大好きなアニメの…。



だから、目覚めた時の衝撃を知らずにいたの。


『誰か!!

コレ説明してーーーー。』


薄目の私の寝たふりの心の叫ぶのはその夢の後で…。

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