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森に囲まれた!  作者: ちかず
132/233

決闘の影で…。


ーレジー視点ー


ククク…。


刀の本性は見せて貰ったわ。

やっぱり決闘はいいわねぇ、隙が生まれるもの。私が一番見たいモノが見たからここらで…と。


私は獣へ耳打ちする「アイツら連れてゆけば雑用係になるわよ。程々強いから邪魔にもならないでしょ?」


上手くいったわ。

獣はそのまま、アイツらを連れて行く決断をする。


サイラスにマティ。

助ける相手は、聖騎士。

我々にしか分からぬ秘密もある。

だからこその護衛隊だ。


ただ…雪菜の魅力の前に全ては霞そうだが。

それだけに、雪菜は厄介かもしれない。



善良な人間は、読めないのよ。

私などにはね。


彼女が出すキラキラした光が心地よく目的を忘れそうになるのが余計困るの。

だから、つい抱きついてしまうわ。

演技を忘れて…ふぅ。


さてと。

そろそろ本業の方へ取り掛かりますかぁ。



ープサラル視点ー


突然の出来事だった。


底が抜けたように連れされた場所はまさかの異世界…。

生まれ故郷は、水の惑星。

我等は水と共に生きる種族。


だからこそ、よくここまで保った。

ここで言う魔力に似た力で姿を換えて、やっと捕まえた希望の光!!


の、ハズだった。

許されない事だと承知している。

だが、どうしても『異世界への扉』と言う本を手にしたかった。


不可能を可能にしたフローラという魔法使いに望みを託した。

無論、カンドリと言う者が希望と同郷と知って助けた。恩を売り…(見破られたが…)

アレは勘の異常に良い男だった。


だから、彼を利用する事を考えた。

最後の満力(魔力と同じ)を使ったのだ。

賭け…だった。

最初から勝てる見込みのない勝負だったのだ。

あの『オゼルの大刀』だ。

あれは恐ろしい…心底、恐怖を覚える力を持っていた。


終わる予定だったのに。

戦いの末に意識がまだあるとは…驚きだ。

でも、それもこれまでか。

意識が完全に遠ざかる。。。



目が開いた??


え?何故?


まさか…助かったのか??


一体誰が?どうして?

疑問だらけの状況に混乱が増す。


最大の疑問は、俺の満力が何故増えたのか?

(この世界では失った満力は絶対増えないハズ?)

更に、この世界に来て以来初めて楽に息が出来る…



これがユキナの奇跡の力か!!!



「ふふん。

そうよ。それすら分からず敵に回す辺り今回の頭目は馬鹿ね。

私?私はレジー。

そう、名前は知ってるみたいね。じゃあ吐いて貰いましょ。

私の腕前は知ってるでしょ?

雪菜の努力が無になるわよ?」


突然、現れた相手にドキッとしたのも束の間。

相手は、あのレジーだ。


「いいだろう。何でも話そう」


おや?

本気で驚いているな。こりゃ愉快だ。


「アンタらの情報じゃ、我々は秘密を喋れば命を失う掟を持っていると思ってるだろ?

だが、それは正確ではない。

とにかく、何を聞きたい?」


彼女がニヤリと笑った。


「分かってるでしょ?」


そう。

分かってるさ。

『雪星の雫』の行方じゃないよな?


恐らくは…。



満足した彼女が答えた。


「ふーん。

で、これからどうするの?逃がしてあげようか?」


この提案は予測済みだ。

邪魔なのだろう…。


「いや。

逃げるタイミングは自分でな。

いつでも逃げられる…」


最後の言葉を聞く事なく彼女はその場から去った。


まるで最初から居なかったように。


そして…俺もその場から去る決心をした。

一つだけ…ヒントを残して。



『古代地図』。



せめてもの彼女への礼として。

(会える顔とてない自分だが…な)




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