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森に囲まれた!  作者: ちかず
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ーサイラス視点ー救出作戦のはずが…。


ーサイラス視点ー


何があったのか正確には理解出来てはいない。


ただ、分かった事はまたもや雪菜殿に救われたと言う一点のみで…。



今より少し前…。


目の前でブルーノとピテレが攫われた時に遡る。


焦りはあれどブルーノとピテレが攫われても安穏としていた。

その理由…それはもちろん彼等が特別な存在だからだ。


ブルーノの能力はもちろん、ピテレも単なる妖精ではない。だろうと予測していたし。



ところがだ。

それもあの男の一言で全てが崩れた。


『奴らは特殊な能力を使う。恐らくピテレ殿の能力は吸い取られるか、洗脳され…』


そう言うカリル殿の言葉をリカルドが否定する。


『は!お前さんもボケたもんだ。

彼奴らは特別だ。洗脳などうけないさ!

だが、能力を吸い取られるとは…』


しかし、強気のリカルドでさえ不安を覚える『能力を吸い取られる』と言うフレーズ。


その言葉の意味を考えていた俺の背筋に冷たいモノが走る。


そう。

今、すべてのピースがハマったからだ。


なるほど。


マティの行方不明もそれが狙いならば。。。

不味いな。

彼の命のみならず、精霊や妖精達に大きな災いが降りかかるかもしれない。

だが…。


。。。


いや、彼ならば、

彼の忍耐力と能力ならば、恐らくは…。


駄目だ…想像は悪化の一途を辿る。


ピースは揃っている。


マティにゼルフ王。

そしてブルーノとピテレ。。


間違いない。

敵方にかなりの情報網を持つモノがいる。


俺は内容を簡潔に説明すると、偵察をリカルドに頼んだ。

そして、俺の方は仲間への伝言を朴是騎士団(ホクゼキシダン)の影へ伝言を伝える。



マティの囚われた真なる理由。

そして、現状を。


もし。

もし…俺の持つこの刀がなければ助け出せないだろう。おかしな能力を破れないかもしれない。

だが、今はギャビン殿のこの刀がある。


意を決した俺は丹力を込めて馬に跨り駆け出そうとしたその時、後ろから声がけかかる。

振りえれば、影に手当てを命じたはずのカリル殿がふらふらしながら馬に跨っていた。



何を…。


この刀の能力は確かに命は奪わない。

が、無理矢理術を破るのはある意味命懸けで。カリル殿程の人間ならばとの読みは当たったが。


無理だ。


このまま敵方へ突っ込むのだ。

正直、俺一人でも無事を確信出来ないのに。


「私ならば大丈夫。ヤワな鍛え方などしていません。どうぞ、お連れ下さい。決してお邪魔はしないと誓います」


俺は軽く頷くと馬は掛けさせる。

そのスピードは、我が朴是騎士団でもついて来れない程のスピードで。


例え、カリル殿が遅れを取ろうと止まれない。俺の本能がそう訴える。


ん?


あれは…


『主人がピンチです。ご案内しますから付いてきて下さい!!』


間違いない。

あの時、見た『土の精』か?


出会った時よりも更に小型な姿は意味があるのだろう。

道案内人が出来た俺は更にスピードを上げる。一刻1秒を争う事態だ。


間に…あったのか?



見た目はどう見ても普通の農家へそっと忍び込む。張り巡らされた魔法の罠の痕跡を避けつつ。


先回りしていたリカルドが既に家の中に潜んでいた。


さすが…ゼロ。

道案内無しにここまで潜るとは…。


「さすがサイラス。俺以外にここまで来れる奴がいるとは。ただ、この先が、なぁ」

お互い様と言うわけか。



行き止まり。


目の前の壁。

後ろは通路しかない。


明らかな行き止まり。


『ピィ!』

案内人が甲高く鳴く声で理解した。

カラクリを。


そっと手を当てる。



壁は消滅した。


この建物に張り巡らされた罠の魔法と同じ波長を手から送ったのだ。

(最近、覚えた技のひとつだ。これも…)

考え事はここまでだ。




ブルーノ!!!



ガランとした何も無い部屋の真ん中に満身創痍のブルーノが倒れていたからだ。


なるほど…。

恐らくは、薬草の在り処を聞かれてこんな折檻を受けたのだろう。


しかし、目の前に立ちはたがるピテレの様子は明らかにおかしい。


敵方なのか?まさかの洗脳?!

いや…。

色がおかしいし、波長が…!!

アレはもしかして。


「やっとですね。しかし本当の獲物でない。

残念で…ぎゃぁ!!!!!」


壁から敵方が一斉に現れた。

その時、だった。


味方の襲来があったのは。


味方だが…襲来と言いたい。

それほどの味方が来たのだ。


だが、驚くべきはその数ではなかった。

雪菜殿…。


いったい誰を連れて来られたのだ?!



あの方々は…。



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