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屋根裏ダンジョン育ちの無名剣士、配信で正体を隠したまま無双する  作者: 剣竜
第一章 ダンジョン配信編

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第十九話 ドラゴンと戦ってみた

 その後もダンジョン探索は順調に進んでいった。

 レアなアイテムをユキが見つけてくれる。

 なで子とテトラの連携もバッチリであり、特に問題もなく進んでいくことができた。

 そしてとうとう最深部に到達した。


『いよいよボス戦か!』


『まあこのメンツなら楽勝だな』


『おお』


 視聴者たちもかなり盛り上がっている様子だ。

 それもそうだろう。

 しばらく待っていると扉がゆっくりと開き始めたようだ。

 目の前に広がるのは、商業ビル群を模したダンジョン。

 雑居ビルが立ち並び、その間を縫うように道路が走る。

 一見するとダンジョンとは思えぬ光景。

 しかし、そこにヤツがいた。


『グオオオオオオオオオ!』


 中から出てきたのは巨大なドラゴンだった。

 咆哮を上げるその姿はまさにファンタジー作品に登場する王道的なドラゴン、といった風格を漂わせていた。

 体表の色は燃え盛る炎のような赤色をしており、鋭い牙や爪を持っている。

 とても凶暴な魔物であることが伺える。


『なんだ?』


『マジかよw』


『かっけぇ!』


 盛り上がるコメント欄。

 しかし、それとは逆になで子とテトラは

 不安そうな表情を浮かべていた。

 無理もないだろう、なにせ相手は強力なモンスターなのだ。

 勝てるかどうか分からない相手を前にして緊張しないわけがない。

 そんな中で最初に動いたのはテトラだった。

 彼女は水属性魔法を発動しドラゴンに向かって攻撃した。

 しかし、あまり効いている様子はないようだった。

 それどころか反撃を受けて吹き飛ばされてしまった。


「ウェッ…」


『大丈夫か!?』



 心配の声が上がる中、なで子もまた魔法を放ったのだがそれも効果はない。

 それどころか反撃を受けてしまいダメージを受けてしまう。


『やばい』


『これは強いぞ…』


 視聴者たちも焦っている様子だ。

 このままでは全滅してしまうかもしれないと思ったその時だった。

 テトラが立ち上がったのだ。

 どうやらまだ諦めていないようだ。


「わたくしは結晶戦姫テトラ…」


 応援するコメントが流れる中、テトラは深呼吸をして心を落ち着けているようだった。

 なで子もユキも諦めてはいない。

 哲人は彼女たちに言った。


「援護を頼む」


 なで子とテトラは力強く頷いてくれた。

 哲人は剣を構えるとドラゴンに向かって駆け出したのである。

 応援してくれる視聴者たちのためにも負けるわけにはいかない。

 そう思いながら哲人は剣を振りかぶる。

 しかし、ドラゴンはその攻撃を軽々と避けてしまった。


「うおっ!?」


 ここまで大きな魔物とは戦ったことがない。

 以前、日本海の新ダンジョンで戦った首長竜よりもさらに大きいのだ。

 そんな魔物が、ここまでの速度で動けるとは思っていなかったのだ。

 そしてドラゴンは大きく息を吸い込む動作を見せると口から炎を吐き出した。

 その威力は凄まじく一瞬で辺り一面を燃やし尽くされてしまったのだ…


「うっ」


 哲人はレベルが高いから無理やり耐えることができる。

 しかし、他の者は違う。

 ユキとなで子は15にも満たない。

 テトラでも30に届くか、届かないかというレベルなのだ。

 ここで哲人が全て受け止めるしかない。

 しかし、すべてを受け止めることはできない。

 相手の攻撃範囲が広すぎるのだ。


『うわぁぁあ!!』


『大丈夫か?』


『何も見えねぇ…』


 炎上するダンジョンを見て悲鳴を上げる視聴者たち。

 ドラゴンの炎が雑居ビルの間を焼いていく。

 そんな時だった、テトラが魔法を発動したのだ。

 水属性魔法によって発生した水がドラゴンの攻撃を弱体化に成功したようだ。

 これはチャンスだ。

 そう思った哲人は攻撃に移ることにした。

 哲人は再び剣を構えるとドラゴンに向かって駆け出す。

 そして全力で振り下ろした一撃はドラゴンの腹を斬り裂いた!


