雪菜の決意。。。
ー雪菜視点ー
わぁ、びっくりしたぁ。
神鳥課長が倒れる瞬間のあの顔色…。
間違いなく、最悪の結末を想像したわ。
でも…。
やるわね。。。『オゼルの大刀』
まさかの身体乗っ取りはちょっとビビったけど、課長を助けてくれた。
本当に感謝…。
知り合いが倒れる…。
それは味わいたくない過去を思い出させる。
ただ…。
アレはどうなの?
なんでここに来て課長のコスプレを見なきゃなんないのよ。
しかも…ラノベ女子には敗北しかない。
まさかの侍姿とか。
身体つきも変わったわ。
筋肉質になりひとまわり大きくなった姿はまさに戦う為だけのモノで。
ううん。
顔つきも違う。
何処となく、人間っぽくないと言うか…え?
魔剣の従者って人間じゃないの?
[人間の枠組みを外れた存在となった。ま、人間であれば助からぬ。定めを違えるならば人の枠組みから外す他ない]
さっきから心の中にするこの男前な返事の主って、やっぱり『オゼルの大刀さん』かな?
[ふっ。まぁ良い。其方にだけ我が真名を呼ぶ許可を与えよう。我が名はカンプフ。
其方が。。。。を歩む限りは力を貸そう]
え?
途中聞こえなかったけど。。
まぁ、いいか。
とにかく、目の前に跪く異常事態の課長を何とかしなきゃ!!
早く正気にかえって!!!!
「私はオゼル様の従者。
既に神鳥と言う名からは離れました。
どうぞ、名を下さい」
ええーー!!!!
本当に神鳥課長じゃないの?
。。。
「じゃあ、蓮。どう?」
驚いた表情は、いつもの課長のモノだった。
良かった…やっぱり記憶はちゃんとあるんだ。
『神鳥 蓮』
それは課長の名前。
「ふふふ。蓮とは良き名を下さり御礼申し上げます」微かな笑みと共に礼を言う課長に私は絶句したの。
だって…。
その時の課長の表情は…
きっと一生忘れないだろう。
泣きながら笑う人の顔…それを見た気がした。
だから、私はある決意をした。
出来るとか方法とかそんなの関係ない。
必ず、課長を元の人間に戻す!!!
と。
「待て。
蓮とやらの懐にある刀は、オゼルの大刀では?それは雪菜殿のものであるはず!!」
エイダムさん?
あら?
本当にくっついていた『オゼルの大刀』が無くなってる。
私的には、良かったけど?
ダメ??
「殺気立つのは、お辞めなさい。
アレは仮の身。本体は雪菜殿の中に眠っている。従者としての武器として『オゼルの大刀』が与えしモノ。そうであろう?」
アレロアさんは、少し苦しそうにそう呟いた。
そうよ、こんな場所でなく休まなきゃ!!
ん?
課長ーーー!!!!
「何を…」
そう言って絶句するアレロアさんを抱き上げてドアへと向かう課長に聖騎士の団員さん達が色めき立っている。
そうよね。
だいたい、敵方で悪い事をしてた一味だもの。
それにしても…なんで??
「『オゼルの大刀』よりの指令により」
なんて?
まさかの花の乙女の心の中がバレてるとか?
ダメ!!!!!
絶対、ダメーー!!!
[あの者はデタラメを言ったのだ。我は何もしていない。恐らく…其方の顔色から察して動いたのだろう。それにしても…面白い従者を得たものだ…]
またか。
顔色を読まれて何度失敗したか。
課長は、そう言うの得意だからな。
むー。
あ、気を取られる隙に一触即発になってる!!
「お願い!!
本当だから、課長を行かせて。
アレロアさんは限界よ。それにその人が従者になったのは間違いないわ。
私が保証します」
私如きの言葉じゃ…ん?
「分かりました。
まだ、疑いの心もありますが、貴方の申される事ならば我らに依存はありません。
恐らく、ここにいる誰も同じでしょう」
一斉にお辞儀をして、課長と出てゆく。
。。。
何となく、肩が重い気がするけど考えないにした。だって。。。
とにかく、考えなきゃいけない事だらけだもの。
俯いていた私の肩をアーノルドが叩いた。
「雪菜。
疲れた?もし、元気があればアレが食べたいなぁ。リクエストして良いかな?」
私は笑顔で頷いた。
元気を出そうとする時作る…豆・野菜入りトマトスープ。
ある日の朝ご飯。
皆んなには、何かある度に作ってたから。
そうよ。
まずは腹ごしらえ。
そして私は…我にかえった。
いつの間にか、いっぱいいっぱいだったと。
そうよね…
皆んながいる。
一人じゃない…。
それから、大量のトマトスープ作りに励んでだ。
一番食べたのは…もう起きだしたバズールさんだったわ。。。
もう、心配ないわね…。
(ある意味…アレこそ人外?!)




