第23話 受付の順番待ちは退屈だ
一応今日から早めの夏休みに入りました!
それでもやらなければいけないことがいっぱいある。
ゼミの研究とか研究とか研究とか……
受付では真悟が待ちくたびれた様子だった。そして何故か列の順番待ちをしていて、その先では複数の係員らしき人が写真を撮っていた。
「遅いぞ! みんな」
「悪いちょっと手間取って」
「それより俺のペアは楓ちゃんだろうな」
小声で結果を訊いてきた。
これに健一は頷いた。
「よし! そういえば健一は誰とペアなんだ?」
「私だよ」
彩芽は嬉しそうに声を弾ませながら手を挙げた。
「それより受付はどんな感じなのよ」
「あ、そうそうまずペアになる人とここで写真を撮ってそれを出さなきゃいけないんだ」
「けどカメラなんて持ってないぞ」
「それならここの受付の人が撮ってくれるから。もうすぐ俺たちの番なんだ。それなのになかなかみんなが来ないから焦ったぜ」
「それで並んでいたのか」
そして健一たちの番はすぐにきた。
「兄サン、どんな風に写ろっか?」
「別にどうだっていい」
健一は無愛想にカメラに向かって顔を向けていた。
「もう! 兄サンったら」
彩芽はせめてもと思い笑顔を作り、シャッターを切る瞬間に健一の腕に自分の腕を絡めた。
「あ! なに恥ずかしい事してんだよ」
「いいじゃない別に、兄妹なんだから」
撮り直すと健一は言ったが彩芽は聞く耳持たず、その写真でエントリーした。
「真悟さんたちの方はどうなったかな?」
見ると真悟たちの方はちょうどカメラを向けられているところだった。
真悟は笑顔を作っていた。しかしそれは他人から見たらにたにたしているようにしか見えなかった。
エントリーが終わると真悟はにたにた顔のまま戻ってきた。
一言で言ううと、きもちわるかった。鏡子も同じ感想なのか顔をしかめていた。
「知ってるか。エントリーした写真ってゴールすれば貰えるんだぜ」
健一は無関心だったが、横にいた彩芽はそうではなかった。
「そうなの。ならゴールしたら賞品のついでに貰っちゃおっかな」
「私はみんなとの写真の方が欲しいです」
「みんな! なにこんな所でもたもたしてるのよ。さっさとしないと賞品どころかゴールすらできないじゃない。ほら早く行くよ」
鏡子は先導をきって進み始めた。
「それで俺たちはどの乗り物に向かってるんだ?」
鏡子はその場で足を止めた。
「…………とりあえず乗らなきゃいけない乗り物よ」
「だからそれはどれなんだよ」
「私が知るわけないでしょ。なにに乗ればいいかなんて知らないし。健一たちは知ってるんでしょ」
健一に逆ギレする鏡子だったが、彩芽が止めに入った。
「鏡子ちゃん、それが教えてくれなかったの。ただ、乗り物のどれかの中に参加用の写真を写すのがあるからその写真七枚集めて受付に持って来るようにって言われただけなの」
「なるほど、じゃしらみつぶしに乗るしかないわね」
そう言って鏡子は近くにあった乗り物に入った。
前書きでも書きましたが、この夏休みはゼミの調べものとかであちこち現地に向かわなければなりません。しかも、8月後半にはゼミとは関係ないが、資格試験が控えてます。それなので少し更新の頻度が落ちたり、不安定になります。
できるだけ頑張りますが、そのことをわかっていただけると幸いです。