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屋根裏ダンジョン育ちの無名剣士、配信で正体を隠したまま無双する  作者: 剣竜
第一章 ダンジョン配信編

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第十八話 初コラボ配信してみた

 二週間ほどして、ついにコラボの日がやってきた。

 哲人となで子、ユキの三人は早速指定された場所へと向かうことにした。

 場所は県庁所在地にある大型ダンジョンの入り口付近だった。

 なんでもここで待ち合わせをしているらしい。


「あっ!なで子ちゃん!」


「角…テトラさん、今日はよろしくおねがいします」


 手を振る少女の姿が見えた。

 どうやら彼女がテトラのようだ。

 彼女はなで子と同じくらいの年の少女、服装は動きやすそうな格好をしており、

 背中には大きなリュックサックを背負っている。


「初めまして、セラートさんですよね?」


「ええ、そうですよ」


 彼女が聞いてくるので哲人は笑顔で答えた。

 すると彼女は嬉しそうに微笑んでくれたのだった。


「はい!よろしくお願いします!」


 テトラが元気よく答える。

 そんな彼女を見てユキも笑顔になった。

 どうやら相性もいいみたいだ。

 これなら安心だなと思った。


「あの、もしよろしければお名前を教えていただけますか?」


 そういえば、テトラというHNは知っているが、本名は知らない。

 ダンジョン攻略という、命を互いに預ける戦いをするのだ。

 名前くらいは知っておきたいし、こちらも教えておきたい。


「俺は世良木哲人、セラートで活動してます」


 哲人は自己紹介をした。

 なんだかんだで、本名を知っておくというのは大事だろう。

 テトラも自己紹介をした。


「私は『角田 三沙都かどたみさと』です、普段は『テトラ』で活動してます」


 そういいながら軽く頭を下げるテトラこと角田三沙都かどたみさと

 それにあわせて、後ろにいたユキも軽く頭を下げる。

 その後、準備や軽い打ち合わせをしてダンジョンへと入っていく。


「まあ事前に連絡した通りで」


「はい」


 この二週間の間にある程度の打ち合わせは行っている。

 それの通りにやればよし。

 哲人たちは早速ダンジョンの中へと入っていくことにした。

 県庁所在地の街中にあるというだけあって、ダンジョンの中も都市のような構造になっていた。

 その光景は圧巻としか言いようがないほどである。


「うわぁ、すごい」


 ユキが感嘆の声を上げる。

 哲人も同じ気持ちだった。

 まさかこんなダンジョンがあったとは知らなかった。

 ダンジョンは、周囲の環境を取り込み、内部が生成されるという。

 そのため、街中に出現するダンジョンは人工物が立て並ぶ異様な光景が広がるという。


「新しめのダンジョンだけど、先に入った人によると難易度は高めなんだって」


 テトラによると、ここは最近できたばかりの新しいダンジョン。

 そしてかなりの難易度だという話だ。

 油断はできないだろう。


「じゃあ配信用のドローンを飛ばすね、角田さん」


「おっけー!たのむよなで子ちゃん」


 配信にはなで子のドローンを使う。

 角田ことテトラが使うものよりも性能が高いらしい。

 しかも今回のコラボ用に一部改造し、性能を上げてある。

 視聴者たちはきっと驚くだろう。

 さらに、今回はサプライズ的な要素もある。

 なで子とテトラ、二人はほかの配信者とのコラボレーションを事前に告知した。

 しかし、誰かまでは言っていない。


「…じゃあはじまるよ、なで子ちゃん」


「うん」


 とカウントダウンをし配信が始まるのを待つ。

 そして、配信が始まった。


「みなさんこんにちは!なで子と…」


「テトラですわ!オホホホホ!」


 二人は元気よく挨拶をした。

 するとコメント欄が一気に加速する。


『キターー!!』


『待ってたぞ!』


「わわっ、すごい数ですね。びっくりしました」


 なで子が目を丸くして驚いている。

 確かに凄い量だ。

 この配信だけで数万の視聴者が見ているのではないだろうか?

