マジョンデレラ
タイトルがオチ。
タイトルが全て。
内容に期待しない様にお願いします。 いや本当に。 切実に。
書いていて、支離滅裂気味だなぁと感じたので。
なので、勢いしか無いですが読んでいただけたら嬉しいです。
あるベタベタな西洋中世風ファンタジー世界に、マジョンデレラと言う綺麗な少女が居りました。
そのマジョンデレラは法衣貴族の娘です。
法衣貴族とは、王様のお城に勤める領地を持たない爵位持ち貴族です。
その法衣貴族の家は現在、王様から勧められたお相手として嫁いできた継母が家を牛耳っていました。
その継母には3人の連れ子姉妹がいて、家の中を我が物顔で取り仕切っています。
元々の主であるマジョンデレラの父は、何の理由かほとんど帰ってきません。
なので、継母は好き放題してマジョンデレラを下働きの雑用メードみたいに扱うのです。
扱うだけ扱って、お礼も言わず叱るだけ。
家はメードを一人も雇っていないので、マジョンデレラが雑用をしています。
扱いの差が一目で分かるのは、服装です。
継母と三姉妹は貴族に相応しいドレスを。
マジョンデレラだけは、寝間着にしか使えない様な、決して外には出せない位に恥ずかしい格好をしています。
夕飯時になったこの日も、みんなで食堂に集まってマジョンデレラを不遇な扱いをしています。
「ほら! マジョンデレラは家事のひとつも出来ないのね! 仕方のない子なんだから!」
継母は窓枠を雑に拭きながらマジョンデレラを叱ります。
「マジョンデレラ! 貴女は床掃除も満足に出来ないのね!」
三姉妹の一番上が、拭き布で床をなでながらマジョンデレラを叱ります。
「マジョンデレラ! 貴女はお茶淹れも下手だわ!」
姉妹の真ん中が、ティーポットを持ち5つのティーカップへ注ぎながら不満そうにしています。
「マジョンデレラ! なんで貴女はそんなに不味い料理しか作れないのかしら!」
三姉妹の一番下が、料理を載せたカートを押しながら罵ります。
「はいっ! すみませんっ!!」
マジョンデレラはそう応えるしか認められておらず、食堂の隅で娯楽本を笑いながら読んでいました。
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マジョンデレラへのひどい扱いは変わらず、毎日使われていましたが、ある日に変化が起きました。
「まあ、お城からの招待状よ! 今度の舞踏会で王子様のお妃を決めるんですって!!」
届いた招待状を読んだ継母が、いつもの意思を感じられない目で色めき立ちます。
「私達に相応しいイベントですわ!」
三姉妹の一番上が、死んだ魚の目で興奮した声を出します。
「絶対に王子様の妃の座を射止めてみせますわ!」
三姉妹の真ん中が、生きているのか分からない顔色で喜び跳びはねます。
「マジョンデレラ! 貴女には参加する資格など有りませんからね!」
三姉妹の一番下は、気合い満タンに小躍りしながら、器用に色素の抜けた顔でマジョンデレラを睨みました。
「はいっ! すみませんっ!」
マジョンデレラには、継母と三姉妹の前ではその言葉しか認められていません。
でもマジョンデレラは慣れたもの。
返事をする時だけ一生懸命な顔をして、言いつけられたお仕事をこなします。
「さてさて。 魔法でお掃除、お料理らーくらく。 空いた時間は部屋で読書しましょーっと」
継母と三姉妹には聞こえないよう、小さな声で魔法を唱えるマジョンデレラでした。
~~~~~~
舞踏会が開かれる日の夕方。
家の前に5人はいました。
「私達は舞踏会へ行きますが、言ったようにマジョンデレラは連れていきません」
部屋着でおめかしもしていない継母と三姉妹が並んで、代表して継母が玄関を背にしたマジョンデレラへ言いました。
「はいっ! すみませんっ!」
マジョンデレラが頭を下げます。
するとその時、不思議な事が起こりました。
継母と三姉妹、それと近くに隠れていたネズミ2匹と側に有ったカボチャが、まるで太陽みたいに光り輝きました。
マジョンデレラが使った魔法の力を受けて、継母や三姉妹は豪奢なドレスと化粧でメイクアップが完了し、ネズミやカボチャは再構成されて白い馬2頭とそれに牽かれる馬車へと変わったのです。
しかしこんな変化が有ったと言うのに、継母と三姉妹の表情が抜け落ちた様子で全く気付かず、まるで当然とばかりに4人はしずしずと馬車へ乗り込みました。
「いいですね、マジョンデレラ。 貴女はお留守番ですよ」
そして最後に継母がマジョンデレラへ言い残して、御者のいない馬車を発車させました。
「やっと邪魔者達を排除できた!」
これを見送ったマジョンデレラは、全てから解放されたように喜びます。
「私は魔法で、魔女として生きていくのよ。 王子と結婚なんて、したくないのよ」
マジョンデレラはなんと、魔女だったのです。
「これでこの家は、私ひとりきり! 好きなだけ研究も実験も出来るわ!」
そう言ってマジョンデレラは、とても楽しそうに家の中へ入るのでした。
マジョンデレラは、マジョンデレラがしたい事をする。
それには用済みの継母や三姉妹は邪魔なだけなのだ。
マジョンデレラには倫理観などない。
あるのはただ、探求心のみである。
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継母と三姉妹は、家でどうなっていたか?
それはもちろん、マジョンデレラの操り人形状態。
意識を乗っ取り、それっぽい言葉を言わせて、機械的に生かしていただけ。
作中で連中にやらせていたのは、家事をするふり。
魔法で全部ちょちょいとやれちゃうので、家事をさせる意味は無い。
つまり意味の無いことをさせていただけ。
なお最後に送り出して、排除できたと言ったわけですが、排除方法は読者様のご想像にお任せです。
城へ向かう途中で事故を起こしたでも、街の外へ馬車を走らせたでも、舞踏会に参加させて大失態させて不敬罪とかでも。
なんなら月まで飛ばしたでも、オトナな宿屋へ話をつけて売り払ったでも、スラム辺りで全部の魔法を解いたでも。
あ、ついでに出番がなかった父も、ご想像にお任せです。
ちゃんといて働いているとか、家が恐くて仕事ばかりしてるとか、実は既に……とか。
完全に未設定ですので、正解が有りません。