014:強敵-A powerful enemy-
前回までの神話…
世界のことを腐りきった世界だと思う高校生。
通称シン。
彼は突如超能力のような力、神力に目覚めた。
そしてゼウス主催のゲームに参加させられること。
ファーストゲームではジャングルで行われたが、セカンドゲームはロボッツタウンと呼ばれる場所で始まった。
他のプレーヤーが続々とクリアしていく中、シン達はこのゲームをクリアすることが出来るのか?
白いコートの男は、俺の周りを歩き出した。
ゆっくり、まるで俺を品定めするかのように。
「お前…俺のこと知ってるか?
…知らないよな…なら、覚えておけよ。俺の名はモントゥ!
お前は俺達の追ってる存在なのかもしれねぇ、あいつと同じ気を持ってるからな…
まるであいつの気を…いや、何にもねぇ。とにかく、ここで何も考えずついて来いよ!」
こんなの、前に同じようなことがあったような…
とにかく、こういうときは逃げるしかない!
俺はこの白く輝く世界の中を走り回った。
「無駄無駄!ここは俺の結界内。逃げようとしたって無駄!
それに抵抗するようなら、俺はお前を殺さなくちゃいけねぇ。無駄な殺生やめさしてくんねぇ?」
俺は自分が持つ神力でモントゥを攻撃した。
だが、全て吸収されている。
この結界に。
「しゃーねぇ、死んでもらうよ!土破・波抱!!」
モントゥが地面を強くたたくと土の波が襲ってきた。
これが地面と呼べるのかはわかんないけど、俺は木を操って木の盾を造り、何とか防ぐことはできた。
「おっ、やるなぁ〜。だが、どうせ俺には勝てないんだからあきらめちまえよ!波動爆水!!」
幾千の水の塊が飛んできた。
俺はさっきと同じ手でまたモントゥの攻撃を防いだ。
水の塊は俺の木の盾に吸収されていってる。
「同じ手は…通用しないぜ?」
その言葉が合図のように盾が爆発した。
俺は直に爆発を受け吹き飛ばされた。
すぐさま瞬間移動でもしたかのようにすぐ近くにモントゥが来た。
俺はまだ宙にいる。
「これでお前も終わりだぁ…抵抗しなきゃよかったのにな…千鈴針!!」
360°周りに、無数の赤い針らしきものが出現した。
「脱出率1%!お前にこれを脱出する術はないよな…?死ね」
無数の針が飛んできた。
俺は限界の速さで木の盾を360°張り巡らした。
一瞬死んだかと思った。
でも、気がつくと違う場所にいた。
周りには誰もいない。
あるのは通常の倍以上ある家具だ。
どうやら俺は、巨大な建物の中にいるのか、小さくなったのかのどっちかのようだ。
さっきのは夢だったのか?
変なことが起こると変な夢を見るのか?
それともまだモントゥの術中なのか?
おっとっとっと、そんなこと、気にしてたら俺は死ぬ。
そんなこと気にすんな!
冷静になれよ俺!
いつでも攻撃が来ていいように構えるだけだ。
ゼウスの声が聞こえてきた。
と言うことはさっきのモントゥとは関係なさそうだ。
でもなぁ、今覚えば、何で木の盾は結界に吸収されなかったのかがわからない。
もしかして…奴が攻撃してる間は、あの能力が使えないのか?
「…第二ステージはやっぱり簡単すぎたか?
第三ステージはこのビッグハウスの中に住んでいる生き物を、気絶させるか殺せばクリアだ!
タイムリミットは今日1日!食われないよーにな!」
でもこれがゼウスのゲームだったら萩野達はどうなったんだ?
もしかして俺だけがクリアしたのか?
って、何で俺が人の心配しなきゃいけねえんだ?
廊下を歩いた。
心のどこかにもやもやを抱え込みながら…
どこを見ても、すべてが大きい。
圧倒されまくりだ。
俺は寝室に入った。
その時、同時に寝室の一部の壁が崩れた。
そこから一人、見覚えのある奴がいた。
あの姿は…白牙!
「一体どこにおるんや!こんなにも探しても、おらんと…ワイの運も尽きたかの〜。」
つまらないことを言ってる。
白牙があほらしくみえてきた。
「おっ!そこにおるんは、ワイに騙されたニィちゃん!久しぶりやなぁ〜」
俺の勘はいいはずだったのに、勘はもぉ…当てにならないのか?
「どうして俺らを騙したんだ!?理由を言え!」
きっと理由があるはずだ。
「理由…?理由なんてあるわけないやろ。ワイはアンさんを利用しただけや!」
俺には嘘をついているようにしか見えない。
…多分だけど。
それに…自分の勘をとことん信じたい。
今まで俺の勘でどれだけ助けられたことか…
「アンさん、さっきからうっさいで!あんとき殺しときゃよかったかのぉ!」
白牙が大剣を振り回した。
あの時のジャングルで受けた同じ攻撃が俺を襲ってくる。
でも、俺と白牙の距離が離れているおかげか、俺は易々と避けることができた。
だが白牙は徐々に俺のほうに攻め入ってくる。
白牙が、大技を出そうとした瞬間。
白牙が壊した壁の穴から、何か白い生物がおたけびを上げながら入ってきた。
スピードがかなり早いし、ここからは遠いので何なのかは確認できない。
その白い生物はスピードを落とさず白牙に体当たりをした。
白牙はその衝撃で吹き飛ばされ、突然現れた扉の中に入っていくと、扉は閉まり消えた…
白い生物は、既に先ほどのスピードは出しておらず、俺はその生物が何なのか確認することができた。
それは俺がよく知ってる生物、いや神獣…デイアスだった。




