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森に囲まれた!  作者: ちかず
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今度は宿屋で騒動が?!


ー雪菜視点ー


ピテレの告白はかなりの衝撃だったみたい。

ルーベントの王様の危機。

側近さんのいた敵が攫ったらしいマティの危機。


そして最大は、敵方に居た能力者。

まさかの妖精や精達を操る能力とか。

マジなの?


うーん。

悩んでいる私を他所に課長や黒い獣が参加する話し合いは、意外な程爆熱してる。

いつの間に仲良くなったの??


やっぱり漫画の様に漢の友情は拳で…なのかしら?

ま、それはそれでオイシイけど…。


は!!!

それどころじゃなかった。

サイラスも。

ブルーノも。

ピテレの本体も。


そしてマティさんや王様までピンチでいっぱいでどうしたら良いのか…。

悩む私の肩をバレンが叩く。


ん?何??


「ですから。

外が騒がしい様ですので見て参ります。

が!!必ず雪菜殿はこの刀の従者と共に居て下さい」


真剣な表情は、珍しい。

普段は穏やかに微笑んでいて、ズバッと真実で物事を読み解く。

そんなタイプなのに。

余程の事態なのね…。


「何という愚かな。

春川にそんな事を言えばかえって首を突っ込むのに…」


課長?

何か言った??


あ、出た。

そのウンクサイ微笑み。

嘘っぽいけど、絶対言わないつもりの奴!!


まぁ、いいか。


護衛三人組全員で出動だもの。

きっと大事ね。


「ククク。アイツら三人より俺一人の方が断然強い。だから安心して待ってると良い」


ええーー!!!

何というウンクサイ台詞!!!!


これは内緒の大事に決定ね。

は!!!


そうか。

納得いったわ。


音痴の歌で、街の人々が文句を言いに来たのよ。なるほど…。


納得するのも嫌だけどあのバレンの表情と言い、課長のウンクサイ台詞と言い。

不味いわ。


私自身がキチンと謝らなきゃ!!

でも…。

課長が見張っていて出れないし。


そうだ。

獣さんに…。


『ね?お願いよ。獣さんに課長の目を逸らして外に出れる様にしてってお願いして』


『オゼルの大刀』は心の声を拾うからこういう時便利ねぇ。


『良いだろう。カブスも張り切っておる。

もう5分したら、窓の割れる瞬間がある。

その時、ドアから飛び出せ。いいな?


それにしても…魔剣の扱いが伝言板とは。

此奴は、本当に…』


ん?

最後の方は聞こえなかったけど、ありがとうーー!!!


ガシャン!!!


何故だか、突然目の前の窓が割れたわ。

もし、打ち合わせしてなければ私はびっくりしてひっくり返ってたかも。



それーー!!!


「あ、春川ーー!!邪魔するな!!」


おぉ、後ろから揉める声がする。

後が怖いかも。


こういうズルってば、課長異様に怒るから…。ま、それも慣れてるけど。



宿屋の出入り口付近は、やっぱり大声が飛び交っていたわ。

バレン達が苦労してるわね?


ちゃんと詫びて、許しを…ええーー!!!


「「「「女神様だーーー!!!」」」」


謝ろうとした私を見つけた数人の大声が木霊する。


女神様??

あれ?こっち世界では…音痴=女神様だっけ??


「春川ーー!!

そんな訳ないだろ?あぁ、折角の護衛の努力が無になるな。

あの歓声が聞こえるか?

ほら、慶鳥の群れと笛の音。

更にはあの大雨だ。


理解出来たか?」


あきれ返った課長の声色は、無視して私を見ながら拝む人々に慄いていた。


だって!!!!


単なるOLには、あまりに荷が重いわ。

拝むってば、神社とかでしか見ないもん。

ジャニーズだって、拝むは無いし。


『雪菜。素直に笑顔が良いよ。

あの人達の喜びは本物だから。そして一言あげればちゃんと落ち着くから』


ナイスピテレ。

助言通りにしたら、皆んな家に帰ってくれたわ。



「皆さーん!!

頑張ったのは、慶ちゃんです。

でも、ありがとう。

お礼に笛を演奏します」


演奏したら、ピタッと静かになったし。

演奏終わったら、全員が帰ってくれたし。

(ちょっとフラフラしてたけど…。笛ってばそんなに大きな音だったかな?)


でも。それで思い出したわ。


一人じゃ無い。

一人で出来ない事も皆んながいれば…。



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