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森に囲まれた!  作者: ちかず
122/233

まさかの出会い?!


ー雪菜視点ー


あり得ないーーーー!!!!


いや、最初は誰か分からなかったわ。

でも…今ははっきり分かった!!


まさかの『神鳥課長』?!


ココが何処か理解してるから、余計ちょっと時間がかかった。

私の天敵、神鳥課長が敵方として気を失ってるこの状況!!


だ、誰か私に説明してーー!!!


動揺は取り敢えず、隠して重傷者を含めてバーラド村へと運ぶ。

村人もちょっと変わり者のフフサ殿もお手伝いしてくれた。

特にフフサ殿の有能さに意外な印象。

だって…いつものよく喋る口は無言のまま。

店にあった薬を大量に提供してくれたし!!


サイ村長の家へは、敵の親玉らしき人とバズールさん。そしてアレロアさん。

今日明日が山場なのは、親玉のみ。


さすがのバズールさんは、意識すらあっという間に取り戻したし。

不死身って言葉…現実でも使えるのね…。


『雪菜殿、雪菜殿…』

譫言で呟くバズールさんを運ぶのはちょっと堪えたわ。


勝手をしたばかりに、随分心配をかけて…。


三人の看護にあたりながら、そんなもの思いにふけっていたらサイ村長から声がかかった。



「雪菜殿。敵方の1人がお話があると」


!!!


そうよね。

そっくりさんの訳はないわね。


案内された部屋に寝かされていた課長は、いつもの苦虫を噛み潰した表情で私を見ていた。


うん!!

超見覚えある!!


あの顔。

あれこそ、神鳥課長よ!!


「相変わらずだな。春川…。

心の声がダダ漏れだと何度も注意してのに…」


ぎゃぁーー!!

また、やった…不味いわ。


「とにかく、命の恩人に変わりない。

礼を述べよう。ありがとう…、

おい、また漏れてるぞ?

礼ぐらい俺も言うよ。

ふふふ…お前は何処にいても変わらずにいられるのだな」


疲れた表情のまま、いつもの嫌味を繰り広げるわね。

課長だって相変わらずよ!!


「とにかく!!

俺の現状が知りたいだろ?

質問には答えよう」


そう…。

苦手だけど、嘘は言わない人だから。


「何故ココに?

もしかして…魔法使えます?」


あれ?

ため息??


「お前…最初の質問は理解出来るが…何故それを聞く?

俺に魔法なぞ使えるわけがない。

それに、俺はお前の巻き添えだ!!」


えーーー!!


巻き添えって??

私ってば攫われたのよ!!

まさか…恋人と思わ…



「違う!!

ふう。お前と話すと疲れる…。

お前がこの世界に攫われた時に近くにいたんだ。

そして、何故か俺だけ過去を遡ってしまったんだ。

お前の来る数ヶ月前のこの世界にいたという訳さ」


え?

まさかのタイムスリップ?


「とにかく、俺はこの『最果ての一味』に数ヶ月仲間として存在してた。

そういう事だ…」


泥棒する『最果ての一味』の仲間に?


絶対信じられない!!

課長は、徳にならない事はしないもの!!


「お前の俺の評価は分かったが…。

我々には、我々なりの事情があるのだ。

だが、その言い訳は通じないようだな。

先程から射殺しそうな目つきで入り口から睨む人間がいるしな…

??

お前!!

何を??」


私は課長を強引に寝かしつけたわ。

だって…怪我の具合がかなり悪いもの。

今は、問答する場合じゃない!!


「さあ!

課長も同じ薬剤師ならば分かるはず。

今は無理だと…。


とにかく、元気になったら話し合いましょう。親玉さんも必ず治しますから!!」


青ざめた顔に今日始めての笑顔を浮かべて小さな声で「ありがとう」と。


その後目を閉じて数分で眠ったので、静かに部屋を出た。



「アーノルド。

護衛ありがとう。

でも、相手は怪我人よ。」


アーノルドは最後にもう一度課長を睨んで頷くと戻って行ったわ。



。。。

あの顔…恐らく親玉さんは課長の大切な人なのね。本心の覗く顔なんて…始めて見たかも…。





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