空、帰宅
「やっと着いた…核融合炉までちょっと遠いんだよね〜…正直毎日あそこまで行くのめんどくさい。そしてお腹空いた。」
地霊殿が目に映ってから、1人愚痴を呟いた。
門をくぐり、地霊殿へと入って行く。
「ただいま〜!」
「あら、おかえり。」
さとりと口を揃えて帰ってきたお空を迎えたのは、お空の親友、且つお空と共にさとりのペットである火焔猫
燐。本来ならここにもう1人、さとりの妹である古明地 こいしがいる筈なのだが…どうも出かけているらしい。地霊殿に気配が無い…と言っても感じられないのだが。
「今日は上手くいった?」
さとりが問う。彼女はたまに過剰に力を使ってしまうからである。しかしお空はというと
「勿論ですよ!」
と、即答。余程の自信があるのだろうか、ドヤ顔だ。
「そ、そう…なら良かったわ。」
流石にさとりも苦笑である。今日も気付かないうちにやらかしてる事を知ってるからである。
「そうそう、お空、お腹空いてない?もうちょっとでご飯の時間だけど。」
「ご飯!もうお腹ぺっこぺこだよ!お燐早く〜!」
待ってましたとばかりにお空はお燐の「ご飯」という単語に反応する。
「分かった分かった。さとり様も今からで良いですか?」
「ええ。お願いするわ。」
「じゃあ、また後で。しばらく時間がかかるからゆっくりしておいて下さい。」
そう言うと、準備のためお燐は地霊殿の台所に向かって行った。
「疲れたでしょ。少し休んでおきなさい。私は先に自室に戻ってるわ。」
「ありがとうございます!では!」
「ええ。」
そう言って、さとりも戻って行った。1人残されたお空はふと思った
「異変が終わってから…いつもと変わらない、平和で楽しい毎日…。これがこのままずっと続けばいいなぁ…」
…と。その思いは、一晩にして崩れる所となるの事を知らずに…。
*
お空が八咫烏の力を得た時、彼女は地上侵攻を企てた。その時は妖怪の賢者と博麗の巫女に止められて未遂に終わった。…のだが、その時、彼女の能力の制限が緩くなってしまった。その事について、彼女は全く気が付いてはいない様だが、妖怪の賢者はしっかりと気付いていた。これが引き起こしうる事も…。
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