強襲
…!
お燐はすぐに何者かが地霊殿に入ってきた事を察知した。慌てて部屋を飛び出し、主の所へ。
「この事をさとり様に知らせなければ!」
全速力で向かっている途中、大広間から変な音が聞こえてきた。
ガラガラガラ…
物が崩れた?にしてはやけに音が大きい…まさか!お燐の頭の中に不安がよぎった。急遽目的地を変更し、大広間に向かう。
バンッ!
ドアを勢いよく開け放ち、状況を確認…お燐の不安は的中していた。既に主と侵入者が戦闘を始めてしまっている。しかも…押されている…?
男は何か物体を操って攻撃しているみたいだ。もはやスペルカードルールを完全に無視した戦いとなっており、主は防戦一方である。
「くっ…いきなり侵入して来たと思ったらこんな強敵だったなんて…。…!お燐!離れてなさい!」
何故?自分は主を補佐しなければ。そう思い、動こうとすると…
「待ちなさい!危ないわ!」
「よそ見していて良いのか…?」
「はっ…!」
ドスッ…
鈍い音がした。主の腹に物体が直撃したのだ。
「さとり様!」
もう、無我夢中で戦闘態勢を取っていた。
「お前に用は無い。失せろ。」
男は言い放ち、こちら目掛けて物体を飛ばして来た。こんな物、避けるのは簡単なのだが、如何せん量が多い。攻撃しても、全て相殺されてしまう。
「…暇潰しにもならんな…。」
そう言うと同時に、どこから出てきたのか、上を埋め尽くす程の岩が落ちてきた。
「こんな物…!」
弾幕を出して相殺しようとするが、数が多過ぎて間に合わない。
「くっ…きゃあっ!?」
ズズゥン…!
お燐の頭上に大量の岩が落ちた。
「…他愛も無い…。さて、こいつを…。これで…フフフ…。」
不気味な笑みを浮かべながら、男は気絶したさとりを連れ、どこかへ行ってしまった。