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僕の夢、明日へ向かって。  作者: れーあ
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〜第1章〜



・・・星夢せいむ高校。此処は部活動が盛んで、数々の大会で優勝の経歴を持つ高校だ。

特に星夢高校の演劇部は全国でも名の知れた部活である。演劇部の顧問は元舞台役者。部員は有名な事務所などから推薦をもらったりしているらしい。この経歴で毎年沢山の部員が入ってくる。

・・・しかし、現在の部員はたったの10名。

その理由は部活動が厳しく、途中で退部してしまう新入生が多い。そのため、新入生が沢山入ってきても減ってしまうのだ。



僕、星夢高校一年、神田 かんだはく

演劇部に入部する。


「 はぁ…僕、上手くやっていけるのかな…。」


一つ、ため息をついた。

僕は中学の頃から演劇に興味があり、よく観劇に行っていた。僕はあの景色に憧れたのだ。

僕が初めて観劇したのは中学一年の時ーーーー・・



「いいから行こうよ、白!!」

「…僕、舞台に興味ないんだけど…?」

「いーいーかーらー!!」


二学期が始まるまで一週間。まだ夏休みの宿題が終わっていない。よくあるだろ、そんなこと。

そんなことも知らずに僕の手を元気に引くのは家が隣なだけでやたらと仲良くしてくる(一応)幼馴染の松原 裕翔まつばらゆうと

裕翔は、劇団に所属している。いくつか舞台にも出演し、数々の経歴を持っている。


今回見にきた舞台は、星夢高校という演劇の強豪校の公演らしい。


「…これってさ、全部手作りなの?」

「ああ!そうらしい。脚本は主役の人が書いたんだって。」

「へえ・・・。」


「皆様。今日は星夢高校の『漆黒ノ夢』にご来場いただき誠にありがとうございます。公演中に・・・」


「始まる・・・!」


僕の隣にいる裕翔は目を輝かせて舞台に目を向けている。そんな裕翔の横で僕は夏休みの宿題をどうしようか、など考えていた。



・・・ブーーー。


開演ブザーが鳴り響く。


「それでは。星夢高校『漆黒ノ夢』公演開始します。」


暗転。


幕が上がった。



パァン!!!


銃声の音とともに舞台が赤く染まる。

『・・・ごめん。』

舞台の真ん中にスポットが当たると、一人の黒ずくめの少年が呟いた。

『僕はこんなことしたくなかった。・・でも君が悪いんだよ。』

黒ずくめの少年は何処か悲しそうに呟く。

『・・・早く覚めてくれ。』

そう震え声で呟くと少年は崩れ落ちた。

『僕は何度、君の命を奪わなければいけないんだ…!僕は君が好きだ、好きなんだ・・・。でも、・・・でも!!』

少年は蹲りながら叫ぶ。

『僕は君の命を奪わなければならない。…君が、組織の秘密を破ったから。僕とバディになってしまったから。…ごめん、僕のことを赦さないで。』

泣きながらそう告げると少年のスポットが消えた。


(…なんだよ、これ…。)


僕はたった序章だけで舞台に釘付けになってしまった。役者から伝わる黒ずくめの少年の感情。照明が青色などなら雰囲気で、悲しいんだな、と思える。でも、今、黒ずくめの少年にはスポットライトしか当たっていない。


舞台背景は変わり、少年は夢から覚める。

夢から覚めた少年は「漆黒ノ怨恨歌」という

一冊の本を見つける。

怪しく思った少年は自分のいる探偵事務所に持っていく。しかしそれは開けてはならない、禁断の書物だった。


(…これは…)


舞台も中盤に突入していた。

僕は舞台にただただ見とれていた。裕翔と一緒で釘付けに…。




*二話に続く*
















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