 そしてテトラ、配信だとそういうキャラだったのか。

 以前、動画を見たときは会話まではよく聞いていなかったため、少し驚いてしまった。


「今回はあの(みなさんご存じ)『結晶戦姫テトラ』さんとコラボレーション企画が実現しました!」


 二人が元気よく挨拶をした。

 コメント欄も盛り上がっているようだ。


『おつテトラ』


『コラボとか初めてじゃない?楽しみ』


『おお』


「今回は、このダンジョンを攻略する配信になります」


「難易度が高めとのことで、私たちも気を引き締めていきますわ!」


 テトラが気合を入れるように言う。

 哲人とユキは、今回はあくまで脇役に徹することにする。

 主役はテトラとなで子なのだから。


「セラートさんとユキさん、いきますわよ!」


 テトラが叫ぶ。

 哲人とユキはそれにこたえるように、テトラの後をついていく。

 そんなこんなでダンジョン内を進んでいく哲人たち。

 どうやら今回のダンジョンは、人工的な構造でできているようだ。


「ビルに道路に…外にいるみたい」


 ユキが呟く。

 これは珍しいタイプのダンジョンかもしれないな。

 そう思いながら歩いていると、さっそくモンスターが現れた。

 ゴブリンのような見た目をした小型のモンスターだ。

 しかし、全身が金属で覆われており、いかにも硬そうな見た目をしている。


「金属ゴブリンですわ」


『名前がダサい』


『アイアンゴブリンです』


 テトラの言葉に対し、コメント欄で突っ込みと訂正が入る。

 大喜利的なネタなのだろうか。

 あるいはテトラが天然な性格なだけなのか…


「テトラさん、サポートします」


「ありがとう、けど心配ご無用ですわよ!はあっ!!」


 そう言って彼女は杖を振りかざした。

 すると、杖先から水流が発生し、そのままゴブリンに直撃した。


『水魔法だ!!』


『かっこいい!』


 テトラは水魔法の使い手。

 彼女の攻撃により、ゴブリンはそのまま倒れてしまった。

 その様子をみたテトラは満足げにうなずいていた。

 一方、ユキは倒れたゴブリンから素材を一人でむしり取っていた。


『草』


『草』


『おお』


 コメント欄も盛り上がっている様子だ。

 どうやら視聴者たちも楽しんでくれているようだ。

 モンスターを倒しながら、都市型ダンジョンを進んでいく。

 テトラとなで子は、ダンジョン内部を紹介しながら進んでいく。

 なで子が配信しているドローンも周囲を撮影して映像に残してくれている。

 これはありがたい。


「ダンジョンの内部とは思えないですね」


「普通の街中みたいな構造で不気味ですわ」


 なで子とテトラが感想を言う。

 哲人も同意見だった、本当に市街地の街並みのようだ。

 そもそも、ダンジョンというものはどういった原理で生み出されているのだろうか。

 改めて考えてみるとおかしな話だ。

 明らかに『自然現象』ではない。


「(ダンジョン…)」


 ダンジョンとは一体何なのか、それは未だに解明されていない謎。

 様々な学者が研究を続けているが、まだ詳しいことはわかっていない。

 まあ、そんなことよりも今はコラボ配信に集中しようと思う。

 コメント欄でも哲人たちのことを気遣ってくれているようだ。


「あ、あそこにモンスターがいますわ!」


 テトラが指差す方向を見るとそこにはアイアンゴブリンの群れがいた。

 数は5体といったところだろうか。


「私が倒しましょうか?」


 なで子が提案する。

 しかしテトラはそれを止めた。


「いいえ、ここは私に任せてください!」


 そういいながら、水属性の魔法を発動するテトラ。

 彼女の両手から放たれた水の塊は高速で飛んでいきアイアンゴブリンに直撃する。

 そしてそのまま倒すことに成功するのだった。

