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第18話 遊園地の乗り物といえば

あっつ~い

自分のパソコンが少し焦げ臭い気がする

やっぱり夏場は適度に休ませないと

っていう関係ないことは置いといて  どうぞ!

 遊園地に着くとそこには長蛇の列ができていた。


「うわーさすが今、人気の遊園地だね!」


 彩芽ははしゃぐ気持ちを抑えられないでいた。


「ほんと、すごいなこれは……」


 最後尾は見えないほどだった。


「けど、これを並ぶのはちょっとしんどいわね」


「仕方ありませんよ」


 健一達は列の最後尾に並んだ。しかし、そこに真悟の姿はなかった。


「なにやってんだ。俺達はこっち、そっちは今からチケットを買う人の列」


「え?」


  一同は真悟の方に振り返った。


「どういうことだ?」


「ここの遊園地はお客をあまり待たさないようと、前売り券を持っている人専用の入り口があるんだ」


「それじゃあ、待たなくていいのね」


「その通り!」


「けどそんなチケットを私達がいただいて本当によろしかったのですか?」


「そんなの気にしなくていいよ。楓ちゃん」


「けど、ほんとよく五枚もチケットが手に入ったな」


「そうそう私も、気になってたのよ」


「実は俺も昨日、偶然に手に入ったんだ。健一が帰った後、しばらく明日のことを考えてたら親に買い物頼まれて気晴らしがてら行ったら、商店街で福引きやってたからやってみたんだ。そしたら一等のこのチケットが当たったんだ」


「それすごいな真悟」


「けど俺、本当は三等のゲームが欲しかったんだけどな……」


 思い出した真悟はガックリ肩を落としていた。


 普通に考えばこっちの方がかなりすごい方だと思う。


「けどそのおかげで、みんなと来れたんだから」


「そうだよ。真悟サンは残念がることないよ」


「そうだな。それじゃあ、気を取り直して行こうぜ!」


 真悟は気合を入れ直した。気合いは十分だった。


「まず、どこから行きましょうか?」


 楓は入口でもらったパンフレットを広げていた。


 それを鏡子は覗きながら見ていた。


「そうねー。まず始めだから軽く……ジェットコースターかな」


「おいおい、なんでそうなるんだ? どうして軽くがジェットコースターなんだよ?」


 鏡子は冷やかしの目で見てきた。


「健一もしかして怖いの?」


「俺は大丈夫なんだけど……」


「ならいいじゃない」


「それにしてもいきなり絶叫系はないだろ」


「健一、人生は長いようで短いのよ。こういうのは楽しんどかなくちゃ。それに昼過ぎて乗るより午前中の方が空いてる筈よ」


「けど、真悟ってこういうのだめだったような……」


 確認をするように真悟を横目で見た。


「健一、今の俺なら大丈夫だ!」


 真悟は勢いに任せて、健一の肩に手を置きながら言った。


 けど、この時真悟の手は震えていた。


「二人も大丈夫?」


 鏡子は彩芽と楓に尋ねた。


「平気だよ」


「私も大丈夫……だと思います」


 楓は一瞬考えながら言った。


 手をパンと叩いた。


「じゃあ、決まりね!」


 ジェットコースターの乗り場に行くと、列は空いているわけでもなかったけど、少し並ぶ程度のものだった。


「ここのってすごそうだね!」


 彩芽がコースのレールを見上げていた。


 遠くで見た時よりも近くで見るとさらに凄みを感じた。


「よし、座る順番でも今のうちに決めとくか?」


 真悟はこういうのは本来苦手なはずだけどノリノリだった。


「私、一番前がいい」


 彩芽は元気よく手を挙げた。


「じゃあ彩芽ちゃんは、私と一緒に乗ろっか。健一達はどうするの?」


「俺は別にどこでもいいや」


「俺はみんなの後ろにいかせてもらうよ」


 真悟は進んで立候補した。やっぱり口では平気そうに言ってるけどやはり怖いらしい。


「私も出来たらみんなの後ろがいいんですけど……」


「じゃあ、俺と楓ちゃんは後ろで決定!」


 座席は二列のタイプだった。


 そしていよいよ、健一達の番がきた。


 ガタンガタンガタンガタンガタンガゴン!


 ゆっくりと頂上に向かって健一達を乗せたカートは上っている。


 このゆっくりした感じが恐怖を倍増させる。


 もうすでに鏡子と彩芽は手を挙げて思いっきり楽しむ体制だった。


 後ろを振り返ると真悟の手は安全装置のレバーをしっかり握っていて、目は(まぶた)(しわ)が寄るほど固く(つぶ)っていた。


 そんな光景を見ていると横から突然、健一は手をを掴まれた。


「……高峰君、恐いから少しの間こうしてていいですか?」


 楓は真悟と同じようになっていた。ただ、唯一違うところは掴んでいるところだった。


「い、いいけど、もしかして橘さんも苦手だったの?」


「はい、恥ずかしながら」


「それなら無理して乗らなくてよかったのに」


「けど、みんなが乗るのに私だけってわけ……」


 そこで楓の言葉は止まった。ゴトンという音とともにカートは勢いよく加速しながら下降していった。


 楓に掴まれていた手がけっこう痛かったのは内緒だったりする。



「う~ん。楽しかった」


 気分爽快といった感じでの鏡子が体を伸ばしていた。


「それにしてもあの連続三回転のところはすごかったね」


「一瞬仰向けになりながら進むのも面白かったよ」


 鏡子と彩芽はカートが上下左右に揺れるたびにキャーキャー言って喜び、十分に満喫していた。


 しかし、その横では真悟はヘロヘロになっていた。


「大丈夫か真悟?」


「らいじょうぶ。こふぇくらいなんともないぜ」


 真悟は親指を立てながら言ったが、呂律(ろれつ)がうまく回らず言葉に力はなく足元はふらついていた。


「橘さんは大丈夫?」


「ええ、私はもう大丈夫です」


 カートに乗っていた時とは違い、いつもの落ち着いた感じになっていた。


「そういえば乗る前なんでかえっちは健一の横に変えたの?」


 鏡子が思い出したように聞いた。


「それは……」


 乗る前、健一の横が空いていたのでそれで係員に『後ろのお客様の迷惑になりますから前に詰めてください』と言われた。真悟はもう先に健一の後ろに乗っていたので、楓が健一の横に座ることになった。その時の真悟はショックを受けていたが、乗っている間ずっと目を瞑っていたから結果的にはあまり関係がなかったと思う。


 楓は鏡子に簡単に説明した。


「そうだったんだ」


「まったくとんだ乗り物だったぜ」


 真悟が楓と座れなかったことも含めて、乗り物のせいにした。


「そんなことより次、どこに行く?」


 彩芽は目を輝かせながら体をウズウズさせていた。


「そうだな……」


「次はあそこよ!」


 健一は彩芽が開けているパンフレットを覗きながら迷っていると、鏡子が次なる乗り物の方へ指差した。


「ほら、みんな早く行くわよ」


 鏡子が先に駆け出し、みんは後ろをついて行くしかなかった。






ジェットコースターもそうだけど絶叫系のなにがいいのかさっぱりわからない


あんなのただ恐いだけじゃん! そんな恐がってる顔がみたいから乗っているというゆがんでいる奴も中にはいます


自分の身近な奴がそうであるように……

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