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【追跡、こだま317号】  作者: 石田ヨネ
第七章 決着、解決へ

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50/53

50 君は、【31】派、なのかい? 【17】アイスじゃなくて?




          (5)





「ふ、む? 【31】アイスは、無いのか――?」


 と、妖狐の神楽坂文は、冷界人のボスこと、ジェラート大佐と対峙していた。

「おや? 君は、【31】派、なのかい? 【17】アイスじゃなくて? でも、そんな、しょっちゅう売ってないでしょ? 自販機とか、で」

 と、ジェラート大佐が、【17】アイスを手にしながら言う。

 すると、

「ふぅ……、やれやれ……」

 と、妖狐は、ため息を交えながらも、


 ――スッ――


 と、“ナニカ”を取り出した。

「なっ――!?」

 ジェラート大佐と、

「あん……?」

 と、ムカイが、まず声をあげた。

「そっ、それは――!?」

 ジェラート大佐が、驚愕してみせながら指さした先――

 妖狐の手には、【苺・抹茶・ティラミス】の【ハーゲンダッツ】――

 それも、片手でつまんでヨシッ――!! なおかつ、鉄火場で食べるのにも便利な、クリスピーサンド・タイプがものがあったのだ!!

「フッ……」

 と、ハーゲンダッツ片手に、妖狐は、【ドヤ顔】をしてみせる。

 それを見て、

「うっ、わ……!! マウントとられたし!! ハーゲンダッツがあるからって、【31】アイスも、【17】アイスも興味ないって!! めっちゃマウント取ってる、って!! ムカイ!!」

「あぁ”!? 知らねぇよ!! うるせぇな!!」

 と、指さして騒ぐジェラート大佐に、ムカイが苛立った。


 そのようにしながらも、

「それで、だ――? この、妖狐の私が来ちゃったからには、OK牧場か? 貴様たち」

 と、妖狐が、本題の質問を突きつけた。

「うっ、う~ん……」

 ジェラート大佐は微笑しながらも、苦そうな顔で、タラり……と汗を垂らす。

 まあ、冷界人も、汗が出るのか――? との、つっこみどころは置いておきながら。

 妖狐が続けて、

「まあ、とりま、だ……、貴様たちの、目的を教えるのだ」

「……」

 と、ジェラート大佐は、ヘラヘラした表情を苦そうにしながらも、まだ答えずに、続きを聞く。

「今回の件――、貴様たちは、本当に、【東京まで侵攻】するのか? それとも、そうでなくて、何か、【別の意図】があるのか?」

「う~ん……、微妙に、ちょっと嫌な質問を、してくれるねぇ……」

「ぶっちゃけ? 東京まで侵攻は、可能なのか? 冷界人の、貴様たちの力で?」

「あ、あ……?」

 と、ジェラート大佐は、



「――まあ、“できる”よ」



 と、間を置きながらも、さらり――と答えた。

「……」

 と、妖狐が、某チェーンソー男のマンガのキャラのように、【グルグルに渦を巻いた瞳】で、ドヤ顔のまま沈黙する。

 なお、ハーゲンの、苺抹茶ティラミスのカラフルなクリスピーサンドを、ちゃっかり口にしつつ。

「ちょっと……、君と、あの【パパ活コンビ】との戦闘に“使っちゃった”から、一時的に、兵力は減ったけどさ……、基本的に、僕らは、ね? これくらいの寒気、豪雪があれば、それを“もと”にして、兵力を短い間に、倍々に増加することが可能だよ」

「もとが……、極低温、氷だからか? 」

「そっ、そゆこと♪」

 ジェラート大佐が、妖狐に答える。

 なお、【こちら世界】の生化学や分子生物学的には、どういったメカニズムで、【冷界人】たちが、その【身体】を成り立たせているのか――? という点は、さっくり無視しながらであるが。

 

 それはさておき、

「それで、僕たちは、“即座に”叩かない限り、“ある程度の規模”まで拡大したら、さ――? 君たちの、いや、人間たちっていったほうがいいかな――? の通常兵器を使った軍隊くらいじゃ、勝てないくらいになる――」

「ふ、む……」

「それで、【飛び石作戦】だった、かい? そんな感じで、ここから名古屋、静岡と、どんどん東へ勢力を伸ばしていけば……、そう、だねぇ……? たぶん、二日もかからないくらいで、東京まで、占拠できるかもね♪」

