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森に囲まれた!  作者: ちかず
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アーノルドの復活?!


ー雪菜視点ー


こ、怖かった…。

今も震えるもの。



アーノルドが倒れた!!!!


倒れた時の衝撃は、今も身体が震える…。

アーノルドの言っていた秘密の力って。。

アーノルド自身の生命エネルギーを放出出来る力だったの?!


秘密って言葉に浮かれてた自分のバカさ加減に嫌になる。


でも。良かった。


あの樹は特別だと気づいて。

エネルギーを受けて大きく成長したけど、無理が掛かってたから。


ウロが荒れてたから。

樹を元気にするのは、余計な枝を落とす。

そんなの当たり前の事よね。

だから思いついたのよ。

恐らく、アーノルドの与えたエネルギーを放出したいと望んでる。と…。



ゲルガーが闇の精霊だからこそのお願い。



そしたら…。



素早く技を使うゲルガーの一瞬の隙を突いて、あの水喰い草の種の殻に突っ込む!!

。。。

エネルギーを集めるのに成功したわ。



樹自身が、放出しようとするエネルギーを取り込む。


一か八かの様な賭け。


それに私は、勝ったみたい。


仕上げに気付け薬であるヒキオコシを使ったの。

めっちゃ苦いけど、物凄い威力。

似た薬草を煎じて持ってて良かった。


口移しに全く戸惑う事なく、あっという間に終わる。

苦っ!!


!!!


アーノルドが。

アーノルドが目を覚ました。


アーノルドがのたうち回る姿に成功を確信したわ。

エネルギーはちゃんとアーノルドに戻ったみたいね。


良かった…。


ホッとした私はあの時を思い出す。

アーノルドを止めなかった自分。

いえ、秘密の意味を全然考えなかった自分を…。



自分の迂闊さを胸に刻んで、先へと進む。


今度こそ…と。





ーアーノルド視点ー


「苦っ!!!!!!」


く、苦しい!!!


口も喉も、この苦さに覆い尽くされて息をするのも苦い。


苦さから逃げ回る様に、転げ回る自分を止められない。



「口直しよ。コレ」


差し出された何かを夢中で口に含んだ。


今度は…す、酸っぱい!!!


くぅーーー。


「良かった、直ったのね。

やっぱり、梅干し入りの白湯は最高ね。

あれ?アーノルドってば黒髪と黒目になってる?!」


雪菜ののほほんとした声にも返事もできない。

本当に酸っぱい…。



しかし、黒目黒髪とは?


『ははは。

吾輩の時を司る力を使ったからこその生還。

まぁ、黒目黒髪など当然だろう。

雪菜、どうした?

ショックか?』


なるほど…。

しかし、ゲルガー。

本当に以前と本当に違うな。

そんな言い方をするとは…。


ん?


生きてる?!


俺…生きてるのか?!


あまりの苦さと酸っぱさで、気が動転してたけど。



まさかの復活?!


何故…。


『雪菜だよ。

なかなか、やるな人間…。

まぁ、命拾いしたな』



何と…。


雪菜を助けるつもりが、またもや救われたと言うのか…。

ん?


怒ってる?

雪菜にしては、珍しい顔でこちらを睨んでいた。


「そりゃ、私も浅はかだったけど。

アーノルドも相当だよ!!

え?


何の事って。。。


もう!!!

当然、秘密の力を使う意味だよ。いい?

誰も他の誰かの犠牲の上で幸せを掴む事は出来ないんだよ。知恵は出し合うモノ。諦めないからこその知恵!!

もう決して、諦めちゃダメだから!!」


雪菜…。

怒られてこんなに嬉しいとは。


不謹慎かもしれないが…。


ショックだったのか。

真っ赤になった目が、泣き明かした彼女の心のままで。


ありがとう…雪菜。


しかし、俺はもし雪菜を守れるなら再び同じ事をするだろう。


ぶつぶつ言ってる雪菜と、再び前へと進む。

エイダム殿が耳打ちで、「良かったです」と伝えてきた。


エイダム殿…。


何と言うか…人は変われる生き物なのだな。

感慨深い。


先程と全く同じ真っ直ぐな道を進む。

あまり代わり映えしない景色が続くも油断は、しないようにしつつ。

目覚めてからは、漲る力に不安はない。

今までに感じた事のない力を持ったのかもしれない。


まだ、凶と出るか吉と出るか分からないが…。


「きゃぁ!」


何だ!!

雪菜の悲鳴に俺たちが身構えるも。


え?何も居ないのでは?


いったい何を驚いて…、



「だから!!

沢山の虫みたいな人間が飛んでるのよ。

さっきから、グルグル私の周りを飛んでるの。


これって…妖精?!」


衝撃的な発言に我々は固まった。

だが、本当の驚きはこれからで…。




しかし…。

自分の生きる道が見つからなかったあの日々が遠い昔のようだな。


やるべき事を持つ人間となれた。

俺もやっと、自分の足が地に着いた気がする…。


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