8
次の日、いつものようにこぶじゃくしの村を訪ねると、苦笑と侮蔑の混じった何ともいえない顔を浮かべた村人たちが、総出で出迎えてくれた。
立花はさっそく、見当違いな言葉を撒き散らしながら愛想を振りまき、検便・検尿を提出するように求めた。
そして村人たちは何ともいえない顔をしながら立花の前に自然と列を作る。
彼らが手渡してくる検体に、立花は患者の名前を正確に記していった。相変わらず、素晴らしい字体だった。
「では、お前たちは二人で研究室を組み立てておいてくれ」
さて、我々は何をしよう、などと考えていた矢先、立花が馬の背に積んだ山のような荷物を指差しながら言ってきた。
篠目と私は思わず顔を見合わせ、互いに開いた口が塞がらなかった。
「何をノンビリしているんだ。早くしないと日が暮れてしまうぞ!」
患者の対応の合間に、立花は当然の顔で私たちを急かしてくる。
この男を呼び寄せたのは私だ。立花はこんな男だが、実のところ東京の大学ではそれなりの立場にある男だし、「彼なりの」理由でそれなりに忙しい毎日を送っているのも事実だ。
そこを「わざわざ」来てもらったのだ。頼まれた仕事は引き受けてやらねばならない。
私は無理やり自分を納得させ、篠目を促して荷を積んだ馬の方へと足を向けた。
「先生、あのひと、変わった人ですね」
そんなことを言いながら私たちの傍に寄ってきたのはカイだった。彼は当たり前のように、私と篠目の仕事を手伝い始めた。
相変わらず人目を引く顔立ちをしている彼は、興味深そうに立花が持ち込んだ荷物を眺めていた。
「学者さんって言うのは、あんな風に変わってる人が多いんですか?」
「本人たちは、あれが普通だと思ってるんだよ。変な人ばかりというわけでもないが、変な人が多いというのも事実だ」
友人や知り合いの顔を思い浮かべながら言うと、カイは曖昧に「へえ」と答えていた。
こればかりは、会ってみないと分からないだろうと思ったので、それ以上は私も言及しなかった。
そこへ、カイの兄が興味深そうな顔をして寄ってきた。彼は、村長の長男であり、名をユウと言った。
「おかしな道具ばかりやなあ。いったい何に使うんじゃ、これ」
ユウが怪訝な顔をしながら弟に話しかけていた。当然、カイも答えられないので、兄弟の会話は自然と推論に偏っていく。
外科器械類を大工用具(ある意味、間違ってはいない)、微塵鏡(顕微鏡)を香炉(あまりイイ匂いは出そうに無い)と言い表した彼らの想像力に、密かに口元を緩めつつ、虫眼鏡を使っているせいで巨大化して見える互いの目を見て笑い転げている兄弟を、微笑ましくも思った。
どうでもいいことだが、兄弟だけあって二人は実によく似ていた。
そんな二人の周囲に、自然と子供たちが集まってくる。二人は楽しげに子供たちの相手をしてやっていた。
虫眼鏡が私の手元に戻って来たのは、翌日のことであった。
立花が我々に要請したのは「研究室の設置」であったが、実際のところ彼が村に持ち込んだのは、最低限の雨風、塵、そして余分な太陽光を遮断できるだけの天幕に過ぎなかった。
それでも慣れない我々にしてみれば骨ひとつ地面に固定するだけで四苦八苦したし、幌を張る前に骨組みを組み上げてしまい、やり直しを余儀なくされることもあった。
経験したことがある者ならば分かるだろうが、天井の幌は、最初に乗せておかなければ、骨を組みを上げた後に乗せようと思っても、よほどの巨人でのなければ不可能なのだ。
子供たちに邪魔されながら、ユウとカイの兄弟、更に村の若者たちの力を借りてようやく天幕を張り終え、地面に敷物を広げ、簡易な机を設置したとき、立花がのんびりした足取りで戻って来た。
