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013:作戦-A strategy-

前回までの神話…


世界のことを腐りきった世界だと思う高校生。

通称シン。

彼は突如超能力のような力、神力に目覚めた。

そしてゼウス主催のゲームに参加させられること。

ファーストゲームではジャングルで行われたが、セカンドゲームはロボッツタウンと呼ばれる場所で始まった。

他のプレーヤーが続々とクリアしていく中、シン達はこのゲームをクリアすることが出来るのか?

近くで白牙を見ていると、俺には悪い奴には見えなかった。

あの時は奴もクリアするのに必死であぁなったけど、本当は優しい奴だと俺は思う。

俺の勘はよく当たるから、信じていいと思う。

おひとよしと思われるだけかも知れないけどな。


白牙は作戦の説明を言い終わると、早速作戦に出ることにした。

まずは萩野の出番だ。

ここの牢から出なければどうにもならない。

萩野の力を使い、ひとまずは牢の外に出た。

白牙の話によると、ここはロボッツタウンの中心部にある建物で、ここの最上階にボスロボが1体いるらしい。

白牙は最初そいつに挑んだのだが、負けたと言っている。

嘘ではないと思う。


そこでまずは俺達が、ボスロボの目をひきつけて、白牙がボスロボに後ろから攻撃し、その後、全員で攻撃し全員クリアする作戦だ。

いたって簡単な作戦で全員クリアできるかわからないが、可能性が1%でもあるならそれにかけてみたい。


最上階に着くと、俺はボスロボに向かって火の神力で攻撃をした。

その間、萩野が白牙をボスロボの背後に移動させてやり、

ミクルちゃんは、俺達が怪我したときに、すぐにでもケアできるようにスタンバイしている。

白牙は手に大きな大剣を出すと、ボスロボに大きく降りかかった。

作戦通り順調にいってる。

後は俺と萩野とミクルちゃんのコンボ+白牙の攻撃で倒すだけだ。


だが、作戦は思いがけないことに崩れた。

いや崩された。

白牙は俺らを裏切った。

物事はいつもうまくいくもんじゃないと思い知らされた。

俺達がコンボをしようとした時、一瞬のうちに白牙がボスロボを滅多切りにしたのだ。

どう見ても事故でもなんでもない。

「ックックック…騙されるほうが悪いんやで!…でも、こいつに最初挑んで負けたのはホントやけどな!」

白牙はその言葉を最後に消えた。

俺の勘は外れるはずがないんだけどな…


大きな揺れが起こった。

俺達は外の様子を見るために、一旦萩野の瞬間移動で外に出た。

そしたら、さっきまで大量にいたロボットがいなくなっていた。

神力使いもなぜか逃げている。

また大きな揺れが起こったかと思うと、隣にあったビルがなくなっていた。

そして俺の横にあったのは黒い巨大な塊。

あのロボット達と黒き影が融合した、巨大な生命体だった。


生命体と呼べるのかはわかんないけど、その生命体はどうやらこの町にあるもの全てを食べ尽くそうとしているらしい。

その生物が歩くたびに大きな揺れが起こった。

歩くといっても、ナメクジのような歩き方だ。

そしてその揺れは、あのデモックス以上の揺れ。

動きはデモックスより遅い気がする。

今気づいたんだけど、ロボット達が融合したということは、ボスロボもたぶん一緒だ。

こいつを倒せばきっとクリアできると思う。

完全に中がモンスター化していなければの話だが。

ここまでの大きさ、中身の多さを考えると、融合には多少の時間はかかるはず。

普通の奴でも3分程度はかかっていたから、こいつなら10分以上はあるだろ。


俺はそのことを萩野たちに話すと、作戦を素早く考え、作戦を実行した。

考えたといってもこんな時に思いつくのは簡単なものしか浮かばない。

所詮さっきぐらいのレベルだ。


後ろから巨大な生命体が俺達をなぎ払おうとした。

それを合図に作戦開始。

まず俺達は、瞬間移動をした。

その場所はその巨大な生命体の真上の上空だ。

上空から俺は、風壬から奪った木を操る神力で大木の棒をいくつも作った。

巨大な生物が俺達の存在に気づき、上を向いた。

これがチャンスだった。

俺は大木の棒に火の神力を足し、巨大生物に投げつけた。

それを杭代わりに足元にぶち込んで巨大生物の動きを封じた。


もう少しで巨大生物の口に入りそうだったので、また瞬間移動して上空に戻った。

そして最後の攻撃に出ることにした。

シンプル・イズ・ザッ・ベストで倒さないとな。

また同じように大木の棒に火をつけ足し、巨大生物の口に向かって3本投げつけた。

その後すぐに、萩野とミクルちゃんが同時に神力を使った。

ミクルちゃんはケアで木の棒を元通りの葉っぱが付いた大木に戻し、さらにその大木についている火の火力もアップさせた。

萩野はその瞬間、その木を2本巨大生物の体の中に移動させた。

残りの1本はそのまま口の中に入っていった。

巨大生物への攻撃は成功した。


俺達はもっと上空のほうに瞬間移動した。

巨大生物の体が膨らみはじめた。

俺達の攻撃で、中のまだ変化しきれていないロボット達のオイルに引火して爆発を起こしている。

多分…

その爆発がだんだん激しくなってきた。

俺達の所まで爆発が届きそうになってきている。


また瞬間移動して逃げようとした時、その行為は無意味となった。

爆発のほうが早く俺達に追いついたのだ。

俺達は無残にも爆発に巻き込まれた…


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


…気がつくと辺りは光り輝いていた。

いつもこういう展開で目を覚ますけど、今日は少しおかしい。

もしかして…死んだのか?

天国にでもいるのか?

後ろの方から声が聞こえた。

「こんなところにあいつと同じ気を持つ奴が来るとはな…

もしかして俺達が探してる…?だがこんな弱そうな奴がそうとも思えねぇよな〜」

後ろを振り向くと白いコートを着ている奴がいた。

コートについてるフードで顔がよく見えない。


一体誰なんだよ…そしてここはどこだよ!

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