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第三話とんでもない探偵コンビ登場(後編)

やっと完成した後編です。ご愛読よろしくお願いします。

葵の依頼を達成した翌日の朝、俺は自分の部屋で以前達也に言われた事を一人思い出し呟いた。

「確かに、達也の言った事も一理あるが」

(しかし美優の気持ちを考えたら、言う事なんて出来る訳がない。自殺に追いやられた親友が幼少期の頃、養子に出された俺の妹だと明かす事なんて断じて出来ない)

「このまま黙って置こう」


その頃美優は学校の屋上で飛鳥と話していた。

「えっ、姉貴の申し出を受けることにした?」

「うん、レスラーと空手の両立やってみようと思って」

彼女がそう言うと、私は笑顔で返した。

「分かった、姉貴には私から伝えておく」

「ありがとう、飛鳥」

そう話して彼女と別れた後、私はバイクで走って行った。


その頃、俺はアパート内で葵からの連絡を受けていた。

「そうか、あいつがレスラーと空手の両立を決意したか」

「ええ、さっき妹から連絡があってね」

それを聞いた俺は心の中で呟いた。

(あいつ、もっと強くなりたいと思ったんだなきっと)

「態々ありがとな、じゃあ」

そう言って俺が受話器を切って数分後、実優が帰ってきた。

「ただいま」

「おかえり、電話で聞いたぞ葵の申し出受けたんだって?」

「まあね、もっと強くなりたいと思ったから」

その翌日から美優は、葵と飛鳥の特訓を受け始めた。

そして一週間後、彼女は見違えるほどに強くなっていた。

「しかし、スカーレットタイガーの名で覆面レスラーデビューするとは」

「驚いた?」

「一応な」

彼女がそう言うと、俺は言葉を返す。

「て言うか、このコスチュームいかにもお前らしいな」

「まあね」

彼女のコスチュームを見た俺は心の中で呟いた。

(水着にレスリングブーツそれに朱色のマスクとは、考えたな)

「しかし、これだとすぐお前だとばれる危険性あるぞ」

「大丈夫顔だけ隠してるだけだけだから、口元は見えても問題ないでしょう」

「確かにな、だがくれぐれも正体がばれないようにしろよ」

「分かってる」

俺が冷静に言うと、彼女はそう返す。

そして美優のスカーレットタイガーとしての活躍は高校で評判となってから三日後、俺と美優は一人の女性からある依頼を受ける。


「娘さんがいじめを受けている可能性があるから、調べて助けてほしい?」

「ええ、娘も美優さんと同じ高校で、美優さんの事は娘から聞いています」

「最近、水浸しになった教科書を持って帰って来る様になったと?」

彼女の名は、茅野咲(38)とある会社で働きながら女手一人で娘を育てるシングルマザーである。

「そして、娘さんに事情を聞こうとしたら何でもないと言われたんですね?」

俺がそう言うと、彼女は静かに頷いた。

「分かりました、では俺達二人が娘さんと話をしましょう」そして俺達は依頼者の娘・麗奈に会う為に彼女の部屋に行った。

「滝沢先輩」

「麗奈」

入って来た直後、美優が彼女の名を呼ぶ。

「あの時以来ですね」

彼女がそう言った瞬間、私は麗奈と初めて会った時の事を思い返していた。

転校初日を終え下校途中私は、下級生に絡んでいたヤクザを空手でぶちのめした事があった。

その下級生が麗奈だった。

「ええ、何故私達がここに来たのか分かるわね」

「はい、あの時助けてくれた先輩には聞いて貰おうと思ってました」

実優がそう尋ねると、彼女はそう答えた。

「そう言う所を見ると、やはりお母さんに気づかれたくなかったのね本当の事」

「ええ、先輩なら気づいてくれると思ってました」

「大方予想はついてたけど、首謀者はお袋さんの勤め先の社長の娘でしょう」

「そう言う事か」

その言葉を聞いた瞬間、俺は事の真相にたどり着いて言葉を返した。

「ええ、あいつ私の母が自分の父親に逆らえない事を逆手に私に嫌がらせをしてきたんです」

麗奈は俺達にそう答えるのだった。

「なるほど、迂闊な事をすれば母親が危ないと考えたのね」

「だから耐え抜く事を選んだって訳か」

「馬鹿ね!!」

俺達が話していると、その言葉と共に咲が入ってきた。

「母さん」

「そんな事気にせず打ち明けてくれればよかったのに」

「だけど、下手をすれば母さんの立場が悪くなると思って」

「例えそうなっても気にしないから反撃してやりなさい」

親子がそう話していると美優が会話に加わり言った。

「ちょっと待った、良い手がある」

「えっ」

「何か策があるようだな、美優」

俺がそう言うと美優がそう頷いた。

「ええ、その為にも日向さんに頼みたい事があって」

俺にそう告げた実優は、作戦をこの場にいる全員に説明した。

それは麗奈が嫌がらせ行為の様子を撮影した後、加害者達を拘束する計画で明日決行される事になり美優が作戦の指揮をする事になった。


「じゃあ作戦通りに、なるべく落ち着いて行動しなさい」

「はい」

そう言って私は超小型カメラ付きのキーホルダーを彼女の服につけると二人で校舎に入っていた。


その頃俺は清掃員に変装し校内の近くで待機しながら呟いた。

「まさか、美優の推測通りだったとはな」

その頃実優は麗奈が撮影に成功したのを確認し、彼女を助けに女子トイレに突入していた。

「そこまでよ、黒崎麗華」

「げっ、滝沢実優」

「学校側を欺けても、この私は欺けないよ」

私の顔を見た黒崎麗華は動揺していた。

「あんた達親子のした事も、全て筒抜けだ」

「まさか今までの言動は全て?」

「その通り、その子の服に付けた小型カメラに記録済みって訳よ」

「なっ」

「ついでに言うと、あんたの両親も私の兄が連行済みよ」

私はそう言うと、麗華を正拳突きで気絶させた。

一時間後葵さんと兄が到着し事件は解決、同時に茅野親子も無事に救われた。

そしてその日の夜私と日向さんは、茅野親子に感謝されていた。

「ありがとうございました。」





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