彼は両手にそれぞれ村人すべての検尿、検便を抱えて、心底嬉しそうに立っていた。
「ご苦労、ご苦労。もういいぞ」
我々の苦労など素知らぬ顔で、立花はさっさと私たちの前を横切り、特等席に座った。
彼を見つめる我々の冷めた目にも気付かない様子で、立花はさっそく微塵鏡を組み上げ、仕事にかかった。
「ああ、そうだ。沼の水、山の土を取ってきておいてくれ。各家の畑、家畜小屋の土も必要だ。ついでに、今の季節ならまだ蚊がいるだろう? 蚊を生きたまま捕獲しておくこと。それから、井戸の水も見たい。分かっていると思うが、何がどこのものかきちんと分かるようにしておくことも忘れないようにな」
私は、思わず篠目と顔を見合わせていた。
「俺らが案内しますわ。二手に分かれましょうや。その方が早いでしょう」
カイそっくりの綺麗な顔で、ユウがそう提案してくれた。心底ウンザリしている私たちと違って、兄弟二人はなぜかわくわくしているような、そんな風に見えた。
山の天気は変わりやすい。今日は午後から雨になる。
村長からそう助言を受けた私は、ユウに案内され、真っ先に山へ向かった。
カイもなかなか印象の良い青年だったが、兄の方も廃れたところ、曲がったとことのない性格の持ち主で、私は初めて会った時から好感を抱いていた。
まったく、市井に見習わせてやりたい。
ユウは、数えの二十二歳で、背中一面、両手足、腹部にこぶじゃくしが寄生している。
顔にコブが出来ていないということもあるかもしれないが、彼はあまり病巣のことを気に病んでいる様子ではなかった。
「あの学者さんは変わった人じゃけんど、先生も随分変わった人やね」
カイとは違って、ユウは随分と砕けた口調で話しかけていた。
「そうかな。自分では普通だと思っているよ」
このところ調子が悪いうえに、慣れない山道を徒歩で行くのは随分と堪えた。
ユウは慣れているのか、それとも体力が有り余る若者であるゆえか、ヒイヒイ言っている私の横で涼しい顔をして私を見下ろしていた。
山へ続く坂道だけでもこの有り様だ。本格的に山へ入ったらどうなるのだろう。私は考えただけで気分が重くなった。
「こんなところ、普通は誰も来たがらんよ。最後に町の人が来たんは、俺が生まれる前やて話じゃ。医者だろうが宣教師だろうが、こぶじゃくしは怖いんと違うの?」
「そりゃあまあ、怖いさ。だけどね、怖いと言ってたら仕事にならんだろ」
弟にも言ったことを兄にも言うと、カイは納得したものだが、ユウの方は怪訝な顔をして私を見た。
「何て言うんだろ、そういうの。義務って言うんか? 俺には耐えられんかもしれん。誰かのその……なあ、背負うんは、キツ過ぎるわ」
その眼差しが村の方を見下ろしていることに気付き、私は彼が将来この村を背負ってたつべき立場にあると思い至った。
たかだか五十戸にも満たない小さな村だが、それでも未知の病が蔓延し、世間から取り残された村を背負うのは並大抵の覚悟ではないはずだ。
「義務とは言わんね」
敢えて明るい口調で、私は言った。
「単純に、興味かもしれない」
ユウが呆れたような顔をして、溜め息をついた。
「興味でこんなところに入り浸るんか? やっぱ先生は変わった人じゃ。あんまり出しゃばると、身を滅ぼすとや」
「そうかもしれんね。なんだかんだ言って、立花のことは言えんよ」
ユウが笑ったのを見て、私は砕けそうになる足腰に鞭を入れ、一歩を踏み出した。
別に急斜面というほどでもない道なのだが、私にしてみれば重労働であった。
体力が落ちたことを実感する。二十代のころであれば……それこそ、今のユウくらいの年頃であれば、三日ほど寝ずとも平気だったというのに。
年齢によるものか、自分の衰えを実感し、それを受け入れるのはなかなか勇気が必要なことだと、今更のように思った。
