エピローグ:とあるブラコン妹の狂想
一旦、〝私〟と名乗るふざけた存在は排除した。
今から呟く独白を知る資格はヤツには無い。
コレが私とお兄ちゃんの物語であるという単純明快な真実さえ分からない愚鈍には。
〝世界一のヒロイン〟というだけで、私の全てが肯定されてきた。
どんなに善い事をしても。どんなに悪い事をしても。何もかもが一切に正義なのだ。
たとえ〈大女神〉でも覆せない不変の真理。私こそが絶対的正義。
だから、誰も本当の私を見てはくれない。本当はクズな私を。
お兄ちゃんを除いては。
イタズラな私を叱ってくれる。ダメダメな私を褒めてくれる。
ポンコツな私を見ていてくれる。ゴミクズな私を支えてくれる。
ああぁ……お兄ちゃんだけが私の全てをちゃんと見てくれてる。
私は分かってる。誰よりもエルシィを幸せにしてくれるのはお兄ちゃんしかいないって。
……大好きだよ、お兄ちゃん……ううん、愛してる。
だから、何人たりとも私たちの幸せを邪魔するヤツは許さない。
でもね、私は出来る限り手を出さないよ。お兄ちゃんが頑張ってるもんね。
普通、元〈遊人〉が〈転生者〉に勝つなんて無理だよ。それを可能にしてる。
0という不可能を可能にしてる……私にはできない。
私にできることは限られてる。
本当にお兄ちゃんは私のために頑張ってくれてる。私のヒーロだよ。
だから、エルシィはお兄ちゃんのお手伝いをするくらいで良いよね?
お兄ちゃんがコンマ1%しか勝てる確率がない時に、私が100%にしてあげる。さすがに0%だと無理だから……その時は私が世界を改変するから安心して。
それくらいしか出来ないけど、許して。
……お兄ちゃん? 私はね、分かってるんだよ?
お兄ちゃんはエルシィの幸せを私よりも本気で考えてるって。
本当に嬉しいの。生まれて良かったって。人から愛されるって、こんなに幸せなんだって。
でもね、私はもう決めてるの。私の幸せを。
別に他の人を探さなくても良いんだよ?
だって、私はお兄ちゃんと結婚する。それ以外ありえないの。
だから、分かってくれるよね?
もし、分かってくれないんだったら、その時はお兄ちゃんでも……。
愛してるよ、お兄ちゃん。だから、ちゃんと分かってね。
~第1部・完~
ご愛読、ありがとうございます。
今回で第1部が完結しました。
ココで終わりとさせて頂きます。
ここまで読んでいただいた方、本当に感謝です。
私にとってはいっぱいの人に読んでもらえたと思っています。
嬉しい限りです。
特に、読み続けてくれた方が居ると分かって、その方(方々?)には重ね重ね感謝を伝えたいです。
ココまで続けられ、未完成ながらも一応最後まで来れたのは、ちゃんと終わりを見せたいと思った一心があったからだと思います。
重ね重ね、ありがとうございました。
個人的な感想ですが、私の力不足で、魅力的な作品にはしてあげられなかったと痛感しています。
多くの点で至らなかったのだと思います。とても申し訳ない気持ちでいっぱいです。
今後も活動はしていきたいですが、まずは反省など立て直しをしていきたいと思います。
最後に、本当に今までありがとうございました。
また何かの形であえれば幸いです。
もし何かあれば、是非メッセージを残してください。
では、失礼します。




