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【追跡、こだま317号】  作者: 石田ヨネ
第七章 決着、解決へ

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51 これは、【どこ系】なのか――? どんぶりで、【醤油ラーメン】を




          (6)





 ――ド、ォォンッ――!!

 ――ド、ォォンッ――!!

 ――ド、ォォンッ――!!

 ――ド、ォォンッ――!!

 ――ド、ォォンッ――!!


 と、関ケ原の、新幹線の線路一帯に砲撃が続く――!!

 その物量!! 火力――!! ――まあ、温度を絶対零度に奪う砲弾であるから、火力というのはアレだが……、その規模たるや!! 第二次世界大戦の、ソ連軍のそれに匹敵する――!!

 なお、もしこれが、戦国時代であれば、石田三成の西軍軍側に加勢すれば、徳川家康の東軍を、一瞬で殲滅してしまうだろう。

 そんな、凄まじすぎる砲撃の中、


「あっ、あっ!! そ、そろそろいいよぉーッ――!!」


 と、ジェラート大佐が慌てた様子で、ストロベリーの【17】アイスを手に取り、旗を振るようにして停止の合図を出す。

 なお、本来は赤いスイカ・バーを出したかったのだが、先ほど松本の狙撃によってスイカ・バーは撃ちぬかれてしまい、残りが無かったという事情がある。

「何、テンパった声出してんだよ」

 ムカイが、「やれやれ」との顔で呆れてみせると、

「だっ、だって……!! 相手、妖狐だもん!!」

 ジェラート大佐が、「仕方ないだろぉ?」と云わんかのように、訴える。

 そうしながらも、ジェラート大佐の合図によって、


 ――ド、ォォン……!!


 ――ド、ォォン……!!


 と、すこしの時間差とともに、砲撃が止んだ。

 

 …………、…………


 と、立ち往生した新幹線を中心として、

 ――シーン……

 と、あたり一帯が、静まり返った。

 そのうちに、


 ――ファッ、サァァ……


 と、雪煙やら、ダイヤモンドダストやらが、晴れてくる。

 果たして――? この、一斉に行った砲撃が、妖狐に効いているのかどうか――? 

 まさに、確認の瞬間である。

「っ……、」

 と、ジェラート大佐が、微笑しながらも、緊張したのを隠せない面持ちで、

「……」

 と、いっぽうのムカイは、何とも思って無さそうな様子で、淡々と確認をしていく。

 ジェラート大佐たち冷界人としては、ワンチャン、妖狐が氷漬けに――、もしくは、少なくとも、【何らかのダメージ】を負っていることに期待をしようとした。

 しかし、


 ――サ、ァァッ……


 と、雪煙が、晴れかける前に――


 ――ズズズ、ズズ……



「へ――?」

「あ、ん――?」

 と、何かを、すする音が聞こえてきた。

 雪煙が晴れるなり、 


「ふむ? その程度、か……? 生ぬるいぞ、貴様たち」


 と、姿が露わになった妖狐は、あろうことか――? これは、【どこ系】なのか――? どんぶりで、【醤油ラーメン】を食っているという――!!

 まるで、どこでもかしこでもラーメンを食う、漫画のキャラクタ――、ラーメン大好き小池さんのように!!

「なっ――!?」

 ジェラート大佐が、思わず驚愕し、

「ちっ、何で、ラーメンなんか食ってんだよ!?」

「ねっ、でしょ!! 絶対、僕たちのこと、バカにしてるんだよ!! 舐めているんだよ!!」

 と、「舐めてんのか?」と舌打ちするムカイに、やかましくも指をさして騒ぐ。

 その間にも、

「――で? こんなものか? 貴様たちの力は?」

 と、妖狐は言いつつ、鳴門をつまんでみせる。

「う、う~ん……」

 ジェラート大佐が、さらに悪い汗を滴らせながら、苦い顔をする。

 そうしながらも、何とか打つ手を考えて、


「――じ、じゃあっ、こうしよっか……♪」


 と、ジェラート大佐が、無理やりニッコリとしてみせた。

 続けざま、


 ――バシュ、シュ、シュ、シュッ――!!!!


 と、冷気と雪煙が、オーラのように吹き出す――!!

 傍から見ても分かる、超極低温のオーラ。

 ジェラート大佐は、フル・マックスのパワーの力を見せる!!

 そうして、ジェラートを中心にして、まるで極低温の液体ヘリウムが広がらんかのごとく――!! 這って広がり!! この一帯へと襲いかかる!!

「ふむ? これが、貴様の力か?」

 妖狐が、聞く。

「うん♪ そうだよ。例えるなら、ねぇ? マックス噴火中の富士山であっても、カッチンコッチンに凍りつかせることも、できちゃうかもね♪」

 ジェラート大佐が、答える。

 確かに、面に広がっていき、また、上空までにも伸びる、極低温の力――

 しまいには、この関ケ原一帯まで広域に広がり、すべてを、絶対零度まで熱を奪うことができるだろう。

 そうして、流れる極低温の中、


 ――ズ、ズズ……


 妖狐は、まだ、ラーメンを食う箸を止めない。

 対して、

「それによって、ね……? 陸上兵力なんか、近づくすべもないし……」

 と、ジェラート大佐は、説明を続ける。

 その間も、


 ――ズズ、ズ……


 と、ラーメンを啜る音を、まだ止めない妖狐に、

「また、空から攻撃してきても、ね? 上空まで、いっきに熱を奪いきることによって、戦闘機やミサイルすら、作動不能にする――」


 ――ズズ、ズ……


「すなわち……、陸と、空と、ともにね? 人間たちの軍隊は、僕たちに敵うこともないんだよ……♪」

 と、ジェラート大佐は、気持ちよく話終えたと思いきや、


 ――ズズズ……


 と、まだ、妖狐のラーメンは続いていた。

 すると、


「おいッ――!! 人が話をしている時に!! 舐めてるのか貴様ァァッ ――!!」


 と、ジェラート大佐が豹変したように!! ブチ切れ、激高した!!

「おおっ……、怒りやがった、」

 ムカイが、思わず驚く。

 さすが、普段ヘラヘラしていても、大佐というだけあるか――? その怒気は、大佐としての“それ”に相応しいものだった。

 そのふたりに、

「うん。ちょっと、舐めてるかも」

 と、妖狐が、いったん箸を止め、煽ってくる。

「確かに、ッ……、腹立つな、」

 ムカイが舌打ちを挟み、顔をしかめる。

 また、ジェラート大佐が、妖狐に話す。

「おい? “君”は、いいけど、さ?」

「う、ん?」

「さらに、ね……? いま、もうすでに、2、3メートルほどの新雪が、山をふくめて、この関ケ原一帯に積もっているからさ? 【僕の力】を使えば、巨大な雪崩なんかを、起こすこともできる――」

 と、この間も、


 ――ズズズ……


 と、妖狐の箸は止まらない。

「それ。で――? 君の仲間も、まだ。この一帯にいるんだろ?」

「うん」

 妖狐は答えながらも、


 ――ズ、ズゥ……


 と、こんどは、どんぶりを傾け、スープを飲みにかかる。

「……」

 ジェラート大佐が、


 ――ピ、タリ……


 と、一瞬、固まったように止まる。

 殺意の、若干こもった目――

 話を、再開して

「その……、君の仲間たちを、雪崩に巻き込ませて、皆殺しに――」

 と、ジェラート大佐が、脅しにかかろうした。

 その時、


「うん。別に、いいんじゃね?」 

 

「――は?」

 と、ラーメンを間食した妖狐から出てきた驚くべき言葉に、ジェラート大佐が思わず、ポカン――とした。

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