「親父から聞いた話やけんど」
おもむろに、ユウは口を開いた。
「親父が子供のころはな、このあたりの山にもいろんな動物がおったんやって。俺は見たことないけん分からんが、クマとかキツネとか、タヌキとかな」
山登りで疲れ果てていた私は、適当に聞き流そうとしたのだが、ふとその話に興味を引かれた。
「クマはともかく、キツネもタヌキもいない?」
「ああ、そうやね。話には聞いたことあるけんど、見たことはないさ。一度もね。この山に出るんは、幽霊か、物の怪だけや。夜はしぃんとして、不気味やし」
私は、つい周囲の山を見下ろしていた。
ユウは、このあたりで二年前に死んだという村人の幽霊を見たヤツがいる、などと話をしていた。
残念ながら、私は幽霊になって出てきたという男には、ほとんど興味は引かれなかった。
言われてみれば、山奥であれば当然落ちているはずの獣の糞を一度も見ていない。
東京でさえ、山に近い場所であれば夜な夜なイノシシが降りてきて作物を荒らしたり、糞を落としたりするというのに。
ひとつの事実に気付くと、そこから別の事実が次から次へと引き出されてくる。
キツネやタヌキだけではない。この山にはカラスがいない。今まで一度も、あの人を馬鹿にしたような鳴き声を聞いていない。
この山は静か過ぎる。野鳥の気配がまるでない。
それだけではなかった。
ここには、くもの巣がない。葉の裏にたかる毛虫がいない。蝶がいない。足元を飛び跳ねるバッタがいない……。
「君は、カブトムシを知っているかい?」
幽霊の話を続けるユウを遮って聞くと、彼はきょとんとした顔で私を見返してきた。
「カブトムシ? 何や、それ。強そうな虫やね。東京におるん?」
どう答えたら良いものか一瞬考え、カブトムシが我が国では普通に見かけることができる夏の虫だということを教えてやった。
「なんでここにはいないんやろうね」
ユウは不思議そうな顔で私に聞くが、私にはとても答えることができなかった。
この村には、確かに奇妙なことが幾つかある。こぶじゃくしと呼ばれる寄生虫がその最たる例だが、その他にも、生物のいない山などがそれに当てはまる。
「立花はそういう疑問を解決していくのが好きな男だ。彼に後で話してみよう」
私が言えば、ユウは曖昧に頷いた。
こぶじゃくし村の山は静かだ。山へ入れば、その不気味なまでの静けさが身に染みた。
あまりに静かだと、人間は逆に耳を欹ててしまうらしい。
私はユウと何でもないことを話しながらも、どこかで何か音がしないものかと期待半分、恐怖半分に神経を集中させていた。
恐ろしい獣の唸り声などはごめんだが、秋虫の涼やかな音色などはぜひとも聞きたい気分であった。
しかし、私の期待に反して聞こえてきたのは、沢を流れる水の音だった。
「どこまで登る気でおる? あんまり奥までは行かん方がええよ。この先でな、ヤスの親父さんが、ユキんところの死んだ祖父ちゃんを見たって話やけん」
見れば、山に慣れているはずのユウも不安げにあちこちを見渡していた。
おそらく、彼が恐れているものは私とは違っているのだろうが、これだけ静かな山だと、余計な想像を掻き立てられるのも分からないでもなかった。
「沢の水を汲んで帰りたい。ここから沢へは降りられるかい?」
「ああ、簡単だよ。あっちに足場のいいところがあるから。付いて来や」
あまり山奥の土を採取しても村人には直接関係ないのだから、近いところで充分だと見切りをつけ……もちろん、山登りが苦痛で仕方なかったのも事実だ。
私は本格的な山道に入ってから僅か十メートルほどの場所で、いそいそと土を壜に詰めた。
