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二話 チート能力

目を覚ますと、エロい魔王がいた。

「おい、私のことをそういう目で見るな」

 こいつ……直接脳内に……?

「いや私は普通に話してるだけだから、それはアンタに与えたチート能力の一つだよ」

 これが?

「そうだ、それは自分の考えていることを周りの人間に見せることができるという能力だ」

 なるほど、じゃあこんな感じに使えばいいのか?

 俺はとびっきりHな事を考えた。

「わわっ!やめろやめろおおお、私にそんな妄想見せつけるなあ」

 他愛なか。

 話は終わりか?もう行くぞ。

「待て待て行くのがはやいよ、全然話は終わってないから!」

 なんだ、まだ話することがあるのか?

「あるに決まってんだろ、というか転生するってのになんでそんなに腹が据わってるというか、普通もうちょいドギマギしたりするもんなんじゃないのか?」

 それは愚問だよ、魔王ちゃん。

 俺がやることは元の世界でも、どこ行っても変わんないんだ。

 おもしろくて、ちょっとHな漫画を描く。

 そしてちょっとHな漫画を読んで赤面してる佐々木編集長(我が妻)の表情を見て、ご飯を食べる。


 ゾクゾクゾクッ!ッ!

 魔王は漫画的鳥肌を立てながら思った。

 (この眼だ……)

 

 この眼ができるやつを探していた、私がこれまでに何匹も葬ってきたニセモノの勇者とは違う、ホンモノの勇者だけができる……


 修羅をくぐり抜けてきたものの眼。

 

 この魔王は歴代魔王の中でも最強。

 これまで幾人もの勇者を屠ってきたが、強すぎるせいで、少し、いやかなり感性が人とはズレていた。


「なんとなく貰ったチート能力の使い方はわかったから、もう行くぜ、魔王ちゃん」

「ああ、行くがいいぜ。お前の覚悟はタンと見せてもらった。そして来るがいいさ、私を倒しに来に!」


 オッスオッス!


 その頃、佐々木編集長のいる世界、某有名出版社でもとある動きがあった。

「あなたみたいな小娘が、ホントに佐々木さんを取り戻せるの?」

「プップップッ、舐めてもらっちゃ困りますよ編集長!胸元にあるこのバッジが見えないんですか?」

 指先が示す胸元にはキラリと黒光りする乳首のような突起物がついていた。

「これはなんですか?自分の乳首がいかに黒いかを証明するバッジですか?」

「違いますよ!これは異世界法をしっかり勉強してきたものだけが付けられる異世界弁護人バッジです」

 某有名出版社法務部がザワつく。

 おいおい、まじかよ異世界弁護人というと、あの異世界弁護人かい?

 なんでも異世界司法試験に合格するには約50000時間も勉強しないといけないらしいぞ。

 いや俺が聞いた話によるとハンター試験よりも難しいらしいぞ。

 

「みんなのザワつきを見るに確かにすごい称号のようね……」

「プップップッ、魔王さんが言っていた界法69条第六項は、界王である魔王さんが行使すると、異世界独占禁止法、略して異世界ドッキン法に反しますので、これはなろう小説界隈では厳しく取り締まられていることなんです」

「よくわからないけど、それでウチの佐々木は戻ってくるのね?」

「プップップッ、もちろんでゲス」


 オッスオッス。


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