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【追跡、こだま317号】  作者: 石田ヨネ
第七章 決着、解決へ

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52 先ほど、ラーメンを食ったからな。せいぜい、【その分の熱量】によって生まれた……、そうだな……? 差しづめ、【ミニ太陽】とでも云うヤツ




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「ど、どゆこと……?」


 ジェラート大佐が、困惑した顔で聞いた。

 妖狐は、答える。

「だから、言っておるだろう? 別に、好きにすればよい、と――」

「い、いやっ……? だって、君の仲間だろ? あの、ふたりと、」

「え? 仲間じゃないし」


「へっ――?」


 とここで、またもや妖狐の思わぬ言葉に、ジェラート大佐が、屁のような「へ――?」の声を出した。

「だって、考えてもみるがいい? あんな、パパ活してそうなコンビと、不機嫌がデフォルトな更年期が……、仲間なわけ、なかろう?」

「は、ぁぁ……?」

 と、ジェラート大佐は、ますます顔を歪める。

 いちおう、傍から見れば仲間――、少なくとも協力関係にある仲にも関わらず、“パパ活コンビ”だの、不機嫌な“更年期”だのと、めちゃくちゃな言い草である。

 そんな、人間性のクソな――、いや、人ですらない妖狐であるが、


「――というか、“そんなもの”など関係なしに、やれるのなら、やってみるがいい? ポンコツ、大佐殿よ?」


 と、ドヤ顔で言うとともに、

 ――スッ……

 と、ジェラート大佐のほうを指してみせた。

 すると、

「ぐぬっ……!! こ、このッ!! 失礼な、タヌキがッ――!!」

 と、煽られたジェラート大佐が、

 ――ギリッ……!!

 と、歯を食いしばる。

 そうして、


「じゃあ……? 後悔するなよッ!! この、タヌキがァァッ――!!」


 と、ジェラート大佐の身にまとう空気感が変わるッ――!!

 同時に、


 ――バ、シューッ!!


 と、降り積もった雪に、衝撃波のような波紋が広がる――!! 

 すなわち――

 雪と、氷を――、【冷気】を司るジェラート大佐の力である!!

 ここ一帯の、すべての雪の結晶、粒子を操ることさえ可能でもある――!!

 そうして、


 ――ゴゴ、ゴゴゴォッ……!!


 と、雪山から、巨大な雪崩を引き起こさんとした――!!

 その時、


「むぅっ――!?」


 と、ジェラート大佐は、【何か異変】に気がついた。

 同時に、


 ――ピ、ィィンッ――!!


 と、脳内にパルスが走る!!

“それ”が何であるかを、完全に理解したのだ!!

 すべての、雪と氷の粒子を操る力――

【それ】が、一切合切ッ――!! 遮断されていることに気がついたのだ!!

「ぐ、ぬっ……!?」

 ジェラート大佐が、顔を歪めると、


「――ふむ。気がついたか?」


 と、いつの間に移動したのか――? 斜めうしろから、妖狐の、神楽坂文の声がした。

「――!?」

 ジェラート大佐が、不意を突かれたように驚きながらも、

「きっ、貴様……、何を、した?」 

 と、ゆっくりと妖狐のほうを向いて聞いた。

「ふむ。貴様の司る、冷気と、雪と氷……、森羅万象を司ることのできるこの私が、“それくらい”、操ることができぬ――、とは思わなかったか?」

「ま、まさかっ――!?」



「そう……、その、“まさか”、だよん♪」



 と、妖狐が、ニコリ――♪ と微笑した。

 同時に、


 ――バシュッ、シュシュッ――!!


 と、雪煙が巻き上がる!!

“それら”は蠢くなり、集合し、映像芸術のようなダイヤモンドダストへと変わる!!

 さらに、

 

 ――スッ……


 と、妖狐は腕を、横に伸ばした。

 その【てのひら】の上には、


 ――ポ、ワン……


 と、召喚された、【ミニ太陽】とでも云うべきか――? ソフトボールくらいの大きさの、橙色に、凄まじく明々と輝く【球体】が、浮かんでいた。

 その、圧力すら感じる明るさの【ミニ太陽】に、

「ぐぅッ――!? な、何だ!? そいつはッ!?」

 と、ムカイが、思わず腕でガードしながら聞くと、

「ふむ。先ほど、ラーメンを食ったからな。せいぜい、【その分の熱量】によって生まれた……、そうだな……? 差しづめ、【ミニ太陽】とでも云うヤツだ」

「「はぁ!? どんな熱量だよッ――!!」

 と、ムカイとジェラート大佐が、ともにつっこむ!!

 しかし、その間にも、


 ――ピ、カッ――!!


 と、ミニ太陽から生み出される、莫大な光子がッ!! すさまじい熱量がッ――!! 10メートルほどの近距離から放出される!!

 それらをさらに、


 ――カッ――!!


 と、妖狐の操るダイヤモンドダストが、微小な【鏡】として複雑に反射させ合い!! ジェラート大佐らへと襲いかからんとす――!!

 その光、熱を浴びるや、

「ぐぅぅぅっ……!!」

「うう”ー!!!」

 と、ジェラート大佐とムカイが叫ぶ!!

「や、ヤバいッ!! こ、これはヤバいって!!」

「ああッ!! こ、こいつは!! 流石にマズいぞッ!! ジェラート!!」

 と、焦るふたりに、

「フハハ――!!」

 と、妖狐は、愉快な表情で嗤う。

 嗤いながらも、


「それで、だ――?」


「なっ!? 何、だい?」

 と、歪む顔で反応するジェラート大佐に、



「――まだ、やるか? 貴様たち?」



 と、妖狐は、交渉の言葉を突きつけた。

「い、いやっ……、いいッ!! アイスが溶けちゃうから、いいや!!」

「アイスどころじゃねぇっての!! バカか!! お前は!!」

 と、ムカイからつっこまれながらも、

「こっ、こーさんッ!! こーさんッ!! 降参するよっ、タヌキさん!!」

 と、ジェラート大佐は、あっさりと白旗をあげた。

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