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Over Drive  作者: 如月
7/7

追跡へ

騒動の暫く後…


「痛っ!?」


突然背中に痛みが走った。何でベッドの上で寝てる筈なのに痛いのだろうか?訳が分からなかった。しかし、手をついた瞬間、理由が分かった。ふかふかではなく…硬い。床だ、ここ。どうやら寝返りをした時にベッドから落ちたみたいだ。


「うぅ、痛い…でも目が覚めちゃったな…ちょっと散歩でもしよう…」


お空はベッドから起き上がり、地霊殿の外へと向かった。


外に出るために大広間を横切ろうとした瞬間、大広間が酷い事になってるのに気付いた。辺り一面岩だらけ。何があったんだろう…


「うぅ…お空…?」


突然、うめき声と自分を呼ぶ声が聞こえてきた。この声は…お燐だ!


「どこ!?」

「こ、ここだよ…」


幸い、近くだったのですぐに見つかった。だが、岩に埋もれていて引っ張り出せない。


「ちょっと荒いけど耐えてね。」

「…え?」


ドォォォン…!!


制御棒から爆発が起こった瞬間、岩が崩れた…と言うよりも吹き飛んだ。


「…殺す気か!」

「それだけ喋れたら命は大丈夫そうだね。安心したよ。そうだ、さとり様は?」

「それが…」


お燐は淡々と起こった事を話した。…許せない。さとり様とお燐に手をかけるなんて。


「情けない…ずっと寝てたなんて……。私はそいつを倒しに行くよ。お燐はどうする?」

「私は無理だよ。」

「どうして?」

「これのせいでろくに動けないから。」


そう言って、お燐はお空に足を見せた。…痛々しい。血だらけだ。更に、足の向きも変…どうやら骨折しているみたいだ。


「どうしよう…」

「別に大丈夫だよ。痛むが耐えられない程じゃないからさ。それよりさとり様を頼むよ…。」

「本当に大丈夫なの?」

「寝てりゃ治る。私の事はいいから、早くさとり様を!あの男、さとり様に何かしようとしてるから!」


それは聞き捨てならない。だったら急がねば。


「…分かった。だけど、無理して動いちゃ駄目だよ?」

「自分の事くらい自分で出来るから大丈夫だって。それよりも、早く!」

「………。また…後でね。」


そう言ってから、黒翼を広げ追跡に向かった。

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