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第1話 朝の登校

なんだか眠い・・・です。

でも、書きます!

 日の光で目が覚めた。


 もそもそとベッドから起きて、制服に着替えると重い足取りで一階のリビングに下りて行った。


「お~はよ~」


 まだ半分寝ている。自分でもそれがわかった。


 この若者の名前は、高峰(たかみね)健一(けんいち)奥汰(おくた)()(ささ)(はら)(ちょう)一丁目に住む、ルックス、中! 成績、中! 運動、中! のどこにでもいる普通の高校生だ。


 朝に弱く、何をするにもやる気がない。という面が備わっている。

 これだけでダメダメである。


「おはよ。もー、いつまでも子供じゃないんだからもっとシャッキとしてよ(にい)サン」


 と、健一とは違ってしっかりした声が返ってきた。


「朝から元気だな」


 目を擦りながら、うるさそうにリビングの席に着いた。

 

「兄サンがしっかりしないからでしょ」


 ため息を吐きながら言った。


 健一はテーブルの上に置いてある朝食のパンをもそもそと食べ始めた。


「もう、今日から私も同じ学校に通うのだから、もう少ししっかりしてよね」


 さっきから健一に説教をしているのは、高峰(たかみね)(あや)()。健一の妹で一つ年下の女の子だ。

 顔たちは、美人と言うよりも誰からも好かれる可愛(かわい)いらしい顔で、健一ともどことなく似ている。成績も運動神経も悪くなく、むしろ良い方だ。


 ちなみに朝食は彩芽が作り、まだエプロンは着けたままでいた。


「同じ学校……か」


 健一は頭痛がしてきた。別に眠いからではない。


 それはこの説教が学校でも続くのかという思いと、別にもう一つ理由があった。


 それは彼女には秘密にしている趣味があるからだ。その秘密とはアニメが大好きだということ。毎週のゴールデンタイムのアニメから深夜のアニメにいたるまで欠かさず見ている。そして彩芽の部屋にはDVDや本やらグッズやらが溢れている。いわゆるオタクというやつで、それも周りに知られないようにしている隠れオタクだった。


 この事は、家族以外には秘密にしている。


 けれどそのせいで彩芽の友達が来た時なんかは、部屋にあるグッズ全部が健一の部屋に移動させられている。それも一度じゃ二度じゃない。


 それだったら趣味、もしくは友達を家に呼ぶのをやめろと言ったことがあるが、どっちもNOの一言だった。


 昨日も彩芽の部屋が明るかったから、アニメを見てたんだろう。


 説教ありでも、これさえなければかなり良くできた妹だと思う。


「ほら、早く行こ」


 まだ健一は少し頭痛を覚えながら、身支度を整えて家を出た。


 外は晴れ、日がサンサンと差している。


 桜の花も咲きかけている。


 まさに新学期を迎えるのにはもってこいの日だった。


 それなのに健一はまだ眠そうに歩いていた。


「ふわ~」


「兄サンまだ眠いの?」


 健一の様子に半分(あき)れていた。


 彩芽はというとしっかりとした足取りで歩いていた。


「どうして俺より遅くまでアニメを見ている彩芽の方が元気なんだ?」


 そんな彩芽に健一は不思議そうに訊いた。


 すると般若(はんにゃ)もびっくりな顔で健一の方を見た。


「兄サン!」


 強い口調と顔で眠気は一気に飛んだ。


「外では私がアニメ見てることは言わないでよ!」


「ゴメン、ゴメン」


「もう、気を付けてよ」


「でもさー、やっぱりなにか眠くならない秘訣(ひけつ)でもあるの?」


 健一は改めて聞き直した。


「それはね、自分が楽しいと思えることをしたらいいと思うの。そしたら次の日の目覚めが良くなるから」


「そんなものなのか?」


「そ、そんなものよ」


 自分は楽しい事してますよー、みたいな顔を健一に見せた。


「新学期なんだから何か新しい事でも始めたら?」


「……………」


 健一は空を見上げながら考えた。


 しかし、自分にはこれといった趣味は無かった。


 なんだかそのうち考えるのが面倒になってきていた。


 そんなことより今日帰ったら何をしようかな? なんて違うことを考えだしていた。


 それでも一応考えているふりをした。


「兄サン?」

 

 彩芽が顔を覗き込んでいた。


「……え、ああそうするよ」


「もしかして。今違うことを考えたでしょ」


「そ、そんなことないよ」


 実際違うことを考えていたので焦った。


「そんなことより、もうすぐ学校に着くぞ」


 そう言いながら、自分が一年間通った学校を指差した。



こんなに続けて投稿できるのは、多分この初日だけかもです。

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