拘束
恋愛系。
「――― 縛りたいな」
一瞬きょとんとして。
それからくしゃくしゃの笑顔になった。
「なあに?鏡子さんそういうのしてみたいの?………かなわないなぁ」
それはこっちの台詞。
なんて可愛い顔で私のことを見つめてくれるの。
「俺、鏡子さんにだったら別にかまわないよ? 今日はそういうプレイしてみる?」
下手なウィンクをして。
無邪気に差し出された両手首。
私は手を差し出し、指でそっとなぞった。
「何で縛る? 俺の制服のネクタイとか?」
私は唇を舌で湿らせた。
「そんなんじゃダメよ。………そうね、これがいいわ」
首から、細いプラチナのネックレスを外した。小さな一粒のダイアモンドがついてる。
彼の細い手首をギリギリ2周したあと、金具を留める。
「鏡子さんっ、これって彼氏からもらったやつじゃ………」
「そうよ」
情けなく下がった目じりを、撫でる。
「切ったりしたらどうなるか。………分っているわよね?」
こくん、とうなずいた素直な彼に。
私はその日初めての笑顔を見せた。
「イイ子ね」
こんなものじゃ彼自身をを縛ることは決してできやしない。
ほんの少し力を込めれば、はかなく途切れてしまう細い細い、白金の糸。
湧き上がる誘惑に、私の心が負けていく。
簡単に千切れてしまいそうな………私と彼の関係にとてもよく似ている。
本当に縛りたいのは………心。
彼の心。
縛られているのは………私。
――― 私の心と、身体。
年下の男の子




