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屋根裏ダンジョン育ちの無名剣士、配信で正体を隠したまま無双する  作者: 剣竜


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第三話 少女たちとの出会い

 哲人はジャイアントクラブを倒した。

 ドロップアイテムとして魔石と甲殻が残ったのだ。

 他の部分は粒子となって消滅した。

 ダンジョンに『還った』のだ。

 魔石と甲殻を回収した彼は警戒しつつ、さらに先へ進むことにした。

 風景は変わらず、鬱蒼とした森が続いている。

 ジャイアントクラブ以降、魔物が現れる気配は無い。


「意外と魔物は少ないのか?」


 そんなことを考えていた時だった。

 突然目の前にウィンドウが表示されたのだ。

 以前手に入れた『探知』のスキルが働いているのだろう。

 本人が意識せずとも発動するのだ。



 ・ゴブリン

 緑色の肌を持つ小型の人型魔物。

 集団で行動し武器や防具を装備する知能を持っている。

 一体のステータスは低いが、群れると厄介。



 この場にはいない魔物のデータが表示される。

 この『探知』のスキルは一定範囲内の魔物のデータを表示する。


「なるほど…」


 ウィンドウは『複数』表示された。

 つまり、この先にゴブリンの群れがいるということか。

 彼は剣を構えながらゆっくりと歩いて行くことにした。

 すると、大きな岩の陰から複数のゴブリンの姿が見えた。

 緑色の肌をした小人のような見た目をしている。

 手には棍棒のようなものを持っており、それで武装しているようだ。


「あれがゴブリンか…」


 初めて目にするが、その容姿は想像していたよりも小型だっだ。

 しかも、数は十体ほどいる。

 レベルは低いが、数が多いし武器も持っている。

 複数相手の戦闘はしたことが無い。

 勝手がわからない以上、とりあえずは避けるのが無難か。

 そう考えていたその時だった。


「あれは…?」


 ゴブリンの群れの中に何者かの姿が見える。

 別のダンジョン探索者の少女だ。

 彼女は剣を構え、ゴブリンたちと戦っている。

 しかし、劣勢のようだ。

 そんなことを考えているうちにも彼女はどんどん追い詰められていく。

 このままでは危ない…!


「ええい!」


 彼は覚悟を決めた。

 そして彼女を助けるべく走り出したのだ!。

 すると、少女と戦っていたゴブリンたちはターゲットを哲人に移した。

 彼に気付いたようで一斉に襲い掛かってきた。


「うわっ!」


 慌てて剣を構え防御の姿勢をとる。

 しかし、ゴブリンたちの攻撃はどれも大した威力ではなかった。

 今の彼のレベルは40、レベル一桁のゴブリンなど敵では無い。

 彼は簡単にその攻撃を受け止めることができたのである。

 そしてそのまま反撃に移った。

 一体ずつ確実に倒していくことにしたのだ。


「ええい、ままよ!」


 …数分後には全てのゴブリンを倒すことができたようだ。

 彼女は無事だろうか?


「痛ッ…」


 そう思って辺りを見回すと少し離れた場所に座り込んでいた。

 どうやら怪我をしているようで、足を押さえているようだ。

 哲人は彼女に話しかけた。


「大丈夫か?」


「ええ、ありがとう…」


 彼女は弱々しく答えた。

 どうやらかなり消耗しているようだ。

 とりあえず応急手当だけでもしたほうがいい。

 荷物の中に包帯や薬などを入れておいたはず、そう考えた時である。


「そういえば…」


 レベルが上がった時、天の声が

『おめでとうございます。スキルポイントを1獲得しました』

 と言っていたのを思い出した。

 ダンジョン内でスキルポイントを消費することで、新たなスキルを獲得できる。

 …とネットで買ったダンジョン攻略本に書いてあった。


「(試してみるか?)」


 いまいちスキルポイントというものがわからず、今まで放置していた。

 今こそ使うべきではないか?

 そう考えた彼はスキルポイントを消費し、スキルを得ることにした。

 得るスキルは回復の能力だ。



【スキル:回復魔法を獲得しました】


 頭の中に声が響いたのだ。

 あの屋根裏ダンジョン以外でも鳴るのか。

 他の内容でも鳴るのだろうか?

