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チート転生者に最愛の妹は娶らせない!  作者: 千早一
第1部:【FATE】恋愛は運命から始まる。物語は因縁から始まる。そして兄妹は……
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第6章:その10

ホモ注意報。苦手な方は心の準備を。


「ほ、ホモが出たぁあああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 ザクズは尻餅をついてしまう。

 ――ジロウにケツ穴に指を突っ込まれ、掻き回されたトラウマが蘇る。

 ジロウは仁王立ちで、天を指差す。




「『自分の胸……心で! アニキを愛し続ける! アナを掘るなら己を貫く! 穴があったら入りたいほどの情けない過去の自分が穴にいても、ソイツを掘って自分を突き通す! 突き抜けたら……自分の勝ちっす! 自分は自分っす! 〈アイ・アム・アウェイク・ホモ・ヒーロ〉』!」




 ジロウが謎の超級バフ魔法を発動する――ターコイズ色のオーラが発せられる。

 彼のオーラに触れたグールたちの身体が自由になっていく

 ――何故かザクズの命令が行き届かない。シークの拘束も解かれる。

 CR男も自由となり、その場で失神する――P子が駆け寄り、受け止めた。


「今回のMVP候補が最後まで立ってないのは情けないっすね……でも、ナイスガッツだったっすよ! 1回くらいなら抱いても良いっす!」


 ノンケでも構わないホモは「優しくしてやんよ」とウィンクした。

 ――CR男はうなされる。

 ジロウは「やれやれっす」と苦笑いした。


「安心して寝てて良いっす……今宵の主人公は自分っすからね!」

 

 ジロウの〈主人公補正〉が十二分に発揮している。

 ――ヒロインのピンチにヒーローは不可欠。ヒロインはもちろんシークだ……アッー! でも、そこに穴がひくつく憧れちゃうぅ!

 ザクズはワナワナと震えながらも立ち上がった。

 ――もうお気づきの方もいるが注意報発動。引き続きパロ多用。




「一体何なんだ……たかがディフェ人のくせに……〈転生者〉の足元にも及ばないザコ人類のクセに……どうして僕に逆らえるんだ……何故、お前は僕に立ち向かうんだぁ!?」


「愛、かな?」


「お前もかぁああああああああああああ!!!」

 

 ザクズが魔法を発動させるために右手をジロウにかざす

 ――だが、その瞬間に右手が切り落とされた。

 ――今のジロウにとって、ザクズはただのザコになっている。


「い、痛ぁあああいッ!? な、何をしたぁあああ!?」


「ただの手刀斬っす。恐ろしく速い手刀斬っすけどね」


 ジロウはゆっくりとザクズの方へと歩いていく――凄まじい威圧感だ。

 ザクズの右腕はすぐに生えてきた――右手を振り上げ、迎撃態勢を取る。


「何なんだ……この力は……このホモから出てるこの力は何なんだッ!?」


「分からないっすよね……愛を信じることさえできないクズのザクズには。この……自分とアニキの愛から生まれる力がッ!」


「愛から生まれる力ぁ……? そんなモノが〈転生者〉の僕を倒せるものかぁ! 『平和をもたらす生まれ変わりし者の力をとくと味わえ〈転生者スラッシュ〉』!」

 

 ザクズはチョップをする――謎の上級攻撃魔法の黒閃がジロウへと向かう。

 しかし、ジロウに触れる前に消滅してしまう。何かに防がれてしまった。

 ――そして、ザクズとの距離を一瞬で詰めた。


「まだ抵抗するのならっす!」


 ジロウはザクズの股間を鷲掴みした――そのまま真上へと投げた。

 ザクズは「アァアアアアッー!?」と激痛に顔を歪める

 ――マッハ1の速度で天へと昇っていき、握り潰された股間は再生しない。

 ジロウは握りしめた右拳にありったけの力を込める。


「ウアッァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」


 ジロウは天へと上昇する――光が一筋の彗星となる。


「……ッ!? 僕の身体……? 動け……僕の身体……何故動かんっ!?」


 ザクズは回避行動を取ろうとするが、身体が意志に背く。

 ――ジロウのオーラが阻む。

 ジロウは瞬く間にザクズの直下へと着き、右腕を振り上げる。


「ここからいなくなれぇえっす! 『〈乙男通Z〉』!」


 ジロウのアッパーがザクズを肛門から貫いていく。


「クザアッーアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

 

 パンチはそのまま脳天まで抜き抜け、爆発が起こった。

 ――ザクズは跡形もなく爆散した。

 ――成仏した訳ではないが、再生できない程にボロボロにされた。


【僕は消滅しないぃ……何度でも蘇るぅ……絶対に許さないぃ……】


 ジロウは降り注ぐ残骸から伝わってきた怨念に返答する。


「良いよっす。そのセリフ、覚えておいてやるっす。かかって来いっす。自分はノンケでも構わずにやるっすよ、何度でもね。」


【……お、覚えてるなよぉおおお!】


 そう言い残して、ザクズの残留思念は何処かへと行ってしまったようだ。

 ――最後は呆気ない幕切れであった。

 ――ジロウのオーラが収まり、ただの全裸に戻る。


「……アニキッ! 大丈夫っすか!?」


 地上へと戻ったジロウは、シークの元へと駆け寄った。


「ああ……何とかな……さすがジロウ……助かった」


 シークはジロウに膝枕される――横目でグールたちの様子を伺う。


(CR男もP子も無事……みんなも大丈夫……良かった……さすがジロウ……)


