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森に囲まれた!  作者: ちかず
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救出作戦開始?!


ー雪菜視点ー


ひと夜の宿を発見して喜んでいたのも束の間。


ピテレの様子が少しオカシイのに気づいた。

気づいたのは、長老さんだけど。


定番の長い白い髭の長老が「不味いぞ?そこなモノは本体がかなりのピンチ。

いや。大体本体と離れ離れでは我らは保たん…このままでは」


最後の言葉が途切れた瞬間、ピンチの身体が茶色に変色し始めた。


「ピテレ!!!!」


こんな時…こんな時は。。


は!!


アレね?『三枝九葉草』

気つけ薬として有名だったはず。


色々な薬草の集合体なの。

でも、入手が難しいわ。

日本ですら、滅多に手に入らない薬草が含まれる。


もし…。

いえ、無理よ。

それよりも、もっと現実的な薬草で…ん?


『良いでしょう。貴方が探されるならば力になるモノがおりますよ。

ほら?』


あら、あの綺麗なお嬢さん達が?


『まぁ、私達を綺麗なお嬢さんだって。

やっぱり噂は本当ね。

いいわよ。私達が探して見つからない草はないモノ。

ね?』



え、ええーーーー!!!!!

いつの間にこんなに沢山の子供達が??

綺麗なお嬢さんと一緒に探してくれるみたい。


ありがとう。

本当にありがとう。。。



『さあ。皆さんはこちらへ』


町長らしき人に勧められるまま、私達は小さな家に入るといい香りに包まれる。

うーん、いい香りね。

あ、素敵な薬草がいっぱい家の中に干してあるわ!!

この香りね?


え?何??


『目的のモノ達に迂闊に近づけば同じ憂き目になるぞ。何か作戦でも?』


出された薬草茶を飲みながら、町長の問いかけに答えた(ものすごーーく美味しかったわ…)


もちろん私が提案した囮作戦を説明したら…。

あら?なんだか騒がし様な…



ざわざわ。。


ざわざわ。。


何故?

ここには町長と私達しかいないのに何処から音がするの?



なんで??


『貴方が囮になる。そう聞いて村人が張り切りましてな。地下道を建築中ですな。

これなら、敵に気づかれることなく目的地に。と言う事態になるでしょう』


はぁ?

まさかの地下からの音?!

 

でも、せっかくの囮作戦も地下道で目立たなければ意味がない気がするんだけど…。


『最早遅い!!

事は急を要するのだ。

ほら、帰って来たぞ?ほら…』


あの沢山の子供達が手に手に薬草を持って帰って来たわ!!

えーー?


これってば幻の薬草と言われた『三枝九葉草』まで!!!


凄い。

凄すぎる…。


幻の薬草ってば、他にも大量に。


「ありがとうございます。今、ピテレに飲ませますから」

慌てて私がピテレへ飲まそうとしたら、綺麗なお嬢さん達が「もう、飲ませたわ。この子は大丈夫だけど本体も飲ませなきゃ!!」


はや!!

ピテレってば、針も艶々して元気そうに見えるけどまだ寝てるし。

やっぱり、本体がだいぶピンチね。


ボコっ!!!!!!!!!


『出来たーーーー!!!!!』


び、びっくりしたぁ。

家の床に突然大穴が開いたから…。


小さな小さな…なんで??

何故、犬が??


犬ってば、もぐらの仲間だったっけ?

ええーー!!!


嬉しそうに尻尾を振る姿は大好きなインスタの写真みたいで確かにニヤけちゃうけど。


『ほらほら、急いで。

こっちだよーー!!』


後を追おうとしたら、え?町長さん??


『もちろん、我も参る。

町人も後から来るだろが、まずは一番乗りをせねば、な!』


なに、そんなピクニック的な楽しい雰囲気で先頭を?!

危険なのよ!!


ね?課長!!


えーー!!!

あの強気な課長が、まさかの一礼とか。


「あのな、春川が相変わらずのダダ漏れの上失礼な奴だと再認識したが、町長さんはかなりの実力者だ。

先頭をお任せすれば良い。さあ、」


とにかく、とにかくと。

町長を先頭に地下道を進む。


あの短時間で掘ったとは思えない出来栄えで。私達の身長…と言うより私の身長にぴったりな地下道。


飾り付けまでは、要らない気がするけど。。


『駄目だよ。女の子が通るんだから。

ちゃんとしなきゃ、ね?』


得意そうにしてる沢山の犬達もいつの間にか別の地下道からついて来てる??

えーーー!!

さすがに小さな小さな犬だよ?危険だよね??


『大丈夫。土が味方するから!!』


髭の長老まで、まさかのご同行なの??

あー、もうこれってば課長に頼むしかないわ。


「課長…」「春川。余計な事は言わんで良い。了解したから任せておけ」


おぉ、被せてきたとか。

じゃあ、説得を…ん?


「雪菜殿。我々も全力を尽くして皆さまをお守りします」バレン達の言葉に町長が冷笑してるし。


混沌(カオス)!!



ーブルーノ視点ー


もう、耐えられない

こんな事って…。


そりゃ俺だって

アレがピテレではないと理解してる。


だって、ピテレの心を持ってない。それはわかる。俺たちは特別だから。


馬鹿なアイツらは気付いてないけど。


たぶん、土の精と逃げたんだ…そう思いたい。

だって…

あのままじゃ。

あのままじゃピテレが壊れちゃうよ!!



雪菜…。

頼む、早く早く来てくれーー!!



ガタン!!!!

ゴウーーーーーーーーーー!!!!、


なんだ?

爆発してのか??


まさかの雪菜か??


「助けに来たのに、違う名前とか呼ぶしなぁ」


え?リカルド??


サイラス達が助けに来てくれた!!!

ありがとう。


ピテレをピテレを頼みます!!



「こりゃ満身創痍だ。俺はとにかくブルーノを連れて後退するぞ?」

遠くからの様に聞こえるリカルドの声にアイツの声が!!!


「フフフ、

お前たちが来ると分かってましたから。罠ですよ、コレ。

こんな子供など役になど立ちませんから、ね?」


サイラス。

リカルド。


気をつけて…。


アイツの技に。。。


そこまでで俺の意識は限界に達した…。

ピテレ…。


最後にそう呟いたら、声が聞こえた気がした。。。





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