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【追跡、こだま317号】  作者: 石田ヨネ
第七章 決着、解決へ

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43 元祖スターウォーズのハンソロだったか――? のような姿で、カッチンカチン――に、氷漬けにされて




          (2)




 場面は、変わって――

 松本が、シモヘイヘのように潜む雪山の上から、下へ。


 ――ヒュ、ゥゥッ――!!


 と、雪煙を巻き上げるように、風が吹きぬけていく。

 雪が、もう2メートル以上は積もってしまい、関ケ原の新幹線の線路は、まるで雪原のようになってしまっていた。

 新幹線の車両も、すでに3分の2か――、もしくは、それ以上が雪に埋まっていた。

 その新幹線の屋根にも、こんもりと雪が積もっており、車両と線路との境界が消えかかる。

 なお、雪の下には、停電しているのかどうか定かではないが、高圧電流の架線があり、要注意であるが。

 まあ、人間ならまだしも、ジェラート大佐たち冷界人が、それで感電するかは不明だが……

 そんな中、


「……」


 と、新幹線の上、ジェラート大佐は考える。 

 こだま号の旅のときの、ヘラヘラしていた時とは違い、さすがに大佐という肩書だけあって、動じることのない冷静な目で、この関ケ原の戦況を見ていた。

 ただ、その手には、さきほどでスイカバーは無くなってしまったのか、17アイスがあったが……

 それはさておき、ジェラート大佐の思考に、フォーカスしていく――

 さて、どうしたものか……?

 想定外のことが、起きている、か――、否、厳密にいえば、想定はしてなくはない。

 先ほどの、狙撃――

“これ”については、まだ、どうでもいい。

 狙撃を行なったのは、妖狐ではないことは、確かである。

 まあ、西京たちの仲間――、人間だろう。

“それ”に関しては、まったく問題は、無い。

 問題、なのは、



「やっぱ、タヌ――、ろっとぉ……? キツネさん、かぁ……」



 と、ジェラート大佐は、思わず言葉にしてみた。

 なお、彼も、キツネというべきところをタヌキと言いかけてしまったので、“この言い間違い”というのは、もうデフォルト的なものなのだろう。

 まるで、ドラえもんのことを、タヌキと呼ぶように。

 それはさておき、本題に戻る。

 ジェラートは、妖狐という存在が居ることを、こちらの世界に来る事前には、知っていた。

 弱体化したといっても、大長編のドラえもんの秘密道具のようなことをやってのける、充分にチートクラスともいえる妖力。

 冷界人である自分たちを以ってしても、その力は、恐るべきものである。

 その妖狐が西京たちの側について、こちらに来ているのというのは、ほぼ確実であり、それに対しては、当然ながら注意の大半を払わなければならない。

 そうでなければ、西京たち――、人間たちのみであれば、とっくに氷漬けにするかどうにかして、もう片付いているだろう。

 もしかすると、“自分たちの側”に取り組んで、捕虜、兵隊としてやっているかもしれない……

 そこまで、思考を整理していたところ、


 ――ザ、ザッ……


 と、雪の音がした。

 ジェラートは“そちら”へ振り向くなり、

「あっ――? ム、カイ~! お、そぉ~い、って!」

 と、「もぉ~!」とオネエのように、ふざけて言ってみせる。

 その、ジェラートの先――

 そこには確かに、何か昔のレトロな軍服のような雰囲気になった、国鉄時代の制服を身にまとったムカイの姿があり、

「ああ”? うる、せえな」

 と、嫌そうに顔をしかめながら、こちらにやってきた。

 ムカイが、ジェラートのそばに立つ。

「おい、戻ってきたぞ」

「うん♪ ありがとー♪」

 改めて告げるムカイに、ジェラートは礼を言った。



          ******



 ここで、また場面は変わる。

 また、下から上へと――

 新幹線の埋もれる、東海道新幹線の関ケ原近辺の線路を見下ろす、雪山の中腹にて。

 室長、松本清水子であるが、


「……」


 と、ジッ……と、無言で、シモヘイヘまがいに雪に身を隠しながら考える。

 しっかし、何だったんだろうか――?

 先ほど、連中の頭である、ジェラート大佐とやらを狙撃してはみた。

 まあ、案の定、異界人の彼らに相応ふさわしいというべきか――? 狙撃したのを、あろうことか――? 軽く、避けてみせられたが。

 まあ、その代わりにといってはアレだが、彼の持っていたスイカ・バーに大穴を開けてみせたのだが……

 ただ、それよりも驚くべきなのは、彼の、秘書なのだろうか――?

 隣にいた黒づくめの女から、ほぼ同時と思わせる速さで――!! それも、対戦車ライフルのようなバカでかい重火器から!! 精密かつ、恐ろしいほどの速射で反撃が返って来たのだ!!

 さらには、その反撃を合図として、彼らの砲兵からも、即座に砲撃されたわけである。

 まあ、それは、何とか回避することはできたのだが……

 そうでなければ


「……」


 と、松本が、チラリ……と見た先――

 そこには、まるで、“花火を爆破したのを凍らせた”かのように――!! 滴り枝垂れるように!! 砲弾が炸裂した一帯が、つるっ、つるにッ!! 完全に凍りついていたのだ!!

 もし、“それ”が直撃してしまえば、元祖スターウォーズのハンソロだったか――? のような姿で、カッチンカチン――に、氷漬けにされてしまっていたことだろう。

 まあ、この、タヌ――、妖狐が具現化した戦闘スーツがあるから、ある程度は防げるのかもしれないが……

 ちなみに、この戦闘スーツのことである。

 まるで、初期ドラえもんに出てくる秘密道具『電光石火』のような力が、鼻くそレベルででも備わっているのか――? いざという時に、速く動けるという。

 着て、実際に動いて見ても、“その実感”はある。

 まあ、そうでないと……、こんな、たかだが一般異能力者ひとりが、雪と冷気を味方にしたジェラートたちに太刀打ちなどできないだろう。

 戦闘になった際、雪に足を取られて、すぐに積んでしまうかもしれない。

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