 シークは再びジロウに感謝する。

 ――計算通りだが、〈エッピ壱式〉が不発で胸をなでおろしている。

 ――ジロウという切り札のおかげで無事に野暮用を済ませられた。そのことにも安堵している。気が緩んで今にも気絶してしまいそうだ。

 ――ただ、同時に後悔もしている。『弱すぎて情けない』と。

 ――『こんな邪道でしか勝てない自分が情けない』と。

 ――『弱いのだから、もっと精進しなければ』と


(ただ、生き残れた……まだ俺は戦える……愛を守れる……)


 シークは心を強く保った。

 ――『それでもエルシィを守る』と。

 ――『どんなにカッコ悪くても、果てるまで、戦う』と。

 ――『それが俺にできる愛なのだから』と。




「と、ところでアニキ……約束のチューは……今しても良いっすかねぇ?」

 

 ジロウは唇をタコのように丸くさせながら、頬をピンクに染める。

 ――そんな約束は本章で出ていないはず。

 ――そう、コレがシークの暗号の2つ目の内容である


『みんなを救ってくれ。代わりに、俺にキスして良いぞ!』


 〈アイ・アム・アウェイクン・ホモ・ヒーロ〉の発動条件の1つ。

 ――ジロウがシークとの愛の成長を心身共に味わうこと。

 シークは「ふぅー」と大きく息を吐いて、答える。


「……良いぜ」


「………………えっ!?」


 ジロウはつい驚きの声を漏らしてしまう。

 ――いつものようにスルーされると思っていたからだ。

 思わず膝上の兄貴分の顔を覗くと、微笑んでいて、見つめ返していた。


「俺のためにこんな頑張ってくれたんだ。当然だろ? ジロウが仲間で良かった」


 シークはニカッと笑って答えた――えっ、そういうもんなの?

 今、彼の中にはただただ弟分への感謝の気持ちしかなかった。

 だが、明るく言ったものの、唐突に恥ずかしそうに顔を背けた。




「だけど……あんまり激しくするなよ? その……怖いからさ?」




 シークは『本気のジロウは怖い。手加減して欲しい』という意味で言った。



 

「あっ……あっ……あっ……」




 だが、ジロウは『だけど……初めてのキスだから……あんまり激しくするなよ? キスとか慣れてないし……怖いからさ? ……優しくしてくれよ?』と勝手に脳内変換されていた――コレは百合……P子とナギの百合……脳内変換完了!

 普段は強いシーク。彼から出た甘酸っぱいセリフ。加えて今にも果ててしまいそうな弱い姿。ジロウにとって至高のギャップ萌え。








「アッーァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」




 ジロウがキュン死するには十分だった。

 ――右拳を天に突き上げ、ガッツポーズする。

 まるで男の何か白濁した液体のように、真っ白に燃え尽きた。


「……おい、するならとっとと……あれ? じ、ジロウッ!?」


 シークが半身を起こし、ジロウの姿を確認した――昇天……成仏しかけ。


「じ、ジロウ、逝くな! あっ、そういう意味じゃない……ええい、ジロウ!」


「ど、どうしたんっすか、シークさん……って、ジロウさんが死にかけてるッ!?」


 周りにいたグールたちが駆け寄る――異変に気付いたようだ。


「こ、コレは大変だ! 命の恩人が死人にっ!?」


「い、今すぐに蘇生手術を! 心臓マッサージします!」


「大丈夫です! 死人の扱いには慣れてますので!」


「「「……グールだけにね」」」


「でも、グールは蘇生しないけどねぇ~」


「「「あるあるぅ~」」」


 グールたちがゲラゲラと笑い出す――ジョークには笑いがセット。仕方ない。

 グールではない兄貴分は笑えない――愛想笑いもできない。

シークはアセアセと慌てて促す。


「は、早くしてくれ! ジロウが死んじまう!」

 

 朝まで懸命に続いた蘇生手術のおかげで、ジロウは無事蘇ったのだった。




次回、5月17日までの投稿予定。(すみません)


ご愛読ありがとうございます。

本章はココで終わりとなります。

ダレてしまった…テンポが悪かった…無駄が多かった…そもそもテーゼが悪かった…などなど、自分の中で反省点はいっぱいの章ですが、あえて入れました(後々のため)。

楽しんでいただけたのならば嬉しい限りですが…微妙でしたら、すみません。


GW明けになり、仕事が多忙になると思うので、今週は余裕を持たせていただきます。

勝手ですがご了承ください。申し訳ないです。


では、また来週。。。

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