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023:2人の差-Two differences-

前回までの神話…


今の世界を腐りきった世界だと思っているシン。

友達も少なく、どこにでもいるような高校2年生。

しかし彼は、ゼウス主催のゲームに無理矢理参加させられるのだった。

闘いは困難を極め、幾度となく死に陥りそうになった、しかし、仲間の協力により何とか生き残ることはできていた。

そんな中、気彌と戦い、シンは自分自身が変わりはじめていることに気づく。

そして、ファイナルゲームの最終章が動き出し、全世界を巻き込み始めた今、人類史上最強の能力者が壮絶なバトルを繰り出す!

まだ煙の中にいる…

どんどんスピードを上げて落下していっている…

下に光が見えてきた…

…………下に光?

そんなことって、あるはずないよな…

だって、今上空は煙のせいで日光はさえぎられているはずなのに…

それに、下から光ってのは無理がある。

あるとしたら、俺が上空に向かって落下する場合の時だけだ。

おかしな話だよな、まぁ、ありえないけど。

光がどんどん広がっている。

煙もドラゴン達も吹き飛ばしているようだ。

ドラゴンたちのうめき声が聞こえた。

俺のところにも光が来た。

下でも何かが起きているらしい。

俺はドラゴン達と一緒に吹き飛ばされた。

まるで俺達の存在が星から拒まれているように………


光が止むと、下には全てのものが消えていた。

町も人も山も、すべてが瓦礫と化していた。

その時、仁の声が聞こえてきた。

「やっぱり生き残ったのはシンだけか…さぁはじめようぜ!

本当のファイナルゲーム………いや……殺し合いを!」

俺の周りにモンスターが現れた。

12時の方向にはあのドラゴンが、1時の方向には2つの狼の顔がついた生き物や、

2時の方向には、岩石でできている体を持った生き物など、まるで俺を中心にした時計のような配列に、モンスター達が並んでいた。

そして俺の体が宙に浮いているままだった。

「…何を……する…気…だ……」


「言ったろ!ここからが本当のファイナルゲームだと。

ルールは簡単、さっきと同様生き残れば勝ちだよ!

わかったか?なら…これでもくらえよ…デス・タイム!」


また俺の体が落ち始めた。

俺が6時の方向にいる黒い炎の様な塊に近づいたとき、その塊の体当たりを受けた。

次に2時の方向に吹き飛ばされた。

そして岩石やろうが、強烈なパンチをくらわしてきた。

次は8時の方向に、8時の方向では幽霊みたいな生き物がいた。

俺はそいつに触れられることなく吹き飛ばされた。

そんなのが何百回も続いた。

そして最後にドラゴンがエネルギーを俺に発射して、ものすごいスピードで俺は地上に落とされ、その衝撃で大きく跳ね上がった。

そしてその後すぐ全12体のモンスターが、俺を何百発も殴り、また地上に落としたかと思うと、

俺の上に1時の奴から順に降ってきやがった。

でも、そのせいで俺の体は、骨の何本か折れた。

しかし力のおかげでかろうじて生きている、けど体が動かない。


仁が俺の前に降り立った。

「これで終わりだな…レベルの差がありすぎたんだよ!」

その時、俺の頭上であの声が聞こえてきた。

「LV3UP…」

俺のLV3は、最強化。

俺の手にはいつものように刀が現れていた。

また形が変わってる。

この刀の名は速飛(ソクヒ)

基本的には素早さが上がってるらしい。

そして、体の傷とかが全て回復されていた。

骨も治ったらしい。

俺は剣を上空に投げると、仁の攻撃を避け、後ろに回り背中にパンチを食らわせた。

そのパンチは俺の人生の中で一番重たいパンチだったと思う。

そしてそのまま宙に上げると、また同じくパンチの繰り返し。

そして俺が仁より上に飛び、手から稲妻を出し仁に発射しようとした。

だが仁は笑みを浮かべていた。

「だからレベルの差があるっての!」

一瞬消えたかと思うと仁は俺の背中に乗っていた。

「んなこと知らねえーよ!」

俺が投げた剣が仁の背中に突き刺さった。

「これで終わりだ……」


だが俺の考えは甘かった。

俺が仁と思っていたのは、ただの残像だった。

刀は俺に刺さっていた。

仁はその刀を取り、そして自分の剣を出し俺の背中にさらに突き刺した。

「お前は絶対今の俺には勝てないよ。今の俺はLV50のモードに入っている。

それでお前はLV3、どうしたって勝ち目はないだろ?…ここでお別れだよ。」

俺は背中に刺さっている速飛を掴むと、背中に乗っている仁を切り裂こうとした。

だが仁は既に俺の背中にはいなかった。

仁は手をかかげ大きなエネルギーを俺に投げているところだった。

確実にあちらのほうが早かった。

俺はその攻撃を受けると地面に叩きつけられた。


力が出ない。

っていうか、俺は何のために戦ってるんだ?

俺がこの星を守って何の得になる?

俺が守ったところで今生きているのは俺だけだろ?

それで俺は何か得をするのか?

戦意喪失していた……


諦めかけていた、全てにおいて…

その時、クローウの声が聞こえてきた。

「お前は何か勘違いしていないか?お前はこの星を守ったところで何の得を得ないと考えているだろう。

だがそれは違う。そいつを生かしておけば他の星も危うい…お前は自分のためだけに戦うのではない。

みんなのため、全宇宙のために戦うのだと言うことを忘れるな。それにそいつを倒せば、みんなを取り戻す方法はある。」

俺、幻聴でも聞いているのかな…

だけどそれは俺の励みになる言葉だった。

何故だかはわからない…たぶんあのクローウが熱く語ってくれたからかな、そこまでクローウのこと知らないけど…

それに幻聴かもしれないしな…

なんだか体に力が戻ってきた。

だけどやっぱり仁の動きが早かった。

目の前に仁が現れた。

剣を俺の首筋に当てて、殺そうとしている。

「これで終わりだ。」

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