『グオオォオォ…』


 苦しそうな声を上げながらも反撃してくるドラゴン。

 その攻撃を何とか回避するが、その際に腕を少し掠めてしまったようだ。

 すると傷口から大量の出血。

 痛み自体は大したものではないが、今までこんな出血を経験したことがない。

 一瞬パニックになってしまった。

 しかし…


『大丈夫か!?』


『ポーション飲め』


 視聴者たちのコメントが哲人を正気に戻した。

 ありがたい、哲人は用意していたポーションを飲んで傷を回復させた。

 なで子もユキも何とか回避することができたようだ。

 二人は同時に魔法を発動してドラゴンを拘束したのだった。

 その隙を狙って哲人は剣を振り下ろす。


「終わりだ!!」


 哲人の剣は見事、再びドラゴンを斬り裂いたのだった。

 ドラゴンは力なく倒れた。


『やったぜ!!』


『おめでとう』


『ナイス』


『おお』


『すげぇえええ!!』


『やったぁぁああ!』


 コメント欄も大盛り上がりだ。

 哲人は思わずガッツポーズをしていた。


「よしっ!」


 と声を上げる哲人。

 そんな哲人にテトラが話しかけてきた。


「やりましたね!」


 嬉しそうな笑みを浮かべるテトラ。

 そんな彼女を見て哲人もまた笑顔になるのだった。

 ユキも笑みを浮かべていた。

 視聴者たちの祝福と称賛の言葉が目に入る。

 哲人はそれを見ながら、小さく感謝の言葉を呟いた。


『なんか感動した!!』


『俺もだ!!』


『いいもん見れた!』


『涙でた…』


 などと言ったコメントが流れ始めるのを見て哲人は思わず照れてしまった。

 するとなで子も近寄ってきて哲人に抱きついてきた。


「セラートさん、本当にありがとうございました!」


「いや、別に大したことはしてないさ…」


 と言いつつ内心はかなり動揺していた哲人。

 ドラゴンとのレベル差は数十レベルはあった。

 自分のほうがはるかに高いはずだが苦戦。

 やはり実戦経験の少なさが露骨に反映されてしまった。

 それゆえに苦戦を強いられてしまったのだろう。

 だがなんとか平静を装って答えることができた。


『なで子ちゃん可愛すぎる!!』


『もう結婚しろよ』


 というコメントが流れ始めるのを見て哲人は少し焦ってしまった。

 しかし、そんな哲人の気持ちなどお構いなしに視聴者たちは盛り上がっていた。


『wwwwwww』


 という風に茶化される始末である…

 哲人は恥ずかしさを誤魔化すために話題を変えることにした。

 そうしないと耐えられなかったからだ。

 しかし、そんな哲人の努力は無駄に終わったようで結局最後まで茶化され続けたのだった…


『照れてやんのw』


『かわいいw』


『てぇてぇなぁ!!』


 ユキも隣でニヤニヤしている。

 どうやらこの状況を楽しんでいるようだ。

 一方、テトラは状況がよくわかっていないようだった。

 そんな二人を見て哲人はため息をつきながらも不思議と嫌な気分ではなかったのである。

 むしろ楽しいと思える自分がいることに驚きを感じていたほどだ。


「…ははは」


 少しの照れくささを感じつつ、哲人は先ほどのドラゴンに視線を移す。

 そして倒れたドラゴンの亡骸に向かって鑑定のスキルを使った。

 今の空気を壊さぬよう、誰にも気づかれぬように。


 -------------------


 名前:傷ついたレッサー(劣った)ドラゴン

 レベル:40

 スキル:炎属性強化3、炎熱無効2、飛翔1、咆哮5、物理攻撃上昇3、物理防御上昇2

 ドラゴンクロー、ドラゴンテイル


 -------------------


 そこには先ほど戦ったドラゴンのレベルとステータスが記載されていた。

 それを見て哲人は改めて思ったのである。

 あれほど強かったドラゴンだったが、ドラゴンの中ではかなり低級の存在であるようだ。

 もっと強いドラゴンもどこかに入るのだろう。


「ふぅ…」


 もっと強いドラゴンがどこかにいるのか…

 深呼吸をして気持ちを落ち着かせる哲人。

 しかし今はなで子とテトラ、ユキ、そしてここまで見てくれたたくさんの視聴者と共に勝利を祝おう。

 そう考えつつ哲人は皆と共に笑うのだった


『お、倒したね!』


『おめでとう!!』


『88888』


「ありがとうございます!」


 喜ぶなで子。

 そんな彼女に視聴者たちも祝福の言葉をかけるのだった。

 こうして哲人たちの初めてのドラゴン討伐は終わったのである。

 視聴者たちは祝福してくれているようだ。

 しかし、戦いはまだ終わっていない。

 ユキが言った。


「これ、分解しないと」


「あ、そうか…」


 そう、まだドラゴンの死体が残っているのだ。

 このまま放置しておくわけにはいかない、戦利品集めのために解体しないといけない。

 みんなで協力して解体作業を行うことに。

 最初は手間取ったものの徐々に慣れてきてスムーズに進めることができたのだ。

 素材を全員で分けることにした。

 どこかにいるであろう、もっと強いドラゴン。

 そのことだけが気がかりだった…

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