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屋根裏ダンジョン育ちの無名剣士、配信で正体を隠したまま無双する  作者: 剣竜
第一章 ダンジョン配信編

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第十五話 ほかの配信者の動画を見てみた

 バイトを終え、自宅へと帰ってた哲人。

 適当な店で買ってきた弁当を食べ、夕食を済ませる。

 その後、スマホでネットサーフィンをしていると、ふと気になる記事を見つけた。

 それはダンジョン内で撮影された動画についての記事だった。

 ユキとなで子のダンジョン配信に付き合うようになってから、哲人は


「ふぅ」


 少し前までは、自分には全く関係の無い話だと思っていた。

 だが、これが意外と楽しい。

 特に気にいっている配信者は、『ジャスティスちゃんねる』というチャンネルで活動している『ジャスティス・ヒロキ』という男の配信者だ。

 彼はソロ探索者として活動しており、武器は剣を使っているようだ。

 戦闘スタイルは非常にシンプル。

 誰もが想像するような、正統派の探索者といった感じだ。


「お、新しい動画が上がっているぞ」


 哲人は早速、その動画を見てみることにした。

 それは全四階層の探索配信のようだ。

 彼はソロ探索者として様々なダンジョンを回っている。

 そして今回は海のダンジョンに来ていたようだ。

 海の中を泳いでいる魚のようなモンスターや、海底にある宝箱などを紹介しつつ進んでいく彼。

 だが途中で問題が起きたようで、なんと巨大なイカと遭遇してしまった。

  しかも二体同時にだ。


「これはキツイだろ」


 思わず声が出てしまうほど驚いた哲人。

 どうやら、視聴者も同じ気持ちだったようだ。

 コメント欄も凄い勢いで流れているのがわかる。

 しかしそこは流石と言うべきか、彼は冷静に対処していた。

 まず一体目のイカに対して攻撃を仕掛けたのだが、なんと一撃で倒してしまうことに成功する。

 そしてそのまま二体目に対しても同じような攻撃を行い撃破したのだった。

 どうやら彼の剣には特殊な効果が付いているらしく、それでイカを倒したようだった。


『この剣のおかげで倒せたぜ!本当に助かりました!』


 視聴者に語り掛ける彼。

 どうやらその剣は、チャンネルの収益で購入したものだという。

 購入後、視聴者の意見をもとに強化を施した。

 視聴者の皆で作り上げた剣なのだ。

 そんな彼に対して視聴者達は惜しみない賞賛を送っていた。

 やはり人気があるようだ、このチャンネルは。

 今後も応援していくことにしようと思う哲人。


「次は…」


 次に見ることにしたのは、別の探索者配信者の動画だ。

 剣崎ツバサさんのダンジョン探索配信だ。

 そこで彼女はゴブリンの群れと戦っている最中であった。

 一体一体はそこまで強くはないのだがとにかく数が多い。

 彼女の動画は、よくゴブリンと戦うことが多い。


『ゴブリンだけは苦手です…』


 という彼女の言葉に共感しつつ、彼女の戦いぶりを見守ることにする。

 剣崎さんの戦闘スタイルはとにかくシンプルだ。

 ただただひたすら切り続けているだけである。

 しかしこれが非常に強力らしく、次々と倒していく様子が見て取れた。


「おお…やはり強いなこの人…」


 思わず感嘆の声を上げてしまう哲人であった。

 意外と早く攻略していったため、別の人の動画を見ることにした。

 今度はソロ探索者の動画ではなく、コンビで活動している人達が配信しているものだ。

『スタチューバスターズ』というコンビ名で活動しており、その二人が主にダンジョン探索を行なっているようだ。

 哲人はこのコンビが結構気に入っており、よくチェックしていたりする。


「お、今日上げてるのか」


 早速再生してみることにした。

 二人の男のうち一人は、巨大な盾を持った大男だ。

 名前は『タゴサク』、彼は大きな盾を振り回しながらモンスターを倒していくスタイルだ。

 そしてもう一人の方は、細身の男性だ。

 彼の名は『サツバツ』といい、主に弓を使って戦っているようだ。

 二人とも年齢は三十歳を超えているようで、ベテラン探索者であることがわかる。

 そんな二人がコンビを組んでいる理由は単純明快。

 学生時代からの友人らしい。


「お?これは…」


 哲人はとある場面に釘付けになった。

 二人が三階層の攻略を始めたのだが、そこで大量のスケルトンが現れたのだ。

 その数なんと十体以上。

  しかも一体一体がかなり大きいようだ。


「うお…これはキツイだろ…」


 そんな感想を呟いていると、二人は冷静に対処し始めた。

 まずタゴサクが盾でスケルトンを押し返し、体勢を崩したところにサツバツが弓を放つ。

 見事に成功させており、一気に数体のスケルトンを倒した。

 次に現れたのはオークだった。

 それも三体同時に出現したようだ。


「うげぇ」


 思わず声が出てしまうほどの状況である。

 二人がかりとはいえこの数はキツイのではないかと思ったその時、二人はニヤリと笑った。

 どうやら何か策があるようだ。

 まずタゴサクが盾を構えて突進したかと思うとそのまま体当たりを繰り出す。

 その攻撃によって一体のオークが倒れたのだが残りの二体は無傷のようだ。

 すかさずサツバツが弓を構えて矢を放つ。

 その矢は見事命中し、一体のオークを倒してしまった。

 そして残りの二体のうち一体にタゴサクが突進していき押し倒すとそのまま動きを封じた。

 その間にもう一体のオークを倒したサツバツがトドメを刺したのだった。


「おお…これは凄い」


 思わず感動してしまった。

 このコンビはかなり強いようだ。

 その後も様々なモンスターと戦っていくのだが、どれも危なげなく対処している様子が見て取れた。

 二人ともかなり強い。


「このコンビは今後も注目だな」


 その後も様々な探索者の動画を見たり、ダンジョン配信者のコミュニティに入ったりして楽しんでいた哲人だったが、気付けば夜遅くなってしまっていたようだ。

 そろそろ寝ないと明日に支障が出ると思い、寝る準備を始めた。

 その時、スマホが振動し始めたのである。

 画面には『ユキ』の文字があった。


「もしもし?」


『もしかして寝てた?』


「いや」


『よかった』


 哲人が言うと、彼女はすぐに返事をしてくれた。

 どうやら何か用事があって電話してきたわけではないらしい。

 ただ単に暇だから話し相手になって欲しいというだけのようだ。


「それで、なんの用なんだい?」


 哲人が聞くと彼女は答えてくれたのである。


『いや、特に用はないんだけど…』


「…本当に?」


『うん』


 そう答える彼女を見て哲人は苦笑いをするしかなかった。

 しかしそれでも悪い気はしなかった。

 それからしばらくの間、彼女と雑談をしていた。

 内容は他愛もないことばかりなのだが…


『ふぁ~…』


 ユキの眠そうな声が聞こえてきた。

 時計を見ると既に一時を過ぎているではないか。

 そろそろ寝た方が良い時間かもしれないと思い、彼女に言うことにした。

 しかしユキはなかなか引き下がらなかったのである。

 どうやらまだ話し足りないらしい…

 結局、哲人達はそのまま朝まで話し込んでしまったのだった…


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