 攻撃を受けたアイアンゴブリンは消滅した。


『おお』


「すごい!一撃で倒しちゃいました!!」


 なで子が興奮気味に言う。

 コメントも盛り上がっている。

 確かに見事な手際だ。


「いやぁ、それほどでも…」


 そう言いつつ少し嬉しそうだ。

 結晶戦姫テトラではなく、角田ミサトとしての素が出ているのだろう。

 その後も哲人たちは順調に探索を進めていった。

 テトラの魔法はかなり強力で頼りになるものだった。

 なで子のサポートも的確だったのでとてもスムーズに進むことが出来たのである。


『二人とも連携取れてるね!』


「ふふん、そうでしょ?」


 得意げな表情を見せるテトラ。

 どうやら彼女は褒められるのが好きらしい。

 なで子もそれに気づいているようで嬉しそうな顔をしている。


『かわいい!!』


「…えへへ」


 そして哲人たちはついに最深部にあるボス部屋の前に到着したのである。

 テトラが扉に手をかける。

 どうやらこの先にいるボスが配信の目玉の一つらしい。

 なで子も緊張した面持ちになっている。

 哲人はそんな彼女を安心させるためにそっと手を握る。


『お、これは?』


『これは間違いないな』


『てぇてぇ』


『おお』


『尊い…』


 哲人は顔を真っ赤にして俯いてしまった。

 まさかこんな展開になるとは思ってもいなかったからだ。

 テトラが哲人を不思議そうに見ている。

 どうやら彼女は気づいていないようだった。


『なで子ちゃん顔真っ赤w』


「そ、そんなことないですよ!」


 慌てて否定しているなで子。

 だが、その仕草がまた可愛らしくコメント欄がさらに盛り上がりを見せる。


『これはいい』


『なで子ちゃんかわいい』


「ッ…!」


 その時だった。

 ユキが何かに気づいたように声を上げたのである。

 どうやらボス部屋の前に着いたようだ。

 彼女は扉を開けて中に入ったので哲人たちもそれに続くことにした。

 部屋の中に入るとそこは広い空間になっていて、中央には巨大なモンスターがいた。


「あれはミノタウロスですわ」


「ミノタウロスか。神話だと迷宮の怪物だったよな」


 迷宮のような構造の都市型ダンジョンにはある意味ピッタリの魔物だろう。

 なで子はやる気になっているようでやる気満々といった表情を見せていた。

 速攻で水属性の魔法を発動するテトラ。

 彼女の両手からは水の塊が発射されミノタウロスに命中した。

 しかし、あまり効いていないように見える。


『お』


『効いてないぞ?』


『大丈夫か?』


『ミノタウロス硬すぎんだろ』


「ふふん、私の水属性魔法は最強ですわ」


 自信満々に言うテトラ。

 確かに彼女の魔法はかなり強力だ。

 彼女は諦めずに何度も攻撃を繰り返していた。

 すると次第にミノタウロスの動きが鈍くなってきたように見えた。

 どうやら効いているようだ。


「よし!これならいけます!」


 嬉しそうに言うなで子。

 そう答えると同時に、再び魔法を放つテトラ。


「ユキさん、セラートさん!」


「うん」


「よし!」


 テトラの魔法攻撃で突破口が開いた。

 そこを哲人とユキが進む。

 ユキが忍者刀を構えて素早く突くように攻撃を仕掛けていった。

 その攻撃により、ミノタウロスは次第に弱っていく様子を見せた。


「固ッ…!」


 苦虫をかみつぶしたような顔をしながら、ユキが呟く。

 まだ倒れないようだ。

 そこで哲人はさらに攻撃を仕掛けることにした。

 それにあわせ、テトラも攻撃を仕掛ける。

 二人の同時攻撃によりついにミノタウロスを倒すことに成功したのだった。

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