立花の美しい文字で「山の土」と書かれたラベルが貼られており、私はそれを鞄に納めて立ち上がった。
「君の村では、死者はどうしている? 土に埋めているのか?」
腐葉土が積もった道なき道を進む。一歩進むごとに、足元で水を吸って腐った葉が不気味は音をたてた。
町を歩くことを前提で作られた靴は、あっという間にドロドロになってしまった。やれやれ、と思った。山歩きなど、子供のころ以来だ。
「墓場は北」
短く言って、ユウは指先で方角を示した。
そこが村人の生活と距離を取った場所であることは、すぐに見当がついた。正式な知識など無くとも、病は伝染するものだということを、大勢の人間が経験からして知っている。
そして時に人を死に至らしめる可能性がある危険な病は、それに罹った人が死んだ後も、生きている人間にとって脅威となる。
だから死者は恐れられると同時に、忌み嫌われる。
「先生、もうちょいやけん。頑張って」
正直、私は今までにないほど疲れていた。ユウが顔色ひとつ変えないことが、憎たらしいとさえ思う。
荒い息をしながら山を進み、ようやく目的の沢まで辿り着いた。足場がいいと聞いていただけあって、そこは山に入る村人たちがしょっちゅう利用しているのか、土手にはちゃんとした段が作られていた。
「やれやれ、久しぶりに汗をかいた気がする。ここは涼しいな」
沢を覆い尽くすように、土手の両側には竹が生い茂っていた。
頭上から降り注ぐ陽光に透けた緑は、息を呑むほどの美しさであった。私は思わず、疲れを忘れて緑に見とれた。
「綺麗なところだ。ここはいい村だね」
土手の腰を下ろしながら言えば、ユウは微かに照れたように笑った。
「こぶじゃくしがいなくなれば、完璧やけどね」
私は頷いた。まさしくその通りだ。そして私たちは、そのためにここへ来た。
美しい風景に身を浸していると、なぜか分からないが厳粛な気持ちにさせられる。
ここで私は、自らの仕事をやりきることを、改めて胸に誓ったのだった。
ひとしきり休んだところで、私は幾分か軽くなったように感じられる腰を上げた。
沢の水を採取しようとしたところで、私は思いがけないことに気が付いた。
「あの……黒い水は、何だろう」
私が指差すと、ユウはそちらの方に興味深そうな視線を向けた。
山の緑を映す美しい透明な流れの中に、黒い水が筋となって流れ出している場所があった。
まるで誰かの悪意が垂れ流しになっているようで、それを目の当たりにした瞬間、私は何ともいえない嫌な気分になった。
「悪いが、あの水を取ってきてもらえるだろうか。私が行ってもいいんだが、足を滑らせてしまいそうでね」
私が「沼の水」と書かれた空き瓶を渡して頼むと、彼は二つ返事で草鞋を脱ぎ、沢の中へと入っていった。
日中はまだまだ汗が滲む陽気とは言え、沢の水は痛いほどに冷たい。彼の若さに敬服した。
それにしても、あれだけ幽霊が、物の怪が、と口にしていた割に、ユウは平気で黒い水のところに歩み寄って行った。
目に見えるものは怖くないのだろうか、などと私は密かに不思議に思った。
ユウは軽い足取りで私のところへ戻ってきた。
手渡された壜を光に翳すと、私の手の中で、それは黒龍のように渦を巻いていた。
「先生、そんなモンに興味あるとや?」
真剣に黒い水を睨みつけていると、ユウが何ともいえない顔で私を見ていた。
「やっぱ、東京でお医者さんになるような人は違うね。俺には、なんで先生がそんなモンに興味あるんか、さっぱり分からんわ」
どう答えたらいいものかと言葉を探していると、彼は、はにかんだような笑顔を見せた。
「俺なんか、自分が喋ってる言葉さえ書けんとよ。この村に字が書けるヤツなんか一人もおらん。そんな必要もないしね。そういう水が流れてるんは知ってたけど、別に気にもせんかったわ」
