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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

トイレの帰り道にて

作者: 藤なごみ

 ※これは作者が実際に体験した事実を元に執筆しています

  九割ノンフィクションで、あまり怖くないかもしれません


 作者がまだ小学五年生だったある日の出来事です。

 作者は普段子ども部屋の二段ベッドで寝ていて、夜中に起きる事なんて殆どなく朝までぐっすり寝ています。

 三人兄弟なのですが、基本全員寝たら起きない性格でした。


 そんなある夏休みの夜の事、僕は何故か寝苦しさを覚えて目が覚めてしまいました。

 実は作者は低血圧なので寝起きは滅茶苦茶弱いのに、何故だかパッと覚醒したのを覚えています。

 そして、自分の体の異変に直ぐに気が付きました。


「あ、あれ? 何で? えっ?」


 そう、作者の体が全く動かないのです。

 前日無理に動いた記憶もないし、体を痛めている訳でもありません。

 でも、体が全く動かないのです。

 しかし頭は冷静に働いており、作者はふと思いました。

 もしかしたら、金縛りにあったのではないか、と。

 そんな思いが確定したのは、作者の目だけを枕の右の方に向けた時でした。


「……」


 作者の枕元に大きさにして一メートル程の白いもやみたいなものがあり、作者の事を見ている様に感じました。

 普通だったらいきなり目の前に現れた白いもやに悲鳴を上げる場面ですが、僕は全く恐怖を感じませんでした。

 逆に白いもやからは、親近感すら感じていました。


 そして時間にして数分して、白いもやは消えていきました。

 すると、僕の体は普通に動く様になりました。

 あれは一体何だったのだろうと思いながら、僕はトイレに向かいました。

 時間はまだ朝の三時で、いつもならぐっすり寝ている時間です。


 そしてトイレを終えてまたベッドに戻ろうと、部屋に帰ろうとした時でした。

 明かりが消えているはずの座敷の明かりがついていたのに気が付きました。

 僕は何だろうと思いながら、座敷に向かって行きました。


 座敷に棺桶が置かれていて、祖母が棺桶の中に入っていました。


 実は祖母は病気の為に長い間入院していて、その日の深夜に亡くなったのです。

 病院で処置を終えて棺桶に入った祖母が座敷にやってきたのが、まさに僕が白いもやを見たタイミングでした。

 棺桶の側にいた両親と祖父に聞くと、祖母は眠るように亡くなったとの事でした。

 僕は、あの白いもやが祖母ではなかったのかなと思いました。

 僕達兄妹は祖母に大分かわいがられたので、最後の挨拶に来たのではないかと、そう思いました。

 事実、弟と妹も夢の中に祖母が現れたと言っていました。

 祖母が亡くなったのは悲しかったけど、それ以上に僕達兄妹に挨拶に来てくれたのが嬉しくもありました。

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