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森に囲まれた!  作者: ちかず
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薬草も植えよう!

 大量に取れた野菜達を保存食にしていく。

 まずは胡瓜。

 一つ目はピクルス。それから醤油で煮て漬物へ。

 醤油見つけた時の私の喜びは半端なかったと思う。この世界でやっていけるかもって思ったもの。

 それからほうれん草ね。

 大量に茹でて冷凍保存。ここは魔法の力が便利。

 サイラスではなく、アーノルドが担当してくれたわ。何でも大量に魔力があるらしいの。

 それと、トマト。これもドライトマトにして貰う。ピザや色んなイタリア風の料理に便利なのよねー。それとトマトソース。煮込で。と。


 ここまでやって、ようやく夕食の準備ね。

 やっぱり、ピザかな。

 トマトソースとマヨネーズもどきに作りを混ぜて香草類を加える。

 マヨネーズは、サラダにも。

 チーズを乗せて、オーブンが無いから煉瓦で竃を作る。意外と簡易式は手早く出来る。火加減をサイラスに頼んで(また魔法よ。)

 次はスープ作りはトマトスープでお手軽OK。

 うーん。卵があればね。


 とにかく、ちょっと本格的には程遠いけど何とかイタリアンの夕食完成!


 お客さんが増えて料理作りもちょっと楽しい。

 やっぱり一人ご飯は嫌いかな。


 サイラスに比べてアーノルドは少食かも。

 普通の日本人男性ぐらいかな。

 って言ったら、サイラスが規格外だってアーノルドに怒られた。


「明日は、あの薬の瓶の整理をしたいの。

 畠に今後は薬草も植えるから。」


 私の発言に三人が驚いた表情で振り返った。


「「「薬草の知識があるの?」」」


「あるわよ。」


「「「えーーー!!!」」」


 なんでそんなに驚くの?

 こんなに沢山の薬草の瓶があるのに??


「この世界に、薬草を扱える人は稀なんだよ。

 白魔法を扱える人間はごく少数だし人々にとって、薬草は命綱。特殊能力がある上にそんな能力まで。」


 なんと、薬のない世界なんてまずいよ。

 じゃあ、ようやく役に立つ時がきた気がする。

 なら、この世界に来た意味があるのかも。


 私は日本では薬品会社にいたの。でも入ったはいいけど日本古来の薬草にこだわって上司と衝突。事務職に回されそのまま。

 こだわったのには、訳がある。どうしてもお婆ちゃんの薬草を作りたかったから。


 私は、お婆ちゃんに育てられた。

 私の両親は事故で幼い頃他界したからお婆ちゃんち引き取られた。

 山の麓に住むお婆ちゃんはとても山野薬草に詳しい人だった。近所の人達にとても頼りにされいていつも人が訪ねてきた。

 私から見てもお婆ちゃんの薬草は特別だったと思う。

 だからそれを研究したかったし、それを生かして人の役に立ちたかった。

 この世界に来た事に今も納得した訳ではないけど、来たからには意味があるはず。ならば…


「あのね。私は薬学という勉強をしたのよ。それにお婆ちゃんから習った薬草の知識もあるし出来たら生かしたい。

 だから、あの瓶にある薬草の勉強をして沢山の薬を作っていきたいと思ってる。」

 私の宣言にジェラルドが満面の笑み。


「凄いよ。雪菜のやる気が感じられる。いよいよベラの薬草瓶も役に立つんだね。」

 ジェラルドの言葉で疑問がわく。


「ねえジェラルド。フローラは?」


 ジェラルドは首を横に振りながら答えた。


「ベラが何度も教えたんだけど、白魔法を使えるフローラはあまり熱心じゃなくて。

 結局ベラが倒れてから必死にフローラが薬草の勉強してあの薬草瓶の勉強してたよ。

 でも、結局ベラを助けられなかったから。それからは単なる飾りになってたんだよ。

 やっと、ベラも後継者が出来たね」


 なんと、白魔法を使えるなんてフローラはラッキーね。じゃあ、私も?


「ごめん。期待させたかな?フローラの魔力はその魂の持つ能力。雪菜には無いよ。」

 しょんぼりしたジェラルドに私が手を振る。


「いいのよ。人には出来ない事がある方が面白いもの。さあ、明日から整理をするからサイラスもアーノルドも手伝って。」

 二人はもちろんと頷いた。



 翌朝、 張り切る二人を頼りに大量の瓶詰めを種類別に分ける。

 外傷用・内服薬・補助薬など。

 製造日も用途も薬効も記載があり、作ったにベラの有能さに舌を巻く。

 瓶ごとに使われた薬草を調べこの世界の薬草知識と照合する。フローラは少し知識不足なのかな?

 でも、不思議に頭の中に知識が湧き出るのよ。

 もしかして、日本での知識が役に立ってるのかなぁ?


 とにかく!

 この薬草瓶を頼りに私なりの薬作りを始める。

 不足しているのは、比較的軽い症状の病気に対応する薬草類。風邪だとか擦り傷とか。

 きっとそこまで手が回らなかったのね。


 ではと早速、薬草と野菜の種を蒔いた。

 足りない部分をまずは補いたいわ。

 でも生活を豊かにするのも忘れずに。と。


 サイラスの覚えは早くてすでに作業を全て任せて安心となる。アーノルドはお手伝い。

(でも、何だか瓶を時折見つめて呻いてるのよね…どうしたのかしら?)


 その隙に私は食料庫の整理に。

 乾物・生野菜・肉類などを仕分けして取り出しやすく。

 それと一番の目標は、卵と牛乳の入手。

  やっぱり無いかぁ。

 チーズはあるのになんでだろ?


 鶏と牛飼うには牛舎や鶏小屋がいるし、まずは鶏も牛もいないもの。


 あー、プリン禁断症状がぁ!!


 どっかに手に入れる方法ないかなぁ。



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