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森に囲まれた!  作者: ちかず
117/233

本当の理由は?


ー雪菜視点ー


根っこの問題。

それは恐らく根腐れかなぁと。

空気と水が程よくある土こそが、木の根っこにとり最適の環境。


だけど。

何かオカシイ…。


呼び出した螻蛄達は、一生懸命土を耕しているけど…。



根っこの様子はあまり変わらないもの。

何だろう。


考え込む私に、エイダムさんが尋ねる。


「雪菜殿。

何を悩んでおられるのです?

土の妖精が大量に動いていて改善されたいるように思えるのですが…」


うー。

纏まらない考えをポツポツ話すと、エイダムさんもアーノルドも静かになる。



そうよね。

抽象的で分からないわよね…。



「雪菜。

もう一度考えて下さい。

今の精霊樹は過去の姿。現在と何か決定的に違う場所があるはず。

それがヒントかと…」


んー。

言いたい事は分かるけど、ヒントなんか見つからない。


焦る私は、この根っこのトンネルの様子を手で触ったり近づいて見たりしながら考える。


ざらざらした感触は、瑞々しさがありまだ元気な感じがすると考えていたその時。


ん?


穴?


ざらざらの間に小さな穴があるわ!!

何の…あ!!!


す、吸い込まれるーーー!!!!!


エイダム!!

アーノルド!!


ゲルガー!!!!



もう、上も下も分からないグルグルとなってもー目が回る!!!


やめてーー!!


洗濯機の中で洗われてるみたいよ!!


ん?


ポン!!!



吐き出させるように、何処かへと飛び出した私がいるのは…。


どこ?


一面の緑の絨毯の下みたい。。


『おや。

珍しいお客さんだな。


ここの眺めはどうだい?

素晴らしいだろう』


隣には、見た事のない黒い生き物がいたわ。


『俺かい?

俺は、この精霊樹の影。

ま、この精霊樹の事なら何でも知ってるよ』


え?

ええ??


影?

何でも知ってる??


ツッコミ処満載だけど、この場所をまず知りたいの。


『ここは、精霊樹の天辺にある葉の上さ。

ココからの眺めは、遠くカザエルの町や海さえも見えるよ!!』



えーー!!

遠い遠いカザエルが?!


目を凝らして見てみると、確かに地平線と呼べる程遠くまで何も無いわ。


山々や川は沢山あるけど、町なんかは小さくて。


凄い昔に来たのかしら?


『残念!!

それは違うよ。


この精霊樹の大きさがものすごーーく大きいと言う事だから!!

そうだね…山よりも遥かに大きいんだよ!!』



や、山より大きいとか…そんな…


『だから、俺が生まれたんだ。

影…。


よーく見てご覧…』


あ!!


こんな事って…。


あまりの大きさに周辺は、影ばかりで何の草花も木々もないわ。


これじゃ…。


『そう。

だから、根腐れじゃないよ…』



胸に迫る景色が広がっている。

ポツンとある巨大過ぎる精霊樹。


日の当たるとこの無い場所は、砂漠化すらしていた。


私の頭の中に、影が言う『根腐れじゃないよ…』の台詞がグルグルと回る…。



手に余る問題を抱えて、悩む私はOL時代を思い出していた。



「解決出来ない事はない。でも、1人じゃ無理だ。

人間は、1人で出来る事に限界があるんだよ…」

上司の声が響いた気がした…



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