字が書ける者がいないのは、別にこの村に限った話ではない、と言おうとしたのだが、私はむしろ彼が「黒い水」に気付いていたということに興味を持った。
「いつごろから、こういう水は流れていたんだい?」
聞けば、ユウは考え込むように腕を組んだ。
「そうさねえ。俺が気が付いたころにはもう、いつでも流れとったと思う」
「つまり、子供のころからずっと、というわけかい?」
「そうそう。気になるんやったら、シゲさんとか、うちの親父なんかに聞いてみたらええ」
山の水の中に流れ出す黒い水に、私は不吉な予感が拭い去れなかった。単なる黒い土であればいいと思いながら、それを慎重に鞄に納めた。
「カイは……弟はさあ、ああ見えてけっこう頭ええと」
ふいに、ユウがそんなことを言い出した。私が先を促すと、ユウは自嘲するような笑みを浮かべてから言葉を続けた。
「カイは、俺には考えられんようなことを考えとるし、俺には分からんことを、あいつはたまにポロッと喋る。ちゃんとしたところに生まれてたら、ええ学者さんになれたんやないかって、思うたりするんやけど」
「カイくんは、村の外に興味があるようだったね」
私が語る外国の話を真剣な眼差しで聞いていた彼の姿を思い出していた。
確かに、本当に頭が悪い人間というのは、自分が見たこと、触れたことを自分なりにしか理解できないものだ。
カイは当然、独逸の風景など見たことも聞いたこともないはずだが、それでも彼は私が語る独逸の話に聞き入っていた。
特に、あちらの国の法律や制度などは、興味がないものにとっては欠伸が出るような話だ。
それが理解できるということは、確かにユウが言った通り、カイは頭がいいということだ。
「その、黒い水だって、カイはもっと違うことを考えてるんかもしれん。俺は、今まで何とも思ってなかった。それに、俺には何にも分からんわ」
私は苦笑いを返した。
「残念ながら、それは私も同じだよ」
ユウは怪訝な顔を向けてきた。自分がなぜ、そんなことを言う気になったのか、自分でもよく分からなかった。
「私は誰かに比べて特別、頭が良かったわけじゃないんだ。ただ、家に恵まれていたことと、努力家だったということが、幸いしただけだと思うよ」
言いながら、私はなぜか長年、胸の奥に仕えていたシコリのようなものがスッと消えたのを感じていた。
これは、後にも先にも自分に「できないこと」自分に「与えられなかったこと」それを認めることができた唯一の瞬間だった。
口に出してみれば、驚くほど呆気ない。
長年に渡り、私の心の中に悪性腫瘍のように居座り続け、ふとした拍子に疼き出しては私を苦しめていた劣等感は、その存在そのものが嘘のように霧消してしまった。
私は、妙にすがすがしい気持ちでユウの方を向いた。
「だから、この黒い水が意味することだとか、それから考えられることなんかは、これからこれを立花に見せて、彼の意見を聞くほかないんだ」
情けない顔で笑いながら言えば、ユウが肩を叩いてくれた。二十近くも年下の青年に励まされるなど、普段の私であれば、とても受け入れられないことだが、今日ばかりは悪い気がしなかった。
「他にも何かないか、探してみたいんだ。手伝ってくれるかい」
ユウは、人好きのする笑顔で頷いた。
二人で土手から沢を捜索している最中、ふと立花が助手を欲しがっていたことを思い出した。
あまり期待させても良くないのでユウには言わなかったが、体力もあり、頭も良く、人当たりのいいカイならば、立花も気に入るかもしれないと思い立った。
他人の人生に、お節介をやくのは私の趣味ではないのだが、その思いつきは、私にとって非常に魅力的に思えたのだった。