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トラックドライバー、女神を殺す  作者: 佐島トム
プロローグ
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プロローグ①

トラックで轢いてしまった側から見た異世界ファンタジーです。よろしくお願いします。

 世界的な感染症の流行から早くも3年が経とうとしている。

 当時、2019年の12月頃は浮かれた大学1年生だった俺は、他国の感染状況なんかには全く関心を向けず、バイト先のラーメン店で美味い賄いを開発しようとするだけのどこにでもいる学生だった。


 しかし、その感染症が世界各地に拡大し、日本に入って来てからは、実家の飲食店を含め様々なものが変わり始める。拡大初期には感染者数一桁でニュースになっていたものが、すぐに数十人、数百人では騒がれるようなものでもなくなって、対面からオンラインへ、入店時にアルコール消毒など、人と人の距離を保つように変わっていった。


 その中でも実家の飲食店は、パーテーションの設置や客席の間引き、時短営業の要請で少しずつ疲弊していった。時短営業の協力金でなんとか保っているものの、タイミング悪く祖父母が住む離れを建ててしまっていた上に、妹の高校入学も控えていて金銭的な余裕は一切無かった。

 店を開けても常連以外の客足は途絶え、毎日赤字を垂れ流し続けて、先の見えない日々に焦る両親を見た俺は大学を2年修了2021年3月付けで中退する事を決意した。


 今にして思えば、あの時にもう少し優柔不断だったら今の俺は、中堅どころでヒィヒィ言いながら働いていたのかもしれない。


 家族に少し反対されながらも、派遣で働き出した俺はまず稼げる仕事として大型ドライバーに目を付けた。高校の卒業直後あたりに普通免許は取得していたので、おおよそ1年後の2022年3月以降に、大型取得条件の3年の免許保有期間を満たせると確認してからは、派遣で教習費用を稼ぎつつ実家に金を入れ続けた。


 *****


 2022年4月、1年で教習費用は無事に貯まって、大型免許も無事に取得出来た俺は、給料の良さから長距離ドライバーとして就職した。自分の給料と規制の緩和で人出が戻ってきて、実家に少し余裕が出来たので、今度は自分の学費を稼ぐためにもう少し働くつもりだ。

 4月7日就業初日、東京から名古屋まで行くことになり、朝5時に出勤して7時に荷積みが終わり、昼12時頃になんとか無事に名古屋まで辿り着いた。


 行きの仕事を無事に終えて、今度は帰りの荷物を名古屋から埼玉まで運ぶ仕事があった。少し休憩を挟んで15時頃名古屋を出発し、渋滞にハマりつつも無事に21時少し前に外環道の三郷辺りまで戻ってきた。

 一般道に降りて少し走った場所にある工場に積荷を降ろせば、今日の仕事は終わりで会社にトラックを戻して明日1日は休みになる。また明後日の5時に出勤するサイクルを繰り返すらしい。


 そんなことを考えていたら、俺が運転するトラックは急に制御不能になり、歩道に突っ込んでしまった。

導入partは説明口調ですが、物語が始まるまでは…

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