表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トラックドライバー、女神を殺す  作者: 佐島トム
1章現代 地球編
8/43

第6話 チェックイン

ブクマ、評価が励みになります。よろしくお願いします。


 警察署を出て、服屋に寄ってもらった俺は、あまり選ばずに外出用として、ユルい感じの上下のスウェットとジャージを購入した。室内着としては半袖のTシャツと下着を5着、短パンも3着用意した。


 合計で約1万円。その内6割をスウェットとジャージが占めている。


(まぁまぁかかったなぁ…。スウェットとジャージはどっちか片方でもよかったか?)


 大きめの袋に入れてもらい、急いでタクシーに戻ると、いよいよホテルに向かうようお願いした。


 ***


 4月8日13:10

 タクシーチケットに記入を済ませ、ドライバーさんにお礼を言って別れる。


 駅から徒歩5分程の場所にあるホテルで、その駅もそれなりに利用者がいるらしい。周囲にも飲食チェーン店が豊富で、かなりの好立地だった。


 ホテルに入ったらフロントで、

「いらっしゃいませ。手指消毒にご協力をお願いします。」と20代後半か30前半の女性スタッフに笑顔で挨拶された。


(ビジネスホテルって初めて入ったけど、やっぱりホテルはホテルなんだな〜)


 ドア横のアルコールを手に取り、少し周りを見回しながらフロントに近づいて

「予約をしてないんですけど、部屋の空きはありますか?」と確認してみた。


(ホテルのチェックインなんて初めてだけど、支払いはクレジット使えるよね?)


 女性スタッフさんは、

「ございます。ご宿泊は何泊されますか?」と何でもなさそうに連泊数を聞いてきた。


(お?この感じは気付かれてない?結構報道されてるって署長さん言ってたけど、顔はそんなに出てないのか?)


 それはそれとして、

(そこなんだよなぁ〜、四十九日が終わるまでは裁判も始まらないらしいけど、マスコミが家の周りから消えるまでなんて分からんからな〜。とりあえずは1週間くらいかな。連泊だと少し安くなったりするらしいけど…。)


「連泊したいんですけど、連泊すると割引があるって聞いたことがあって…」と割引制度の話を出してみた。


「はい、当ホテルでは4日以降の連泊で5%7日間目以降は10%の割引がございます。」と隣のパソコンを確認しながら、説明してくれた。


(それなら1週間はここでいいか、その後のことはチェックインしてから、ゆっくり調べながらでいいし。)


「じゃあ、連泊7日分でお願いします。」と頼めば、


「かしこまりました。空き状況を確認しますので、少々お待ちください。」とパソコンで何やら調べ始めた。


 待っている間に、フロントの周りをキョロキョロ見ていると、2分くらいで声を掛けられた。


「お客様、お部屋は3階の306号室になりますが、よろしいでしょうか?」カードキーの番号を見せながら、確認してきた。


「はい、大丈夫です。」

(別に曰く付きって訳じゃないよな?エレベーターだってあるし、ただ部屋番号教えてくれただけだよな。)


 スタッフさんは、カードキーと一緒に、2枚の紙にペンを添えて差し出してきた。


 受け取って読んでみると、感染予防対策の紙が1枚と名前や住所、緊急連絡先などの感染時に使われる情報を記入する紙だった。


(あー、これに名前書いたら、この人も流石に気付くかな…。でもこれ書かなかったらそれこそお引き取り下さいだろうし…。)


 渋々と、名前、生年月日、年齢、住所、連絡先、緊急連絡先、発熱の症状が無いかといった欄に記入した。


 西木圭人(さいきけいと)

 2000年4月17日 21歳

 東京都葛飾区亀有一丁目○○-○○○

 080-○○○○-○○○○

 090-○○○○-○○○○

 と症状のチェック欄にチェックして、提出した。


(緊急連絡先は母さんのにしといたけど、電話出られる状態かな?)


 ササッと流し読みしたスタッフさんは、気付いた様子も見せずに一度頷くと、

「ご協力ありがとうございます。それではそちらの精算機にカードキーを通して精算をお願いします。なお、本日から7日間で料金の変動はございませんでしたので、4500円が4日、4275円が3日の合計で30825円になります。」とフロント横の精算機を使うように言われた。


 カードキーを置き場所に置くと金額が表示されて、タッチパネルで支払い方法を選ぶらしい。クレジットを指定してカードを差し込み、暗証番号を打ち込んで支払いが完了した。


(おー、今はホテルもセルフになってるんやなー)


 レシートが出てきて財布にしまってから、フロントを見てみると、書類を片付けに行ったのか女性スタッフはもう居なくなっていた。


 エレベーターの上ボタンを押して待っている間に、

(あのスタッフさん、俺だって気付いたかな…?見た感じしっかりした感じだったし、リークとかしなさそうだけど…。)


 降りてきたエレベーターに乗り込み、3階のボタンを押した。

(まぁ、何もされないことを祈るしかないか…。)


 3階で降りて案内板を確認すると、306号室は突き当たりの角部屋らしい。


(角部屋か〜普通だと静かで良いってなるんだろうけど、ビジホでうるさい客なんて滅多に居なさそうだしな〜。)


 そんなことを考えながら、306号室に入った。

ブクマ評価が励みになります。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