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【追跡、こだま317号】  作者: 石田ヨネ
第七章 決着、解決へ

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48/53

48 は――? バカなの!!




          (4)




 場面は変わって――

 ふたたび、山の下から上へ、妖狐の指した雪山の中腹でのこと、

 警察の誇る異色組織、特別調査課の室長こと松本清水子に、冷界のボス、ジェラート大佐の秘書こと黒づくめの女――、ユキノが迫る

「くっ――!?」

 瞳を開く松本の眼前に


 ――ザザザッ――!!


 と、ユキノが一瞬で迫る!!

 構えた対戦車ライフルか――、バカでか重火器がこちらへ向けられ、そして!!


 ――ド、ォォォンッ――!!!!!


 と、距離をつめながらもブッ放す!!

 常人、超人クラスの軍人、アスリートでも避けがたいコンマ秒――!!

 だが

「ちッ――!!」

 と、松本は舌打ちしつつ、銃口とその射線から身を外しながらも前へと飛び込む――!!

 そして、外した弾丸が、


 ――ゴ、ォォンッ――!!!!


 と、もはや弾丸の威力でないだろう!! 炸裂し!! また極低温、凍り漬けの花火が咲く!!

 また、間へ飛び込みながらも着地着雪しながらも松本は体勢を崩さず!! そのまま大きく前へ距離をつめる!!

「――!!」 

 ユキノが目を見開く!!

 銃口、砲口を構え迎撃しようとするも、距離をつめた松本がすでに攻撃態勢にはいっていた!!

 そして!! 

「フン、ヌッ――!!」

 と、構えた軍用スコップあるいは軍用シャベルを、

 ――ブンッ――!! 

 と、目にも止まらぬ速さで振りぬく――!!

 それは剣豪の居合にも勝るものであり!! 本来ならば避けるすべもない!!

 まさに、近接武器としてのシャベルの打撃か斬撃が炸裂する瞬間!! 

 しかし――!!


 ――キ、ィィン――!!


 と、鳴り響いたのは甲高い金属音であった!!

「なっ――!?」

 松本が驚いた先――!!

 そこにあったのは、瞬時にバカでか重火器を持ちかえたユキノが、“それ”を近接戦闘用の武器として構え!! スコップの斬撃を受け止めていたのだ!!

 続けざま、

 ――グィッ!!

 と、ユキノは信じられない力で押しながらも、


 ――シュッ、タッ――!!


 と、大きく後ろへ跳躍して離脱する!!

 ――ズ、ザァッ――

 と、ユキノが着雪しながら、15メートルか、それ以上の十分な距離をとった。

 そのまま、

 ――ジャ、キッ――!!

 と、銃撃戦、近接戦闘の両方に対応できるよう重火器を構える。

 いっぽう、

「何? それ? 対戦車ライフルみたいな?」

 松本はユキノの持つ重火器を見て、聞いてみた。

 その手には、近接戦闘用にスコップしか持ってないものの、次の瞬間には相手の得意であろう銃撃戦をさせない距離につめることができるよう、構えを取っていた。

「……」

 と、ユキノは、松本の問いに答えない。

 まあ、言葉は通じているのだろうが、「答える必要はない」という目を、松本に向けていた。

 そして、


 ――ザ、ンッ――!!


 と、次の瞬間にはユキノは動く!!

「ちっ!!」

 松本は舌打する。

 その間には、ユキノはすでに重量のある重火器を軽々と構え、松本に照準を合わせていた!!

「くっ――!!」

 と、松本は瞬時に判断し、

 ――シュ、タタッ――!!

 と、こんどは横へ跳びながら回避する!!

 本来ならば、その“いた場所が射線の先であり、跳んだ瞬間に、ドゴォォン――!! と、ぶっ放された弾丸が炸裂するはずであった!!

 が、しかし!!

「――!?」

 と、松本は一瞬で気がつく!!

 回避した場所への砲撃が無いということは――!!


「(フェイントかッ――!?)」


 と気がついた時には、時遅しか――!?

 松本の回避行動は予想され、先回りしてユキノが砲口を向けていたのだ!!

 まあ、それも想定はしていたものの、

「ちっ!!」

 と、着雪寸前の松本は舌打ちする中、


 ――ド、ォォン――!!


 と、ユキノは向けた砲口の先から容赦なく放つ!!

「(これ、このまま回避できんし!!)」

 そう一瞬で、松本は半ば無意識的に判断する。

 同時に、シャベルに妖力を込めるや、


 ――キィ、ーン!!


 と、何と――!! 音速を超えて飛翔してくる砲弾を弾いたのだッ――!!

