追跡へ
騒動の暫く後…
「痛っ!?」
突然背中に痛みが走った。何でベッドの上で寝てる筈なのに痛いのだろうか?訳が分からなかった。しかし、手をついた瞬間、理由が分かった。ふかふかではなく…硬い。床だ、ここ。どうやら寝返りをした時にベッドから落ちたみたいだ。
「うぅ、痛い…でも目が覚めちゃったな…ちょっと散歩でもしよう…」
お空はベッドから起き上がり、地霊殿の外へと向かった。
外に出るために大広間を横切ろうとした瞬間、大広間が酷い事になってるのに気付いた。辺り一面岩だらけ。何があったんだろう…
「うぅ…お空…?」
突然、うめき声と自分を呼ぶ声が聞こえてきた。この声は…お燐だ!
「どこ!?」
「こ、ここだよ…」
幸い、近くだったのですぐに見つかった。だが、岩に埋もれていて引っ張り出せない。
「ちょっと荒いけど耐えてね。」
「…え?」
ドォォォン…!!
制御棒から爆発が起こった瞬間、岩が崩れた…と言うよりも吹き飛んだ。
「…殺す気か!」
「それだけ喋れたら命は大丈夫そうだね。安心したよ。そうだ、さとり様は?」
「それが…」
お燐は淡々と起こった事を話した。…許せない。さとり様とお燐に手をかけるなんて。
「情けない…ずっと寝てたなんて……。私はそいつを倒しに行くよ。お燐はどうする?」
「私は無理だよ。」
「どうして?」
「これのせいでろくに動けないから。」
そう言って、お燐はお空に足を見せた。…痛々しい。血だらけだ。更に、足の向きも変…どうやら骨折しているみたいだ。
「どうしよう…」
「別に大丈夫だよ。痛むが耐えられない程じゃないからさ。それよりさとり様を頼むよ…。」
「本当に大丈夫なの?」
「寝てりゃ治る。私の事はいいから、早くさとり様を!あの男、さとり様に何かしようとしてるから!」
それは聞き捨てならない。だったら急がねば。
「…分かった。だけど、無理して動いちゃ駄目だよ?」
「自分の事くらい自分で出来るから大丈夫だって。それよりも、早く!」
「………。また…後でね。」
そう言ってから、黒翼を広げ追跡に向かった。