 と、ジェラート大佐が、冷たい微笑まじりに話す。

 しかし、

「それが、もぉ~……」

 と、ジェラート大佐は微笑まじりの顔から打って変わり、「やれやれ」と、ため息しながら、

「……」

 と、ドヤ顔のまま、ハーゲンを咥えて黙る妖狐。

 間を溜めながら、


「――君のせいで、いま、台無しになっちゃうところだよ」


 と、ジェラート大佐が、「もう、勘弁してよ」の顔して、続きの言葉を言った。

「ふむ。まあ、仕方がなかろう」

「まあ、ね」

 と、「まあ、そう言うな」という妖狐に、ジェラート大佐が相づちして、 

「【想定】は、していたことなんだけどね……。西京や、いま、ユキノと戦ってる女の――?」

「ああ、【更年期】のヤツな」

「更年期って、っど……! タヌキさ、あっ――?」

 と、ジェラート大佐はツッコミながらも、【タヌキ】と言い間違えに気がつき、

「ふむ。次、【タヌキ】と言ったら、しばくぞ? 貴様」

「ご、ごめんごめんっ……! ごめんって、」

 と、手をワシャワシャして詫びる。

 本題に戻って、

「まあ、【彼らのような異能力者】が、そうだねぇ……? 【20人】近くとかで、自衛隊のバックアップもある状態で来たとかになると、すこし話は違ってくるけど……、そうじゃない限りは、何とかなると思ってたからね」

 と、ジェラート大佐は、また、冷たい微笑まじりに話す。

「ほう? 【20人近く】、とな――?」

 妖狐が、その数字に反応すると、

「うん。この数の人間、出せるかな? 西京たちの、組織からさ?」

「はぁ、」

「今回の、パパ活コンビが僕らを調査するのを見たかぎり……、よほど、前もって首尾よく準備できてない限り、難しいでしょ?」

 と、西京たちの調査から逆算して、ベイズ推定のように言うジェラート大佐に、

「……」

 と、妖狐は、すこしドヤ顔したまま、沈黙を保つ。

「……」

 と、ジェラート大佐も、意味深に、微笑して沈黙する。


 …………


 と、すこしの間を挟みながら、

「まあ、それは置いといて、さ……?」

「う、ん……?」

 と、注目する妖狐に、

「そこへきて、彼らに、妖力を貸しているんだっけ――? そんな、【ドラえもんみたいな君】が、来ちゃったわけだから、さ? まいっちゃったよ♪」

 と、ジェラート大佐が、【まいっちんぐ】のジェスチャーをして、ヘラヘラした困り顔をする。

 その、ジェラート大佐に、

「ふむ」

 と、妖狐は相づちして、ひと呼吸おきながら、

「――では? どうする?」

 と、聞く。

「そう、だねぇ……?」

 ジェラート大佐は、顎に指をあてて考える仕草をしながら、



「――じゃあ? とりあえず、手合わせしてみよっか――♪」 



 と、ニッコリ――♪ と嗤った。 

 それを合図に、


 ――ジャッ、キッ――!!

 ――ジャッ、キッ――!!

 ――ジャッ、キッ――!!

 ――ジャッ、キッ――!!

 ――ジャッ、キッ――!!


 と、一斉に!! 数多の砲口が――!! まるでマンガのように妖狐へと向けられる――!!

 続けざま!!


 ――ド、ォォンッ――!!

 ――ド、ォォンッ――!!

 ――ド、ォォンッ――!!

 ――ド、ォォンッ――!!

 ――ド、ォォンッ――!!


 と、まるで火のように!! 雪煙やダイヤモンドダストを噴く――!!

 その、火力というか、極低温の力――!!

 例えるなら、ハワイの吹き出し流れる溶岩をッ!! すべて冷し!!凍りつくしかねないほどのものであるッ――!!

 そんな、【手合わせ】どころでない総攻撃の様子を見て、

「おいおいっ? こんな、手当たり次第の、一斉攻撃……、ドラゴンボールなら、【効いてないフラグ】だぞ?」

 と、まあ、どこで知ったのだろう――? ムカイが言った。

「でもっ!! もう、こうするしかないじゃん!! 相手、妖狐だよ――!?」

 ジェラート大佐が、ヘラヘラ顔ながらも、半ばヤケクソ顔まじりに訴えた。

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