004:神力-Divine power-
前回までの神話…
普通の高校生シンの周りでは不快な出来事が数多く起こっていた。
その原因は一体誰にあるのか?
何故そのようなことが起こるのか…
全ては星のままに…
いつものようにパソコンを始めた。
インターネットを開き、行きつけの掲示板サイトに行ってみると、例のニュースの人物になりきっている奴がいた。
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ボク◆coWddy :「俺があのニュースの奴さ!死にたくなかったらみんなアドレス教えて消えな!」
ガミカミ◆0)/.l :「なにいってんの?あほじゃないの?教えるわけねーだろ。カスが!」
ハルキ◆hasyo :「ボク、お前、偽者だろ!俺が本物なんだよ!」
漣◆pl1rmm, :「みんなやめてよ!そんなこといわないでさ」
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こういう奴がいるから世界はつまんなくなんだよ…
俺は書き込みをした。
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名無しさんが入室しました。
名無し◆glehh :「お前ら、目障りなんだよ!一生その話スンナ!」
漣◆pl1rmm, :「急にそれは・・・私は関係ないよね?」
ガミカミ◆0)/.l :「ネチケット守れよ!」
ボク◆coWddy :「お前らは俺の力に嫉妬してるんだな?視ね死ね氏ね死ね!」
幽鬼さんが入室しました。
名無しさんが退出しました。
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俺はその掲示板からいける4chも覗いてみた。
思ったとおり、既にフラッシュまでできている。
しかも完成度は高く、その映像は妙にリアルだ。
そのフラッシュをボーっと眺めていた。
暇だったしな…
今日も家にいるのは俺一人…
あと何日かで親も帰ってくる…
そんなことを考えている時だった。
俺が見ていたフラッシュが突然、テレビが故障した時のような画面になった。
ザ〜ッというノイズが流れた。
かと思うと、すぐに直った。
しかし続きのフラッシュが流れない。
画面が黒いだけだ。
俺が何をしても動かない。
マウスを動かしてもキーを動かしても、電源を消そうとしても画面は黒いだけ。
ただただ、パソコンから聞こえてくる機械音と、俺がどうにかしようとしているキーを押す音だけが辺りには聞こえた。
そんなことをしていると、急に画面いっぱいに大きな目が1つ現れた。
そして、スピーカーからではなく、その目から声が聞こえた。
「…そこか………」
かすかに笑い声も聞こえた。
その声が聞こえて5秒程経った時だった。
俺の家が爆発させられた。
爆発させられたといっても、俺がいた場所は無事だった。
っが、家の半分が爆発にやられてる。
半壊状態って奴?
その時、画面から聞こえた声が、パソコンからではなく外から聞こえてきた。
「神力使いを探すのも一苦労だぜ…なぁ?出て来いよ!」
外を見てみると2人の男がいた。
年は俺と同じぐらいのようだ。
「おい早く出て来いよ!お前、俺たちに手助けしないか?」
家を半分爆破させたのはきっとこいつらだ!
そんな奴らに手助けしてくれと言われてついていく奴はバカだ!
俺はこの場から逃げることにした。
ここにいても状況は不利になるだけ。
そう思えた。
でもジンリキ使いって俺のことか?ジンリキってなんだ?
って、そんなことより、2階から1階に降りて走って逃げた。
「ちゃんと話を聞けよ!そのまま逃げるなら殺すぞ?逃げないなら俺たちの仲間にしてやる!
でもまぁ、使えない奴だったら即殺すかもしんないけどな!」
隠れながら逃げたはずなのに、もう見つかってしまった。
でも、そんなことはどうでもいい。
俺が奴らのところに居たってどっちみち一緒だ。
どうせ俺は使えない男だろう。
だから今の状況では逃げたほうが俺にとってはいい選択のはず。
でもそんな中でも俺はあいつが言ったことにまだ気になっていた。
ジンリキ使い?ジンリキって、人力か?
いったい何のことだ?俺は何の使い手でもないはずなのに…
どうもこのことが頭から離れない。
考えようとしなくても。
そして俺は、後ろを振り向くことはせず、一生懸命走った。
近くの海に向かって走った。
そこには倉庫が30もある。
そこなら、いくらでも隠れる場所はあるはず。
倉庫が30もあるからな。
といっても大きな倉庫ではなく小さな倉庫だ。
人が10人入れるかどうかぐらいの倉庫で、何故そんなものがあそこにあるのかは不明だ。
とにかくそこに向かって俺は走った。
そこなら安全な気もするし。
倉庫がある場所までに着くと、俺はすぐさま倉庫の中に隠れた。
「おいおい無駄だぜ!俺は、千の目の神力を持つんだ。俺様から逃げられると思うなよ!」
あいつが追いついた!
今気づいたが、もう一人の男はあんまり喋っていない、なんでだ?
そういえば、2人がどんな感じの奴かさっきまで確認できる状況じゃなかったが、今ではわかる。
今までしゃべっていた奴が俺ぐらいの体格で左目に眼帯をつけている。
そしてもう一人の奴が服を着ていてもわかるんだけど、体格がガッチリしている。
わかるのはそれぐらい。
俺は倉庫の扉を少し開け、奴らの行動を見ていた。
また眼帯の奴がしゃべりだした。
「でも、俺がすぐ見つけても面白くないよな…よっし!蛾裡、お前は俺が言うようにやれ!
まずはいつもの奴をやってやれ。お前のバクの神力はこういうときに使わないとな。おら、早くやれ!」
蛾裡と呼ばれる体格のいい奴は、腕を前に突き出すと、やっと一言しゃべった。
「爆十!」
たったのこれだけだった。
だがその後に、一気に倉庫が10も破壊された。
みんな気づいてると思うが、俺は倉庫の数の単位を知らないから、今から個であらわすことにする。
っていうかそんなことより、通常人間がこんな技を使えるはずがない!
それに一体、ジンリキって何なんだ?
そんなことを考えていると、また蛾裡が喋りだした、一言だけではないけどな。
「気彌、次はどうする?」
そう、二言だけだった…
「そうだな…ロシアンルーレットでいきたい所だったんだが、そろそろ、
他の奴を探したほうがいいだろ?もう一気にやっちまえ。」
今の会話のおかげで俺は2人の名前を知ることができた。
眼帯野郎は気彌という名で、ガッチリした奴は蛾裡というらしい。
って、またどうでもいいこと考えちゃったよ…
こんな時に…
それにしても俺の状況ってやばい、やばすぎる!
俺は一体どうすればいいんだよ!




