表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

第02話 妖斎王ナリーマ・シホ

●登場人物紹介

ナリーマ・シホ 女神『ダ』に仕える斎王。118歳。女性。

侵入者 女神『ダ』の神域に侵入した謎の存在。

 中央大陸の東を縦断する飢餓山脈が雨雲を遮り、雨を降らし東渤海王国に豊かな恵みをもたらしている。


 東渤海王国王家は代々、豊穣と愛の女神を信仰し国民も国教として豊穣と愛の女神『ダ』を信仰している。


 東渤海王国は、女神『ダ』の加護の為、穀粒、茎、根茎の全てが食用になる盗人稲は毎年の様に、豊作が続き、生きる肉塊、視肉(しにく)も順調に生育して王国の国民は飢える事無く豊かに日々の生活を楽しんでいた。


 王国の繁栄は、豊穣と愛の女神『ダ』加護のお陰たが、女神『ダ』の和魂(にきたま)は作物の豊穣と愛情を司る温和な女神だが、裏の貌ともいえる荒霊(あらたま)は穢れなき乙女の魂を生贄として捧げる事を信者に強い、人々の倫理観さえ麻痺させる性愛を司る荒ぶる女神でもある。


 東渤海王家の歴代の王達は、潤年の元旦に荒ぶる女神『ダ』に穢れなき10名の生娘を供物として女神『ダ』に差し出し、称える狂宴を開催する事で荒ぶる女神をなだめ、王国内の毎年の豊作が約束されていた。


 潤年以外は、元日に10名、夏至と冬至に5名、潤年以外は夏至と冬至に穢れなき乙女を供物として女神『ダ』に捧げている。


 記憶や記録は定かでは、無いが、何時の頃からかシホ王家の処女姫が、純潔を守り生涯、豊穣と愛の女神『ダ』に斎王として使えるのがシホ王家の習わしだ。


 女神『ダ』の神託で斎王に選ばれた乙女には、生涯に渡り純潔を守り女神『ダ』に仕える代償として神妖力と不老長寿を得て、長い長い歳月に渡り生殖と性愛を司る荒ぶる女神『ダ』に仕える。


 女神『ダ』に斎王に選ばれた乙女は、『ダ』の眷属の妖弧と合体、歴代斎王の魂と神妖力、記憶、知識をその身に宿す事で不老不死と、神妖力を得て生殖と愛欲を司る女神『ダ』を祀る妖斎王となる。


 ナリーマ・シホは18歳の誕生日に、女神『ダ』の神託により、先代の8代目斎王の魂も含めて9名の斎王の魂を穢れなき身体に、宿して荒ぶる女神『ダ』に仕える妖斎王となった。


 普段のナリーマは、複雑に結い上げた黒髪の下に切れ長の目と細身で控え目な胸の身体に着物ドレスを纏った美女だが、正体は狐耳と臀部から9本の尻尾が生えた半人半妖の妖狐である。


 女神『ダ』に仕える歴代の斎王の中でも最強の神妖力を誇り、中央大陸で最強の妖術使いと人々に噂されるナリーマ・シホは戸惑っていた。


 ナリーマは100年以上を女神『ダ』に仕える眷属して斎王として過ごしているが、118年の半生で、彼女のより、妖力、魔力に勝った魔法使い等の術者に出会った事は無かった。


 もし、ナリーマの妖力、魔力を超える相手がいるとすれば、伝説の魔法使い、貌なきイア・オタカただ1人。


 貌なきイア・オタカは飢餓山脈の最高峰、星犬山の麓に広がる人食い樹海の溶岩窟に居を構えると伝えられる魔導士でる。


 深淵なる知識と魔法の探求の為に様岩窟に籠り滅多に人前に姿を現す事も無く、約1万年前に神々の怒りにふれ大聖洋に沈んだと伝えられる伝説の大陸アリムア時代より人知れず魔法の探求続けていると人々に伝えられている伝説の賢者であり、妖斎王ナリーマは人知を超越した魔法で数々の奇跡を起こしたと伝えられる大魔法使いイア・オタカは子供達を楽しませ、躾ける為に創作したお伽噺の登場人物だと思っていた。


 異界より現世を侵食した異形神々を封印したとか、数千の大軍を風魔法での竜巻で一瞬で大空高くに吹き飛ばしたとか、東渤海王国のみならず全世界を股にかけて、絶世の美少女・美女を拉致・誘拐しては、人食い樹海の彼の本拠地、貌なき魔導士の迷宮に連れ込み、地下後宮(ハーレム)を築いているとか、お伽噺に相応しい話が、尾ひれ背びれを付けて東渤海王国の民の間に流布されていた。


 特に貌なき魔法使いが美少女、美女を攫い、後宮を築く話は、馬鹿々々しい作り話としてナリーマは、頭から信用はしていなかった。


 彼女自身が、生涯に渡り純潔を守り女神『ダ』に仕える事と引き換えに、強大な神妖力と不老長寿の身体を得た様に、魔女、魔法使い、妖術師、錬金術師等の術者は、生涯を異性と契る事なく童貞や処女を守り通す事で、強力な魔法を使いこなす事が出来るのである。


 肉欲の誘惑に負け一度でも異性と契った魔女、魔法使い末路は魔力を失い、もしも魔力で若さを保っていた場合は、若さを失い実年齢に戻るか、身体が塵となり消え失せる事に成る。


 生殖と性愛を司る荒ぶる女神『ダ』に仕える斎王で有りながら、ナリーマは異性とも同性と契った事は無い。


 彼女が異性と契れば、九尾の妖狐として人外の領域に踏み入れ、ほぼ人間である事を辞めているナリーマが、18歳の現状からは年老いる無いと思われるが、神妖力を全て失う事は間違いない。


 敬虔な信者達(東渤海王国の領主一族の男達、王国内の裕福な商人、王家の家臣、騎士達)を安全な地下壕へ避難させた後、親衛隊の巫女兵達を護衛に付けて監視式神から実況される仮想幻術に見守るのだが、映し出された大広間の空間に大画面で映し出された映像は、俄かに信じがたい映像だった。


 強力な土偶兵が、生身の人間には決して倒せない土偶兵が木端微塵に打ち砕かれ無残な破片と成り、神殿に通じる参道に無残に打ち捨てられていたのである。


 生き残っている土偶兵は、頭巾の付いた墨染めの作務衣(さむい)を纏った侵入者に両手を伸ばし雷撃で攻撃を続けるが、侵入者を守ると透明な障壁に守られ雷撃が墨染めの作務衣に届く事は決してない。


 侵入者からは破邪の光が、広がると生き残った土偶兵も木端微塵に打ち砕かれた。


 頭巾を目深に被り墨染めの作務衣を纏う小男は、静かにしかし確実に大聖洋に突き出た岬、『夕陽ヶ丘』に聳える女神『ダ』の神殿に歩みを進めた。


 そして、強固な意思て己の目的を阻む全ての障害を排除して歩みを進める。

この作品はフィクションであり、実在する、人物・地名・団体とは一切関係ありません。

誤字、脱字だらけの拙い小説ですが、応援宜しくお願いします。

又、誤字・脱字のご指摘とご感想もお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