 彼は混乱しつつも再びステータス画面を確認した。

 すると、そこには確かに新たなスキルが追加されていた。


「えっと、怪我をしているなら治療しようか?」


 彼は思い切って話しかけてみた。

 すると彼女は少し驚いたような表情を見せた後、小さく笑った。


「どうも…」


 彼女から軽く話を聞くことにした哲人。

 まず、彼女の名前は、なで子と言うらしい。

 歳は十七歳、最近流行っている『ダンジョン配信者』をしているという。

 そんな年齢でダンジョンに潜る者がいるとは知らなかった。

 なんでも、ダンジョンの中を探索してその様子を配信するのが流行っているそうだ。


「今日はダンジョンの下見のつもりだったんだけど、ミスっちゃってね」


「(知らないことばかりだ…)」


「それにしても、あなたは一体なにもの?」


 なで子は言った。

 無理も無いだろう。

 今の哲人の姿は真っ黒なローブに不気味な仮面という出で立ちなのだ。

 そして40以上という異常な高レベルだ。

 この姿だけ見たら、完全に怪しい人物だ。

 しかし、本当のことを言う訳にはいかない。

 レアダンジョンでレベルを上げただけの初心者とは言えないし、信じてももらえないだろう。


「ただの通りすがりの者だよ。君が戦っているのが見えたから助けに入ったんだ」


 彼はそう答えた。

 あまりにも説明不足だとは思うが仕方がないだろう。

 しかし、なで子はそれ以上追及してくることはなかった。

 彼女はしばらく考え込んだ後、意を決したように言ったのである。

 どうやら何か言いたいことがあるらしい。


「実は友人も一緒に来てて…」


 なで子は言った。

 どうやら彼女は友人と二人でダンジョンに潜っていたらしい。

 しかし、途中で逸れてしまい迷子になっているそうだ。


「助けを呼びに行こうにも帰り道がわからなくて…」


 なるほど、そういうことだったのか。

 つまり、一緒に来て欲しいと頼んでいるわけだ。

 確かに一人でいるのは心細いだろう。

 それに彼女はかなり疲弊している。

 怪我もしているように見える。

 そんな状態で放っておくわけにもいかないだろう。


「わかった。一緒に探そう」


「ありがとう!」


 なで子の友人を探すことに。

 このまま一人で帰すわけにもいかない。

 なで子の友人を探すため、哲人は彼女と一緒に行動することにした。

 まずは彼女の友人がどこにいるのか探さなくてはならないだろう。

 しかし、闇雲に探すのは効率が悪いし危険だ。

 とりあえず探知スキルを使うことにした。



 探知結果・半径100m以内に3つの反応があります。



 三つということは、なで子の友人がこの近くにいるということだろうか?

 しかし残り二つはなんだ?

 そう思って辺りを見回すと、少し離れた場所に洞窟のようなものがあるのに気づいた。

 洞窟の中に入る二人。

 しかし…


「うわっ!」


「きゃっ!」


 二体のジャイアントクラブに後ろを取られてしまった。

 先ほどの探知に反応していたのはこの魔物だったのだろう。

 大量の泡を吐き、こちらを攻撃してくる。


「このっ!」


 彼は剣で泡を切り裂いた。

 しかし意味が無い。

 圧倒的なレベル差があるものの、泡により息が出来ない。

 このままだと窒息して死んでしまうかもしれない。

 なで子も同じだ。

 と、その時だった。


「ッ…!」


 突如、突風が吹いたかと思うと泡が一瞬にして霧散したのだ。

 一体何が起きたのか理解できなかった。

 と、そこに…


「おじさん、本当にレベル40?」


「おじさん!?俺はまだ…」


「そういうのいいから」


 そう言いながら現れたのはなで子の友人の少女。

 どうやら彼女が助けてくれたらしい。

 その姿はまるで忍者のような格好をしている。

 手には短刀を握っている。


「なで子も、あたしから離れないで」


「ははは…ごめんユキ」


 なで子は苦笑しつつ謝る。

 すると友人の少女『ユキ』はため息をつくように言ったのである。


「とりあえず、この蟹を倒してから話そうか」


 そう言いながらユキは短刀を構え、ジャイアントクラブへと向かっていった…

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