危機一髪?!助けはまさかの…
150話になりました。
予想より長い話しになりましたが、お読みくださる皆様にお礼申し上げます。
ブックマークや評価など励みにさせて頂いております。
まだもう少し話しは続きます。宜しければお付き合い下さい。
感謝を込めて…ちかず
ーとある場所でー
抑えているのも、もう限界かもしれない。
やっぱり、間に合わなかったか。
孤独な闘いの末に見えたのは、幻…?
それもと…。
ー雪菜視点ー
ごめんなさい、嘘つきました。
高い所でぶら下がってる人を助ける力なんて無かった。
元々、高所恐怖症気味の私は下を覗いてギャビンを見つけて。
崖にボロボロのギャビンが掴まっている、様な気がする。
それほど、チラッとしか見てない。
這いつくばって、匍匐前進でチリチリ進むと
カラカラカラ…。
岩の転がり落ちる音と。
「うぅっ、っ」
人のうめき声。
ま、間に合わない。
咄嗟にジリっと近づいて覗いた。
ギャビン?!
「雪菜?!
なんという慈悲。役に立たない不甲斐ない身の吾にこの様な幻が見えるとは。
リュカ様…申し訳な…」
あ、あーーーー!!!!!!
何言ってるか聞こえないくらいの呟きをして極上の笑みを作ったギャビンの手が・手が!!!
岩から。
岩の出っ張りから離れてお、落ちてゆく?!
「ギャビンーーーーー!!!!!!」
間に合うはずもないし、手を伸ばすと私も一緒に落下するだけなのに…。
落ちてゆくギャビンに思わず手を伸ばした。
ピキッ。
い、岩?!
乗ってた崖の先端の岩が崩れるーーー!!!!
ぎゃあーーーー!ー!!!
声にならない悲鳴と恐怖で強張った私は覚悟をした。
そうか、これが走馬灯か。
何も見えないし、意外に手が痛いのに。
こんなのが走馬灯??
は!
目を閉じてたわ、私。
一応、天国かもと思いつつゆっくり目を開くと…ん?
んん??
く、空中浮遊中??
ギャビンも目の前に浮かんでるし。
じゃあ、ギャビンの魔法とかかしら?
。。。
違うか…気絶してるっぽいし。
ぎぎぎぎ…。
動くのが怖い私の思考逃避はやめにして上を見たわ。だって!!!
下とか見たくない。今度こそ気絶する!!!
まさかのハリネズミ・ミニ団体様??
小さなハリネズミ達が連なって、私とギャビンを掴んでる。
崖の上からながーーーいハリネズミの縄梯子もどき??
ゆら。
ぎゃ!!!
ゆらゆら…としたら一気にグィーンと空高く私達が引っ張られる。
ドスン!!!!
地面に辿り着いた奇跡に涙より震えが止まらずにいる私の目の前に次なる驚きのシーンが!!
バラバラバラと、ミニハリネズミが降ってきました。
土の精…ミニハリネズミ軍団。
倒れてピクリとも動かない。
まさか…
だってこの世界の精よね?
私はまだ震えが残る身体で這いながらそっと近づいた。
目がバツ?
「ハ、ハリネズミちゃん?」
そっと触ると「キュウ」
な、鳴いた??
ミニハリネズミって鳴くの??
それより無事だったのね。
良かった…他の皆もコロコロ起き出したから…。
『雪菜。待ってる。
リュカ様がずっと待ってるから一緒に行こう!!』
ミニハリネズミが更なる増殖をしている隙に代表なのかさっき触った子が喋った。
『案内するから。近道で行くよ!!』
気絶中のギャビンと私がそれから、リュカ様の元へあっという間に着いた方法は。
忘れたい。
ぽこっと開いた穴に落ちて…。
巨大滑り台。
遊園地とか苦手だから!!
ジェットコースターとか、めっちゃ苦手だから!!!!
気絶しなかったのは、途中で目覚めたギャビンが抱きしめて揺れを半減させてくれたから。
「状況が把握出来ませんが、良い気しか感じません。危険は無いですがこの方が楽かと。
このままで宜しいですか?」
コクコクコク。
頭を小刻みに縦に振るのみの私にふわりと笑った気配のみ理解したけど。
く、口を開いたら舌噛むから!!
ぽんっと出た場所は、何故か森の中。
山の頂上にいるはずのリュカ様が、そこにはいたけど。
小さ過ぎません??
小指姫??
『雪菜、ギャビン。
よく来た…まさか土の精を連れて来てくれるとは。
。。。まさか……他の精も勢揃いなのか…』
ごめんなさい。
ちっさ過ぎで聞こえないの。
失礼して小指のリュカ様を持ち上げました。
フワッと消えそうなリュカ様にゾワリと焦りに似た気持ちになる。
それが単なる予感でない事がこの後分かるのだけど…




