離したくない夢
女子高校生。
私のそばに、彼が居る。
胸がドキドキして、痛い。
隣に座った彼の、無造作に放り出した足。
ちょこんと座ってる、私の足。
誰かにお願いしたい気分。
ベンチの後ろに回って、二人の写真を取ってくれない?
並んだふたつの頭。それから足。
宝物にするから。
それから、手。
こんな時、手ってどうしておくもの?
彼の長い腕が不意に動いて。
私の背中に回る。
ベンチの背もたれの上に腕を置いて。
指が、私の髪をなでる。
あ、痛い。……胸が。
ドキドキは最高潮。
ひざの上に置いた手、スカートをぎゅっと握り締める。
「どうしたの」
そう聞く彼の声。
彼の優しい声が好き。
少しだけ首をかしげて、優しい瞳で私の顔を覗き込んで。
いつも私を見ていてくれる、彼が好き。
見つめ返すことに、少しずつ慣れてきた。
最初は……見つめ合えただけで頭がくらくらした。
両想いになんて、まさかなれるとは思わなかったから。
ずっとずっと前から。
すっごくすっごく好きだった。
ハジメテの恋。
大切な大切な、恋。
大好きな、彼。
………………………でも、もう。
伝う涙の冷たさに、目が覚める。
心に余韻を残して融けていってしまう明け方の夢。
形のないそれを、必死になって掴もうとするココロ。
離したくない、幸せな夢。
まだ私が、彼の彼女だった頃の夢。
過去の夢を見て、
それがたまたますごく幸福な夢だったりしたら。
その続きがどうしても見たくて、二度寝しちゃう罠。