 ただ弾いたとしても、敵の砲弾は死んでおらず方向が変わったのみであり、

「くっ――!!」

 と、松本はまた舌打ちしながらも、

 ――シュ、バッ――!!

 と、松本は大きく跳躍して転がりながらも、爆発から巻き込まれる――、すなわち凍り漬けになるのを回避する!!

 斜め後ろで、

 ――ド、ゴォォンッ――!!!!

 と、やはり極低温の爆発が巻き起こる!!

 同時に、

 ――ズザ、ザァァッ――!!

 と、松本は無様な姿勢ながら、

「う、ぐぅッ――!!」

 と、思わず声が出ながらも雪に飛び込みつつも、驚異的な身体操作と体幹の力か、

 ――く、るっ――!!

 と、転びきらないように、何とか体勢を立て直していた。

 そうして、


「ハァ……、ハァ……、くっ、そ……!!」


 と、すこし息が荒くなる松本と、


「……」


 と、そんな素振りなど微塵も感じさせない黒づくめの女――、ユキノのふたりは、ふたたび、すこし離れた距離で相対峙する。

「くっ……」

 松本は、歯を食いしばりつつも、

「(まだ、戦力差があるか――?)」

 と、相手の力量を認める。

 いちおう、この戦闘服をふくめて、妖狐の力を借りているわけだが、それでも戦力差を埋めれていないのを実感する。

 もうすこし、タヌキのヤツの――、アイツの妖力を使わせてもらおうか――?

 ただ、それでも、妖具・妖力というのを自分たち人間が使う場合、万能と言うわけではない。

 焦って、発動しようとすれば、“それ”はすぐ読まれてしまうだろう。

“悟られないように”、発動する必要がある―― 


 松本は、

 ――スッ――

 と、シャベルをかまえる。

 というか、そろそろ、持ちかえる手間があれど、最初のライフルを持てよという話であるが。

 ただ、松本はこの時、

「(ギリギリまで……、引きつけるか……)」

 と、薄っすらと――、自身の身体に妖力をとおし、何かを発動しようとしていた。

 それを、シャベルで構えるのを見せることで、ユキノに悟られないようにする。

 そして、

 ――ジャ、カッ……

 と、ユキノが砲口を向け、松本がどんな反応しようと逃れられないよう速射しようとした――

 まさに、その刹那に!!

「ッ――!?」

 ユキノが神速的な反応をしたと同時――!!

 

 ――ブッ、シャァァ――!!!!


 と、その足元から!! 先に、西京たちの逃走の際に見せた間欠泉が噴き出したのだ!!

 ユキノはそれを、

「……」

 と、無言で回避する。

 ただ、すこし“喰らって”おり、

 ――ジュ、ワァァ……

 と、ダメージを受けて溶けると思いきや、一瞬で、身体の表面でバリアのごとく――!! 間欠泉が凍ってしまい、さらに細かく砕け、ダイヤモンドダストのようになる!!

 さすがに、このユキノはジェラート大佐らと同じくエリートというべきか、雑兵たちと違って、簡単に溶けてしまうことはない。

 ただ、これによってできた隙というのは、松本にとっては充分な時間であった。

 まさに、電光石火――!!


 ――ザザッ――!!


 と、松本は一瞬で距離をつめていた!!

 そうして、

「――!?」

 目を見開くユキノの眼前――!!

 気がついた時には、松本がシャベルをかまえていた!!

 その打撃力や――!! 相手が人間、並みの怪物であれば、撃で撃破してしまうほどの一振り!!


 ――ブンッ!!


 と、まさに当たらんとする、その瞬間――!!

 しかし、


 ――ジャ、カッ!!


 と、ユキノは一瞬で自在に持ち替え、ふたたびバカでか重火器を近接用の打撃武器にする!!

「ッ――!?」

 松本は、想定していたものの、やはりすこし驚く。

 そして、


 ――キ、ィィンッ――!!


 と、松本のシャベルとユキノの重火器がぶつかり合う音が響く!!

 ユキノは、次には槍のように使いこなしながら、

 ――ドスッ!!

 ――ドスッ!!

 ――ドスッ!!

 と、速すぎる連撃を見舞う!!

「ああっ、もう!!」

 松本が、すこし押されながらもイラ立つ。

 さらに、


 ――ひょ、い――


 と、ユキノは懐から何かを取り出して放った。

 何か、こぶし程度の大きさの、丸いモノ――

 すなわち、シレッ――と出したのは、手りゅう弾だった!!


「は――? バカなの!!」


 松本が、思わず言った。

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