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森に囲まれた!  作者: ちかず
137/233

バレン視点ー満場一致ー


ーバレン視点ー


作戦とか、計算など意味すらない。


それが雪菜殿だ。


知っていたつもりだったが、今回もまた反省しかない。

あの笛の音だ。必ずや住人が騒ぎとなるだろうと誰もが予想がついた。

悔しいが、あの従者に任せれば彼女の安全は脅かされまい。

ましてや、あの黒い…。


と、思うからこその発言だった。


「春川はな。あぁ言えば斜め上に反応するんだよ。とにかく、逆効果だったな!」

腹の立つ言い方は彼の癖だ。

周りを煙に巻くつもりは、既に意味はない。

我らも聖騎士団の一員だ。


「あのなぁ、頼んだアンタが目を離すのが悪いんじゃないのか?!」

ゲラン…。


それじゃせっかく寝ている雪菜殿を起こしてしまう。


あ、


カブスの化身、黒い獣に尻尾で叩かれた。

理解した様だな。


『お前達だけでない。我が主人すら予想外の展開だと言われてる。

まさかの慶鳥の大群。

『幻影園の扉が開いた』それがとうとう現実になったのだろう。そこへ異能者が現れた意味が不気味だ。

いよいよ、雪菜は狙われる』


獣の言葉は、我々の話し合いと同じ結論だ。


『いえ。結果はもっと凄い効果を高めています。水は生命の源。

この雨の意味を本当に理解しているのは我々妖精や精霊たちです』


『雪星の雫』それを盗む意味。

更には、それを利用しようとする者達の意図するところ。

考えるだけでヘドが出る。


水を独り占めする。

利権と言うには恐ろしい程の煩悩。

いや、煩悩に申し訳ないな。


愚かモノの末路だろう。

アレを人間如きがどうのこうの出来るわけもないのに。

それすら理解出来ぬ無能は…恐らくルーベント精霊強国の教会部の首脳連中だろうが。


「う、うーん。

お婆ちゃん。もう食べれない…」


全員がビクッとなる。

雪菜殿の寝言だったようだ。


それにしても、雪菜殿の祖母上様は賢者の様だな。薬草の知識のみならず様々な真理をご存知なのか?


本当に単なる村人だったのか?

それとも…。


「春川には、言えないがサイラスとやらの苦境は取り敢えず放置する他ない。とにかく『雪星の雫』を…」


あ!!!


雪菜殿?!

様子が違うような!?


『慌てるな。コレの姿を借りておるだけだ。本人は夢の中よ。

お前たちは、忘れておるな。

雪菜に物理的に戦う力はなくとも、一緒に立ち向かう志や知恵があると。

サイラスは…恐らく大丈夫だろう。

だが、そこなピテレ。そしてマティは危機的状況だ。雪菜と共に迎え』


淡雪の様に消えゆく雪菜殿。

そして、訪れた静寂を破ったのはまたもや、あの従者の男。


「春川の事を真から理解していないのは、実は俺だったのかもしれない。

差し出がましい事を言った。申し訳ない。

ニホンでもそうだった。

彼女のやる事は、いつも予想外で敵わないと何度も思わされた。

明日の朝、彼女の意見を聞きながら作戦を決めてはどうだろうか?」


今度は満場一致だった。



ー雪菜視点ー


良い匂いがして目が覚めた!!


最高の目覚めは、驚きの連続だったわ。

宿屋のおじさんのおもてなし料理。

テーブルに並びきれない程のご馳走?!

笑顔の溢れる店内の朝ごはんは最高だったけど…。


でも、最大の驚きは会議への参加要請よ!!

あ・の・課長が頭を下げて「春川の知恵を貸してくれ」とか。

もしかしてまだ、夢の中なんじゃあとか疑ってたら頭叩かれた。


あ、課長ね。

ゲランの攻撃を薄ら笑いで躱してるのは、確実に神鳥課長!!


「あのね。

一つ提案があるの…」


私のかねてからの案は、渋々採用されたわ。

オカシイわね?


賛成がピテレだけなんて…。



でも…。

この案に一番後悔するのは…。


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