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【追跡、こだま317号】  作者: 石田ヨネ
第六章 関ヶ原、雪中戦

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33/53

33 というか、先ほど確認したとおり、軍事作戦レベルのことをするよ♪




「もう! ぱぱっ――! とやって終わって! 30分で、5万だよ!」

 90年代か00年代のサーファ系ギャル男風の理事長の郷田が、機嫌悪そうに急かす。

「さっ、30分ですか!?」

「何か、急かしているのかようで、余裕与えているのか分からない時間ですけど」

 群麻と、無二屋は答えるも、

「それでさぁ? これで、何もなかったらさ? アンタたち、どうしてくれんの?」

「い、いやぁ……」

「それは……」

 と、郷田からプレッシャーをかけられる中、調査を進めていくより他ない。

 そんな風にしつつ、今までの被害者たちのリストあげたり、彼らの治療について聞いたり、またあるいは、

「……そのぉ、逆に、何か? 郷田さんに対して恨みを持った人物とか? 心当たりはないですか?」

 と、群麻が、少し趣向を変えて聞いてみた。

 被害者がすべて郷田歯科の客ということから、郷田もしくは院内の誰かが犯行に関わっているという説はもちろんのことだ。

 また同時に、何者かが郷田をめようとしているという可能性もある。

 ゆえに、この両輪で以って、調査・捜査を進めていく必要があると思ったからだ。

「恨み? ……そんな? ないない! 俺は、聖人君子だからさ? アポロン(太陽神)だからさ? そこんとこ、ヨロシクゥ!」

 郷田が、白い歯を見せてスマイルする。



※『シン屋根裏の散歩者』より





 また、ジェラート大佐が聞く。

「それで、さ? 君たちは、僕たち、異界の者が“こちらの世界”に来たとの情報を何らかのルートで手にして、尾行してたのかな?」

「ああ……、そのとおりだ」

 西京が、答える。

 続けて、

「そう、僕たちは、君たちから見て、異世界の者に当たるだろうね。冷気、雪を操作できる――、まさに、冷たい世界の、冷界の者といったところか……」

 と、ジェラート大佐が言うのを、

「……」

 西京と、

「……」

 と、瑠璃光寺が、沈黙のまま聞く。

 その、“冷界”という発想というか予想は、おおむね合っていたことにはなる。


 しかし、ここで、

「――で? まさか、“ここまでのこと”をするとは、思っては無かった――。そんな感じ、かな?」

 ジェラート大佐が、突きつけるように聞いてきた。

 その表情は微笑まじりながらも、どこか、心底の冷たさを感じさせながら。

「「……!」」

 西京と瑠璃光寺のふたりは、まだ無言のまま、一瞬驚く。 

 確かに、今回のジェラート大佐たち、冷界人が、どのような力を、ポテンシャルを持っているのか――、それを、東京の特別調査課に残っている松本や零泉たちにシミュレートし、見積もってもらってはいた。

 しかし、その予想というのは、こうした現実を前にして、少し甘かったことになる。

 

「……」

 西京は、ジェラート大佐たちの動きに、細心の注意を払いながらも、

「それで……? お前たちは、どうするつもりなんだ……? その、目的は?」

 と、意を決したように、核心となる質問をしてみる。

「おっ? お決まりの質問だね~♪」

 ジェラート大佐は、「来ましたか♪」と云わんかの顔で、

「まあ、いいよ♪ 目的は、ちょっと言えないかもしれないけど、さ? 少なくとも、どうするつもりか――? “そっちのほう”は、教えてあげようかな♪」

「大佐、」

 とここで、秘書の女がさすがに制止しようとするも、 

「まあまあ♪ いいじゃん、これくらい♪」

 と、呑気そうに言うジェラート大佐に、「はぁ、」と溜めいきしたそうな顔するより他なかった。


 そうして、まずジェラート大佐のほうが質問する。

「たぶん、君たちのほうで、さ? 僕たちに関する仮説を立てて、シミュレーションとか、してないかい? 僕たちが、雪や冷気から、自分たちの兵隊、兵器をつくることができる――。“それら”を以って、この豪雪の関ケ原から、軍事作戦レベルの規模の攻撃を行うことも可能だ、と――」

「あ、あ……」

 西京は、半ば驚きまじりに頷く。

 ジェラート大佐たち、彼らも、何か強力な調査組織だったりエージェントを以って、自分たちのことを調べていたのだろうか?

 ただ、「たぶん」と言ってたのを鵜吞みにすると、そうした調査や情報蒐集をしているわけでなく、今のは、ジェラート大佐自身の推測に基づいて話したのだろう。

 そうすると、自分たちの組織だったり調査に関する動きを、わりと正確に推量できていることになる。


 そのジェラート大佐が、続けて、

「――で? 僕たちを追っている中で、君たちと仲間は、その“予想”の核心を、強めていった――」

「あ、あ……」

 西京が、ゆっくりと頷く。

 その西京を見ながら、ジェラート大佐の微笑が、より冷たくなって、

「――だけど、こうして……、今、この現場にいるのは……、たかだが、君たちだけだよね?」

 と、確認するように聞いてきた。

 そうして、突きつけられた問いに、

「……」

 瑠璃光寺と、

「……」

 と、西京も無言のままで、すぐに返せる言葉が出なかった。

 まさに、そのとおりだからだ。

 対して、ジェラート大佐が、

「ゆえに、君たちの組織には……、それほど、マンパワーというのは無いし……、 また、軍――、自衛隊と連携して、僕たちのような存在に対して、すぐには対処することもできない――」

 と、より踏み込んで話す。

「……」

 西京は、沈黙する。

 これも、ジェラート大佐の言うとおりであるからだ。

 そうして、


 …………


 と、暫し、両者は沈黙して対峙する。

 その、沈黙を破って、

「――それで、目的は……? いったい、何なんだ?」

 西京は、まだ聞いてない彼らの目的を聞こうとした。

 こちらが断然不利な状況であるにも関わらず、何とか平静さを装いながら。

「おっ? 僕たちが、これからどうするか――? っていうのは、まだ話して無かったけど……、まあ、それは、君たちもシミュレーションできちゃうことだからねぇ……? ――というか、先ほど確認したとおり、軍事作戦レベルのことをするよ♪」

「すなわち、この、豪雪地帯から、お前たちの兵力をつくり出す……。それが、今回の大雪に乗じて、その増強した兵器と砲撃で、周辺の大阪・名古屋の都市圏へと攻撃を広げる――」

 と、確認するように聞く西京に、

「おっ、そのとおり♪ ご名答だね♪ その予定だよ」 

 と、ジェラート大佐が、ニッコリと答える。



※読んだら感想欲しいのだ! 拡散して欲しいのだ!

※貶し、罵り、ダメ出しバッチこいなのだ!(ずんだもん風に)

とりま、こんどからむっちゃ書く、コンドーム精神で受け止める。

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