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翡翠の光芒  作者: かめろんぱん
1章〜生き残るために〜
2/2

1 現状把握

続きます。

意識が浮上する。

え?意識戻ったの俺?

俺は大学2年の新樹陽真、ちょっと背が高いだけのどこにでもいる普通の男子大学生。

確か、神崎をかばって大怪我して……うん、記憶は問題ないな。

ちょっと悲しくなってきたのは気のせいだ。

あの後どうなったんだろうか?

というかここはどこなんだ?

周りを見渡そうとして………目が見えん。てか首すら動かないんですけど?

おーい!誰かいないんですかー?

……声、出てないっすね。

オーケーオーケー落ち着け俺。

感覚的に痛いところはないようだ。

とりあえず手探りでもいいから現状の把握を………手探り?

手が、動かん。え、え、え、ヤバくね?

感覚すらないんだけど?

足は?足も!

これはクールぶってる場合じゃなかったのでは?

五感を尽く失ってない?あせあせあせ……


そして、


俺は今、いわゆる植物人間という状態なのではないか?


その考えが頭をよぎった瞬間、途端に押しつぶされそうなほどの不安に襲われた。

最後の記憶にある俺の怪我の度合いならあり得なくはない。

意識だけあって体を全く動かせないとか地獄じゃないか?

絶望しかけ、ネガティブな方向に傾く意識を必死で律する。落ち着くんだ……

と、その時、


さわり


と、何かが体に触れる感覚があったのだ!

たったそれだけではあったが、俺はちょっと嬉しかった。触覚はまだ存在するのだと分かったのだから!

ちょっと余裕が出てきた俺はその感覚があった方へ進もうとしてみる。

くっ、足が動かないのなら這ってでもーと気合を入れていると、


ふわりっ


と、自らの身体を動かす事に成功したのだ!

え?なんかおかしくない?果たして人間の身体を動かすときに“ふわりっ”という感覚があっただろうか?

答えは否だ。

だが現実はこれいかに。

そしてもう1つ問題がある。

俺が居るのは確実に病院ではないのだ。

身体を動かすときに自分の身体の下の感触がゴツゴツしていた。え?まじで何処にいんの俺?


ここが病院ではないのならどこなのだろうか?とりあえず動いて情報を集めよう。

色々と思考しているうちに身体の動かし方も少し分かってきた。……もうこの感覚には何も言うまい。

この新感覚がちょっと楽しくなってきて調子に乗っていると、


ボフッ


と何かにぶつかってしまった。ゴツゴツしていたから岩かなんかだろう。

ということはここは洞窟か何かなんだろうか?

うん、考えても分からない。

あんまり痛く無かったが、怪我でもしたら大変である。反省反省。

やっぱり何も見えないのは不便だし怖いなーと思いつつ、目よ!開け!と念じてみる。

こっちも気合があればワンチャンあるんじゃね?

というもはや現実逃避の思考の結果だ。

だって不安なんだから仕方ないだろ!

でも流石の俺でもこれで目が見える様になるとは思っていない――――――――


《エクストラスキル:千里眼を使用しますか?》


―――うそん。


マジか。マジなのか。これは来たんじゃないか?

などと舞い上がっていたが、ふと思う。


(エクストラスキル?え?ゲームですか?)


と。

これはもしかして最近よく聞く“異世界転生”というやつではないだろうか?

何が起きるか分からなかったのでスキルは使わないことにする。


一度集中して自分の身体の形を確認しよう。


………ふわっ     ふわり


(………………すげぇ丸いんだけど)


丸かった。以上。

人外確定じゃん!


*************************


大変不本意ではあるが俺が人外だと認めてからしばらくたった。

情報を整理してみると、


死んだっぽい

ゴツゴツした場所にいる

ゲームみたいな声が聞こえる

スキルがあるらしい

身体の形が丸い


………はい。

これは異世界転生だという結論に至ったのだった。


しかしこの身体、結構凄いのだ。

なんと食事も睡眠もいらないのだ。

元人間としては結構寂しかったりするのだが、食欲があっても何を食べれば良いのかわからないし、

睡眠を取っていると何かに襲われそうで不安だから結構便利だ。


さて、そろそろ本格的にどうするか決めようと思う。

なぜなら、HIMAなのだ。

本当にやることが無い。

今までは身体の新感覚を楽しんだり、色々考察して時間を潰せていたのだが、いい加減に飽きた。


そういえばこの前聞こえた声が、なんか《スキル》をつかいますか?って言ってたけど、そもそも俺はどんなスキルを持ってるんだろうか?


あなた様(マスター)が現在所有しているスキルはユニークスキル:理解者、エクストラスキル:千里眼、種族能力(トライブスキル):自然操作、自己再生、吸収、コモンスキル:念話、他各種耐性です》


!?


返事キター!

マジか。マジなのか。(2回目)

ほうほう。俺こんなにスキル持ってたのか。

知らなきゃ使えないから本当に助かったな。


ちなみにあなた誰ですか………?


《ユニークスキル:理解者の権能の一部です》


おおぉ…!すげぇ…。

もしかして理解者さん、スキルの使い方とか分かる………?


《肯定します》


マジか。マジなのか。(3回目)

これなら異世界でも生きて行けるかも知れない。

自分がスキルを使えるとなるとやっぱりワクワクするもんだな!楽しみだ!


しかし浮かれていて失敗しましたーではすまない。

ここはしっかり確認してから行動しよう。

魔法とかあるのかなぁ〜♪



評価よろしくお願いします!

m(_ _)m

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